編集部が選んだ「BEST OF CEATEC JAPAN 2016」トップ10

編集部が選んだ「BEST OF CEATEC JAPAN 2016」トップ10

@DIME アットダイム

 毎年10月に千葉県・幕張で開催される「CEATEC JAPAN(シーテック ジャパン)」。このハイテクの祭典で@DIME編集部が選んだ今年のオモシロ技術トップ10をご紹介しよう。

■01 ハイテク・エイリアン卓球マシーン

 推定高さ3mほどのスケルトンボディは、まるでエイリアンのような、ちょっと怖いイメージ。なのに、このオムロンが作り上げたロボット『フォルフェウス』は、卓球のラリーを行うためのマシーンだというから、フレンドリー。「なぜ、卓球のためにこんな大げさなロボットを作ったのか??」とビックリしたが、実はAI(人工知能)を搭載し、ラリーを重ねることに学習し、相手プレーヤーの技術レベルに合わせて打ち分けるというのだ。

 で、実際の動きはとてもしなやかで、これまたビックリ! 腕の動きはまるで人間のような滑らかさ。しかも、ブツブツつぶやくという、実に人間くさいロボットなのだ。

■02 シミや毛穴を隠す“貼るメイク”

 メイクとは“塗る”ものと思い込んでいたが、パナソニックが出展した『メイクアップシート』は、そんな常識を覆す。

 鏡台の前にユーザーが座ると、カメラで肌の状態からシミや毛穴の位置、濃さなどを検知して、専用のプリンターからメイクが印刷される。あとはそれを水に浸けて肌に貼るだけ。

 外科手術などで使われる「ナノシート」に化粧顔料をプリント(塗布)するから、メイクで余計な時間がかからず、肌への悪影響も少ない。

 5〜6時間は保つというので、実用性も高い。急な外出などが億劫な女性には強い味方といえそうだ。

■03 手に重みを感じる、VRを超えたVRコントローラー

 腕にセンサーを巻き付けてゲームをすると、まるで登場人物になったかのような感覚を味わえる「アンリミテッド・ハンド」。

 

 内蔵のモーションセンサと手指の動きを推定する筋変位センサアレイにより、ユーザーの手の動きがゲームに入力される。そしてそのフィードバックが電気刺激となり、ユーザーの手の筋肉を収縮させて擬似的な触感を与えるというのだ。

 微弱電流による刺激で手が反応すると、銃を撃った衝撃や、モノを掴んだ感覚、小鳥が手のひらに乗ったような感覚を味わえる。

 VR(バーチャルリアリティ)を超えたVR。実体験との境界がどんどん薄れ、もはやゲームとは呼べないリアリティさだ。

■04 “民泊時代”の必需品??

 Bluetoothを使った遠隔操作で、ドアのカギを開け閉めできる『NinjaLock』もおもしろい。

 構造は単純で一般的なカギに被せ、単三型電池4本を電源に、モーターによりカギを回転、開け閉めを可能にしたもの。

 Wi-Fiを使ってさらに遠隔地からの操作もできるのだが、電力消費が激しいので、現状はBluetoothを推奨するという。

 開閉記録を保存でき、アプリをインストールすれば様々なユーザーが複数利用できるので、流行りの“民泊”などにも使える。

 もちろん、カギの持ち歩きが億劫なユーザーにも、ピッタリ。スマホを使えばいいから、持ち物が減ってラクチンだ。

■05 ライブ会場を虹色に染めるLED

 NetLEDは、IoT(モノのインターネット)デバイスを照明に取り付けるコトで、照度や輝度、色をコントロールするのが得意なベンチャー企業。この技術を応用して、ライブ会場のオーディエンスにペンライトを配布、無線でコントロールするとあら不思議、会場が七色に輝き始めるではないか!

 壮観な演出も、ひとりひとりが持ったLEDランプから始まる。光が変わると景色も変わるのだ。

■06 LINEのスタンプでアロマが吹き出す

 人間の五感のひとつ、臭覚は、喜怒哀楽や食欲など、本能行動を主につかさどる「大脳辺縁系」をダイレクトに刺激するため、記憶や感情と大いに結びつくという。

 京都のベンチャー企業、アロマジョインはこの匂いの特性に着目、パーソナル向けの小型ワイヤレスデバイス、『アロマシューターミニ』をリリースした。

 音楽や映画、ゲームなどに香をプラスして楽しんだり、SNSのスタンプやメールなどに連動させ、アロマフレーバーを噴出することが可能だ。

 目をつぶれば、恋人がすぐそばに居るような錯覚に陥る……そんな匂いの新しい使い方が、楽しめそう。

■07 砂利道運転のガタガタが伝わるハンドル

 慶應義塾大学の研究チームが開発したのは、ハンドルへ路面の感覚をリアルに伝える『IoTハンドル』。

 タイヤとハンドルは直接繋がっているわけではないのだが、たとえばタイヤの下に砂利を敷き、ハンドルを左右に切れば、本当に砂利のガタガタした感じが、ハンドルを通じて伝わってくる。

 これは、トルクセンサーにより定量化された電力を、ステアリングのモーターへ伝え、ハンドル操作にフィードバックするためだ。

 この技術を義手に応用すると、利用者がモノを掴んだりする感覚が実感できる。硬いモノは硬く、柔らかいモノは柔らかいと、本当に感じられたのだ。

 義手の握り開きは、足元のコントローラーで操作するのが現状。だが、将来的には、失われた腕に埋めた電極で、義手の操作が可能になればと、研究を進めていくという。

■08 自社専用のMVNOを持つ!

 IoTを進めるのに、無線技術は欠かせないもののひとつ。最近の携帯電話回線は高速通信が可能になり、これからのIoTインフラの主役を担う可能性が高い。

 そんな時代を先取りして、自社専用のプライベートMVNOを持ってしまおうというのが、かもめエンジニアリングの大胆な提案。

 自社データの外部流出の危険性を下げ、携帯電話の利用コストを下げる可能性をもつこの技術、個人で導入するのはさすがに無理だけど、興味があれば社長さん、お試しあれ!

■09 ついに8K放送が始まる

 CEATECの花形技術のひとつといえるのが、次世代テレビ技術開発。ついこの間まで、フルハイビジョン、4Kが最先端だったのに、とうとう8K放送が現実になるようだ。

 上の写真は8KをHDR(ハイダイナミックレンジ)で視聴する実験の模様。HDRは輝度レンジを拡大する技術で、自然界のまぶしさや、漆黒が実感できる。8Kの高精細と相まって、いや〜、びっくりするくらいキレイです。

 でも、FHD(フルハイビジョン)でもデータが重かったのに、8Kなんて怖ろしいほどのメガデータだ。果たして放送されるのかなぁ? と思っていたら、ついに、NHKが実用化へのガイドラインを示してきた。

 BS放送では2016年中に8Kの試験放送を行い、2018年というから約2年後にはBSで実用放送を始めるというのだ。

 もちろん、8K用の画像データが必要だし、超えるべき壁は高いけれど、どうやら8K時代が到来するのも、もう間近のようだ。

■10 料理がIoTになる

 トップ10、最後にご紹介するのは、パナソニックの最新家電技術だ。

 上の写真は『SAKE&WINEセラー』。日本酒やワインを貯蔵するためのものだが、オモシロイのが、扉のガラスがタッチセンサー式のモニターになっていること。中の気温や、貯蔵されたお酒の銘柄情報などが事細かく表示される。

 そして、そのお酒に合う調理レシピも表示されるというのだ。食品用の冷蔵庫と連動し、冷蔵庫にある食べ物などで作れるレシピを表示、もしストックが少なくなっていれば、その警告もしてくれるという優れモノだ。

 さらに、IHクッキングヒーターや換気扇もIoT化されている。レシピに連動し温め時間や換気扇の強弱を自在にコントロールするというのだ。

 また、調理している料理の、加熱時間などを記憶することができるので、もう一度改めて料理する時の助けにもなってくれるという。

■暮らしを変える未来の技術

 CEATECで選んだオモシロ技術トップ10、どれもが斬新で、驚いてしまうものばかりだけれど、生活に密着した技術がどんどん進化していると実感した。

 スマホはコンピュータをいつでもどこでも使えるようにしてくれて、生活スタイルを大きく変えた。次はIoTが暮らしを劇的に変えていくはずだ。これはますます、面白くなってきた……。

文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)

慶應義塾大学卒業後、アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。

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