ドルビービジョンで新たな映像体験に導くLGの有機ELテレビ『OLED B6P』の実力検証

ドルビービジョンで新たな映像体験に導くLGの有機ELテレビ『OLED B6P』の実力検証

@DIME アットダイム

■連載/一条真人の検証日記

大画面テレビでは4K解像度モデルの人気が高まってきているように感じる。実際、50インチ以上においては、フルHDだと面積あたりのドットが不足して、映像が粗くなるので4K解像度のほうが快適に映像を楽しむことができる。

その後、ダイナミックレンジがより広い「HDR(ハイダイナミックレンジ)」規格が登場して、より明るさ、暗さの表現力が高まった。現在の日本でハイエンドのテレビを選択しようとすると、この4K+HDRのテレビを選択することになる。フルHDのテレビと比較すれば、精細な表現力の高い映像を楽しめる環境があるわけだ。

しかし、世界のトップレベルのテレビはすでに次のレベルに達している。それは日本の多くのテレビメーカーのHDR対応テレビよりも非常に広いダイナミックレンジを持つ「ドルビービジョン」規格対応のテレビの出現だ。

ドルビービジョンというのはあの「ドルビー」社の開発した映像規格で、そもそもは映画のために作られたものだ。現在、ドルビービジョン規格の映画タイトルは数多く制作されており、対応した映画館で見ることができる。ちなみに、ドルビービジョン規格に関しては、この連載で何度か紹介しているので、覚えている人もいるかも知れない。

そして、テレビ向けにもドルビービジョンの規格が作られた。これは映画よりは基準が緩められたものの、現在のテレビ技術にとって非常にハードルが高いもので、昨年12月の時点で、このドルビービジョン規格に対応したテレビは世界に1台しかなかった。

その状況が今年1月のCESで大きく変わった。

LG電子がドルビービジョン対応のテレビを数機種、一気に投入してきたのだ。そして、その投入時期はオンデマンドビデオのNetflixがコンテンツをドルビービジョン対応にする時期と一致した。そのため、このLG電子のドルビービジョン対応のテレビは世界でも歓迎される予感がした。当然、LG電子のこのモデルはNetflixに対応している。

そんなLG電子のドルビービジョン対応機種は日本にも3機種5モデル(ディスプレイサイズが異なる)が投入された。さすがにハイエンド機種の『E6P』は65インチモデルで90万円、55インチモデルで70万円前後と非常に高価なのだが、中間機種の『B6P』は65インチで70万円前後、55インチで45万円前後と頑張れば手の届く価格だ。


有機ELの威力で発色がよくコントラストが高いLG電子『B6P』。

■外観

有機ELは自身で発光するため、液晶のようにバックライトも必要なく、パネル部分が非常に薄い。デジタル処理やオーディオ処理などさまざまな処理のため、下部はやや厚くなってはいるが、とはいえ、かなりスマートなボディなのはたしかだ。

リモコンはスクエアなものが多いのに対して、中央が幅広くなるという、ちょっと変わったデザイン。オモシロいのは標準でNetflixに対応しているのに、リモコンにNetflixボタンがないこと。国産のテレビのリモコンにやたらにNetflixボタンがついているのとは違って面白い。

 
パネル部分は極め薄い。

 
独特な形状なリモコン。

■画質

ドルビービジョン対応テレビだけあって、コントラストは極めて高い。そして、黒が実に沈んで表現され、黒々している。これは暗い場所で視聴すると一層感じるポイントだ。そして、その映像は極めてクリアでエッジが効いている感じ。このあたりが多くの液晶テレビたちと明確に違う点だ。

映像の傾向は好みなどもあるかと思うが、このドルビービジョン対応の映像は一見の価値があるのではないかと思う。DCI規格準拠で色表現力も高い。


有機EL(左)は黒の表現力が高いB6P。

 
黒が十分に沈み、発色がよくエッジが切れているB6Pの映像。

■ちょっとオモシロいズーム機能

この機種のオモシロい機能として、マジックズーム機能がある。この機能を使うと、拡大したい部分を選択して500%拡大することができる。また、全体をフル画面表示して、拡大部分をワイプ表示するフォーカスズーム表示もできるし、拡大部分をフル画面表示させ、フル画面をワイプ表示するライブズーム表示もできる。

 
ズーム機能がオモシロい。

■オーディオ設定が便利

オーディオ設定ではその部屋の環境に応じたチューニングが自動的にできるマジックサウンド機能が便利。これはオーディオの設定を自分でするのが難しい一般ユーザーにはありがたい機能だろう。

 


視聴環境に合ったオーディオ設定が自動でできるマジックサウンド設定。

■ユーザーインターフェース

ユーザーインターフェースは独自のWebOS 3.0。メニューは画面下に表示され、画面表示を邪魔しないようになっている。オンデマンドビデオもここから選択して起動できる。好みのチャンネルを登録してカスタムメニューを作成できるのが便利。

 


使いやすく便利なWebOS3.0。

■今までにない高画質のインパクト

黒の表示が美しく、色彩表現力も高い。ダイナミックレンジが広く、美しい映像を切れ良く表示してくれるこのテレビは、映像という面では液晶テレビよりも高いポテンシャルを持っているように感じる。『B6P』の55インチは実売45万円程度と同サイズの液晶の2倍程度するが、画質にこだわるという人には射程圏内なのではないか?と思う。

とはいえ、その映像表示傾向は独特で、液晶に慣れた人には違和感を感じるところもあるかも知れないので、一度、家電量販店の店頭などで自分に合っているか確認してみたほうがいいかも知れない。

LG電子の『B6P』は画質重視でテレビを探している人にオススメのテレビだ。

■関連情報
http://www.lg.com/jp/oled_tv/index.html

文/一条真人

ITジャーナリスト。雑誌「ハッカー」編集長、「PCプラスONE」編集長などを経て現在にいたる。著書50冊以上で、近著は「はじめてのChromeBook」(インプレスR&D)。IchijoMasahto。本名:OSAMU SAKATA。

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