VRカメラマンが指南!『Gear 360』を使ったSNSウケする360度撮影術

VRカメラマンが指南!『Gear 360』を使ったSNSウケする360度撮影術

@DIME アットダイム

VR元年といわれる今年は、各社からパノラマVR撮影カメラが登場している。それらの中で、実用性の高いモデルがサムスンの『Gear 360』だ。

『Gear 360』の特長は、個性的なデザインと4K相当の動画に対応している点。球体のフォルムはVR撮影では理にかなっており、機能美でもある。もし直線的な形状であれば、パノラマVR撮影ではカメラ本体が写り込んでしまう。また防塵防滴仕様となっており、アウトドアシーンでもパノラマの記録ができる。すでに業務用として導入し、360°のVR画像をwebサイトにてパノラマの光景を紹介している事例もあり、趣味の領域を越えて活用の幅を広げた『Gear 360』。筆者は20年前からVR撮影している写真家。早速購入し『Gear 360』の機能の全てを試し、実力を検証したレビューと撮影ノウハウをお伝えしたい。


まずは開封の儀。円柱型パッケージはスタイリッシュだ。布製のケースも同梱するが、使用しない時はこのパッケージに収納してインテリアとしてもいいだろう。


パッケージから取り出す時は、『Gear 360』が生物的。


パッケージの下部には、同梱品がぎっしりと収まっている。隙間が無いほどに詰めてある。


同梱品の一式。布製ケースやストラップは携帯性を考慮してある。


パソコン用の専用ソフトのプロダクトキー。小さなシール状の紙は、失くしやすいので大事に保管しておこう。失くしても再発行も可能(有償)。


手持ち撮影のグリップと兼ねたミニ三脚。360°のVRを撮影すると三脚の一部が写り込んでしまうのが残念。


有機的なフォルムに好感がもてる。モノトーンを基調としておりスタイリッシュだが、カラーバリエーションもあっても良いだろう。


外観は左右対称となる球体のフォルムで、操作ボタンは3つのみ。2つのレンズはフロントとリアと区別されている。防塵防滴仕様はアウトドアでの楽しみ方が広がり、アクティブなシーンを撮ることも可能だ。


ピンポン球より一回り大きくしたサイズ感。


手に持って撮影する場合は、手を細くなるようすれば不用意に手が写り込むことは少なくなる。


本体には三脚穴があり、市販の自撮り棒につけても良いだろう。


側面の蓋を開けると、電池とmicroSDのスロットがある。充電は同梱されているUSBケーブルからになる。


予備用の電池は店頭での販売はなく、メーカーのサポートセンターに連絡をして注文する。2030円(税込)で代引き支払いのみとなる。また、別売品としての電池充電器はない。


設定モードはカメラ本体上部の小さな液晶にて表示され、カメラ本体のMENUボタンを操作することにより「ビデオ」「写真」「タイムラプス」「ビデオループ」と、4モードから選択できる。日本語の表示はしない仕様。小さな文字なため見にくく慣れが必要だ。


F2.0と明るいレンズを搭載している。夕方から夜にかけて、タイムラプスにて夜景を撮影した。建物が暗くならずに写すことができた。

?モバイル端末と連携により本領発揮。ただしサムスンの一部の機種に限られる

『Gear 360』はシンプルな機能であれば、カメラ本体のみで撮影ができるが、モバイル端末のアプリとの連携によって本来の機能を使いこなすことができる。ここで注意点として、モバイル端末はサムスンのGalaxyシリーズの 『S7 edge』、『S6 edge』、『S』6に限られており、他のAndroid端末やiOSには対応をしていない。今後の対応するアプリ登場に期待したい。


無料アプリの「Gear 360 マネージャー」は、カメラ本体のコントロールや映像の閲覧することができる。


対応するモバイル端末との接続は、最初にBluetoothにてペアリングする。画面に表示される通りに進めていけば、難しいことはない。


筆者が所有する『Galaxy S6』の「Gear 360 マネージャー」の画面。すでにパノラマのスタイルで室内が写っていると心持ち嬉しい。


カメラの初期設定では動画サイズは2560x1280となる。サイズの変更はカメラ本体では調整ができず、アプリの「Gear 360 マネージャー」にてサイズ変更となる。


動画サイズの変更画面。高画質では3840×1920まである。


カメラの感度設定では、最高ISO 6400まで対応する。


撮影モードのアイコンはわかりやすく、直感的な操作が可能。


アプリではこだわりの表現ができ、露出補正はもちろんカラーバランスも調整ができる。「HDR」のON/OFFが選択できるのが嬉しい。「HDR」とはハイダイナミックレンジの略称で、写真の明暗を中庸に整えて撮影するデジタル技術。日中での明暗のコントラストある場合に重宝する。


高画質動画の保存は、筆者の所有する『Galaxy S6』では対応しない。メーカーの相談窓口に電話にて確認をすると、『S7 edge』では保存できるとのこと。モバイル端末のスペックに左右されるようだ。

?本来は複雑なVR撮影をシンプルに実現したが完璧ではない

360°全方位カメラは、これまでになかったカメラだ。撮影では心がけておきたいポイントがあり、ご紹介しよう。まず、360°全方位カメラと特徴として、三脚または撮影者の手が必ず写り込んでしまう。また『Gear 360』は、2つのレンズが背中合わせのようになった構造になり、視差がおきてしまう。一眼カメラを用いたパノラマVR撮影では、レンズの中心点(ノーダルポイント)を測ることにより、視差をゼロにしている。『Gear 360』の視差は、近距離の光景で影響がでるが、遠景では気にならない。さらに、2つレンズは2つの撮像センサーでもあり、明るさの露出差に注意が必要だ。これらは、どのカメラ機種でも同じことである。留意点を把握し、より良いパノラマVRを撮影しよう。


全方位カメラは、撮影者が写り込んでしまう。これを回避させるために、アプリの「Gear 360 マネージャー」の『ロゴを追加』にて撮影者を覆い隠すようにする。


レンズには「ノーダルポイント」と呼ばれる中心点がある。本来ならば、2つのレンズが同じ場所にあるのが理想的だが構造として難しい。ある程度の視差は、他社も含めて許容範囲としている。取扱説明書では、デュアルレンズモードの撮影では、撮影対象物との距離を80cm以上離すと、境界を自然な形でつなげられると記載がある。(注:画像はイメージ図)


デュアルレンズモードの撮影で、視差の影響により板目がずれて写ってしまった。(写真上段) Gear 360を少し回転させると見た目に違和感のない撮影ができる。カメラを置く向きを少し変えるだけで、改善されることもある。モバイル端末に映し出される映像を見ながら調整をしよう。


公園を360°のVRで撮影。アプリ内画面では全方向が映っているのがわかる。上段は2つのレンズを左右で配置した見せ方。下段では地図のメルカトル図法のように展開した見せ方。


デュアルレンズモードの撮影では、2つのレンズと各々が独立した撮像センサーとなり、明るさにムラが発生する場合がある。例えば日没の場合では、フロントカメラを東に、リアカメラを西にすると東西で明暗差があるため、境界線で明るさの段差が起きてしまう。現時点では『Gear 360』の仕様であり、今後のカメラのファームアップでの改善を望む。


Windowsパソコンにて使用できる動画編集ソフト「Gear 360 ActionDirector」はVR動画編集と併せて、フルHDの動画編集も可能。サムスンの公式サイトからダウンロードする。VRの画像結合演算はパソコンへの負荷が高く、パソコンが比較的ハイスペック仕様だと、スムーズに演算作業が進む。パソコンの対応仕様については、公式サイトにて紹介しているので、事前に確認しておくと安心だ。インストールには製品に同梱されているプロダクトキーの入力が必須となる。


編集の仕方は、一般的な動画編集ソフトと同じスタイルとなっている。VR動画はファイルを読み込む際にVR編集用に変換しているようで、読み込みの所要時間が長くなる。


動画をつなぎ合わせるトランジションの種類は豊富にある。


動画の書き出し保存は、画質の選択ができる。可能であれば4K画質で保存をしよう。従来のH.264形式に加え、次世代のH.265形式にも対応している。


Facebookにアップした場合、タグ付けとしてデフォルトのタグが表示される。好みに応じて、追加したり削除したりもできる。


Facebookにアップロードしている最中の画面写真


Facebookでは、すでにお馴染みとなっている360°パノラマVRとしてアップロードされる。


YouTubeにアップロードしている最中の画面写真。アップロードはFacebookと同じ手順となる。注意点して、YouTubeにアップロードの際はVR映像に変換されるため、アップロード後の反映に余分に時間が掛かる場合がある。しばらくは平面的なパノラマ映像だが、数分待ち再度ページを読み込むと本来のVR映像となる。


YouTubeでの視聴画面。画質設定では、4K(2160)に対応していることが確認できる。


Googleストリートアプリをインストールすれば、撮影したVRをGoogleストリートにて公開することもできる。自分が撮ったVRを世界中の人が閲覧でき、友人や知人の仲間内を越えてVR作品を見られる機会ができる。

?VRの撮影と視聴のポイント

『Gear 360』での撮影するポイントとして、360°VR映像は自分が見て楽しむことよりも、人が見て疑似体験をすることを意識して撮影すれば共感も得られやすいということ。YouTubeにすでにアップされている動画を参考にして、撮り方を習得すれば、旅行先やパーティーなどの思い出を共有しやすいだろう。

YouTubeのVR動画視聴には、webブラウザが対応している必要がある。パソコンの場合、Googleから提供されるChromeが親和性として良いだろう。スマホではアプリの「YouTube」での視聴がおすすめだ。またサムスンから『Gear VR』もラインアップされており、より没入感のあるVR体験が可能となる。この新しい映像表現を可能にした『Gear 360』は、エポックメイキングな存在といえよう。

?『Gear 360』にて実際に4K撮影した動画(YouTube)

↑マウスオンで動かしてみて!

?商品情報
http://www.samsung.com/jp/consumer/mobilephone/gear/gear/SM-C200NZWAXJP/

写真・文/福永仲秋

雑誌・広告で写真撮影をするカメラマン。1996年に発売された日本で最初となるVRコンテンツ「超芸術 トマソンの冒険」のVR撮影を担当。

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