【グラドル撮影術】ソニー『α7R MarkII』でプロの技の再現に挑戦

【グラドル撮影術】ソニー『α7R MarkII』でプロの技の再現に挑戦

@DIME アットダイム

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

■Introduction

グラビアカメラマンの巨匠、渡辺達生さんが、その撮影テクニックを「おんなの撮り方 渡辺流」で明らかにした。「GORO」「週刊ポスト」の表紙などのグラビア撮影を40年間、5000人以上の女性を撮り続けた渡辺流60の技が公開された。グラドル撮影術でも、早速、購入して実践あるのみ! 今回は渡辺さんが巻末で紹介している機材と同じSONYのセットをメーカーから借用して、モデルにはグラドルのれなぴすさんを迎えて、プールで撮るためにモケモケスタジオ東京に撮影協力してもらった。

■Equipment

渡辺達生さんがメインで使っているのはキヤノンEOSの一眼レフなのだが、全部借りるとカメラとレンズ多数で持ち運びが大変なのと撮影が1日終わらなくなりそうなので、今回はSONYのフルサイズボディ『α7R MarkII』に大口径レンズ3本のセットで撮影する。これだけで重さ4.2kgあるのだ。同じ焦点距離をカバーするレンズ3本+いつものOLYMPUS『OM-D E-M10MKII』なら1kgで済むのに。お値段もソニーストアで購入すると合計103万8677円と三桁の大台を突破してしまう(70-200mmF2.8は価格未定なのでF4での計算)。こうした豪華な機材を目の前にすると、撮影前からテンションが上がってくる。

「おんなの撮り方 渡辺流」の「彼女を撮るのに三脚はいらない」で紹介されたマンフロット『ネオテックプロフォト一脚/685B』も借用した。自由雲台をロックせずに使うということなので、自由雲台は自前の梅本製を装着

この一脚のポイントは足でフットペダルを踏んでおけば、好きな高さに一脚を引き上げられること。上下のレバーを同時に握るとロックが解除され、下げられる

3段式で縮めると74.5cm、伸ばすと170cmまで上げられる。耐荷重は8kg。重さ1080gとカーボン三脚に迫る重量があるが、ガッチリした作りで非常に安定している

石突きの部分はラバーで回転させるとスパイクになる仕組み。これは三脚にもよくあるタイプだ

一脚と石突きはボールジョイントで結合されており、自由に動く。ここが普通の一脚とは違う!

渡辺流では「ロケはストロボにたよらない」が鉄則だが、こちらは1人で撮影して、レフもなかなか入れられないため、キャッチライト用のソフトオパライトをひそかに用意。

■Technic

「おんなの撮り方 渡辺流」CHAPTER1は渡辺流コミュニケーション術なので、作例を見せることはできない。本書を購入して熟読していただくとして、CHAPTER3「おんなの魅力はカメラで引き出す」をメインに実践していきたい。まずどんなカメラでもすぐにできるのが「下から撮らず、上から狙う」。女の子の周囲をグルグル回って魅力を見つけ出すのが渡辺流だが、左右だけなく上下のアングルの試すのが重要だという。街中のポートレートで脚立を使って上から撮るのは難しいが、ここはスタジオなので脚立は沢山ある。私は広角レンズでローアングルが好きなのだが、これは水着撮影とは相性が悪い。なんせバストが見えなくなるからだ。上から撮れば、あごのラインが細くなって相対的に目が大きく写るそうだ。

今回、最も活躍したのが『FE 24-70mm F2.8 GM』である。広角側が24mmからあるところがいい。望遠側は70mmしかないがF2.8と明るいのでポートレートに最適。歪みが少なく、開放から解像度が高く、描写が硬くならない万能ズームだ

プールサイドでの水着撮影。ややローアングルである。台風通過中だが幸に天候はくもりだった
FE 24-70mm F2.8 GM 1/800sec f2.8+0.3 ISO100 32mm

いつもよりアングルを上げていくとバストとヒップが現れ、女性らしい曲線的なラインが強調された
FE 24-70mm F2.8 GM 1/800sec f2.8+0.3 ISO100 32mm

さらに脚立を使ってプールの中で撮影。プールで水着という無理のないシチュエーションで彼女の表情から固さが消えていった。フルサイズでF2.8なので背景もかなりボケている
FE 24-70mm F2.8 GM 1/1250sec f2.8+0.3 ISO50 70mm

新製品の『70-200mm F2.8』で撮影。重さ約1480gもあるので手持ちは厳しいと思ったのだが、屋外では手持ちで撮影できた。スタジオ内は一脚を使った。AFが早くて気分がいいレンズ。さすがに200mmでF2.8でフルサイズだとボケ味も美しい

「量感をフレームの中に詰め込む」を実践するため200mmを使ったのだが、普段使い慣れていないためあまりうまくいかなかった。フレームいっぱいに体を詰め込むのがポイントなのだが、左右に余白を入れてしまった。あとモデルがムチムチ系じゃないというの敗因だったと言い訳しておこう
FE 70-200mm F2.8 GM OSS 1/125sec f7.1 ISO50 200mm

こちらは「下から撮らず、上から狙う」を実践中。モケモケスタジオのプールはカメラマンが水に入らない限り原則、脚立に乗って上から撮るか、真横から狙うことになる
FE 70-200mm F2.8 GM OSS 1/500sec f2.8+0.3 ISO50 77mm

ポートレートレンズ『FE 85mm F1.4 GM』はF1.4という開放絞り値を実現するため重さ820gもある単焦点レンズだ。絞りリングがあり絞り優先モードで使いやすい。とにかく非常に贅沢なレンズである。

「ワンカットの中に"時の流れ"を表現する」の中に扇風機を使うという技がある。この日は台風が来ていたので風が強くなり、自然の風で彼女の表情に動きが加わった
FE 85mm F1.4 GM 1/2000 f1.4+0.3 ISO50

■Lighting

「おんなの撮り方 渡辺流」の中にはライティングに関する技がいくつか紹介されている。渡辺さんはスタジオのストロボは爆発すると怖いので触りたくないと冗談めかして書いている。スタジオでは『Teeda ライト/FL-552TSV』と呼ばれる色温度5500Kのキノロフ蛍光管の定常光を使われている。キャッチライトが長方形になるのはそれが写り込んでいるからだ。これも2台借りようと思ったのだが重さ3.6kgを見て挫折。今回はクリップオンストロボとアンブレラ+ディフューザーを使っている。実践したのは「おんなは"丸く"撮る」、「レンブラント・ライトの深みを知る」、「懐中電灯も絶好のアイテムになる」の3つだ。

「おんなは"丸く"撮る」とは女性の持つ丸みを円ではなく三次元的な丸みで表現する技。具体的には半逆光のライティングでおまんじゅうに影を付けて立体的に見せる。これでバストの丸みを表現するのだ
FE 24-70mm F2.8 GM 1/50sec f2.8 ISO50 36mm

「懐中電灯も絶好のアイテムになる」では、小型LEDライトや部屋にある小さな明かり、ノートPCの液晶などを光源にして撮影する技が紹介されている。ここではスタジオの天井の照明とクリップオンストロボに黒い布を巻いて懐中電灯のようなスポットライトを作って当てている。顔とバストとお尻をワンセットで画面に入れることにも注意した
FE 24-70mm F2.8 GM 1/100sec f8 ISO125 26mm

「レンブラント・ライトの深みを知る」に登場するのが、超ヨコから当たるサイドライト、レンブラント・ライトである。深い影ができてモデルの立体感が強調されるため丸みや量感を出すのに適しており、魅力的なバストが撮れるという。左が正面からのライト、右がサイドからのレンブラント・ライトの作例

スタジオで作ったレンブラント・ライト。モデルの鼻筋からライトを斜め45度に当てている。顔の半分に光が当たりシャドー側に三角形のハイライトが入る。ただし顔の陰影も目立ってお肌の荒れた感じも再現されるので、メイクと顔への光の当て方には注意が必要だ
FE 24-70mm F2.8 GM 1/125sec f2.8 ISO50 24mm

「黒レフで光を切る」の応用を考えた。これは普段のコスプレ撮影などに使う正面斜め上からアンブレラ+ディフューザーで光を回したライティング。顔に影ができないようにしている
FE 24-70mm F2.8 GM 1/125sec f5.6 ISO50 46mm

光を回しすぎると立体感が乏しくなるため、アンブレラの光量を落として影を出して、顔に向けてキャッチライト用のソフトオパライトを1灯加えた。鼻筋にハイライトが出たが、目力のあるグラドルっぽい写真になったと思う
FE 24-70mm F2.8 GM 1/125sec f5.6 ISO50 51mm

最後にマンフロットの一脚の実力をチェックしてみよう。全部、脚を伸ばさなくても余裕で撮影できる高さが確保できる

手持ちでは絶対にブレてしまう重たい70-200mm F2.8を1/30秒で撮影。一脚のおかげでブレてない!
FE 70-200mm F2.8 GM OSS 1/30sec f4 ISO1600 120mm

ほんとにブレていないのか? そんな疑問に応えて100%の等倍画像を公開。ペンダントヘッドやチェーンを見れば、画像にブレがないことが分かる
FE 70-200mm F2.8 GM OSS 1/30sec f4 ISO1600 120mm

【研究結果】

「おんなの撮り方 渡辺流」の内容は分かりやすく、すぐに実践できる技が多い。さらに一眼レフ、ミラーレス、コンデジを問わずに使える。スマホの撮影方法に触れた技もあるぐらいで、一般的な撮影テクニックの教本に出てくるような、絞りとシャッター速度の関係とか、ホワイトバランスの取り方などは一切出てこないので写真専門用語が苦手なビギナーにもオススメ。モデルをお願いしたれなぴすさんには、前回撮ってもらった写真より、今回の方が好きというコメントをもらった。唯一、この本に書いていないことは、どうすればいいおんなを口説いて撮影にこぎつけるかということ。アマチュアカメラマンにとってはそれが大問題なのだ。

(文/ゴン川野)

カメラ生活42年、小学生でオリンパスPEN-Fを愛用、中学生で押し入れ暗室にこもり、高校では写真部部長。大学卒業後、単身カナダに渡りアウトドアスクール卒業後「BE-PAL」を経て本誌ライターに。保有交換レンズ41本、カメラ28台(見える範囲で)。阿佐ヶ谷レンズ研究所もよろしく。

■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所

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