COMPUTEX TAIPEI 2017 - 次のトレンドは水冷やファンレス? - 会場で見つけた電源ユニットをチェック

COMPUTEX TAIPEI 2017 - 次のトレンドは水冷やファンレス? - 会場で見つけた電源ユニットをチェック

画像提供:マイナビニュース

●注目の電源まとめ
電源ユニットは、すでに主要各社から80PLUS Titanium認証モデルが登場したことで効率競争は落ち着き、その後のトレンドとしては機能を充実させつつ価格を抑えたGold認証モデルが販売の中心へ、さらに安価なBronze認証モデルは定番モデルが回路をアップグレードしたりコンポーネントを強化したり、それに伴いコストを抑えたりと努力している。

また、低負荷時にファンの回転を停止する準ファンレス、ゲーミング用途では光る電源や見た目がハデな電源といった「次の一手」が模索されている。そして、2017年は水冷対応電源や、意外とファンレス電源が再び注目を集めるかもしれない。

○堅実でシンプルだったFSPが吹っ切れた!? 水冷電源やケース、CPUクーラーも展開

FSP Groupブースから新製品を紹介しよう。まずはCOMPUTEX直前に予告していた水冷対応電源「Hydro PTM+」。この製品は「Hydro PTM」シリーズ(非水冷対応電源を含む)の最上位に位置するモデルだ。出力は1200Wで80PLUS Platinum認証。奥行きが220mmあるのは出力だけでなく水冷用ウォーターブロックを組み込んでいることも影響しているだろう。フルプラグイン対応のケーブル端子側にラジエーターやポンプへと冷却液を送り出すためのネジ穴が2つ用意されている。

Hydro PTM+はファン(LED付き)も搭載しているので、水冷PCだけでなく、空冷PCでも利用できるし、将来的に水冷化したい場合もステップ・バイ・ステップ方式で拡張できる。その上で水冷で利用すれば、準ファンレス機能によってファンが回転を停止する時間が増えるとのこと。話によると、空冷では負荷率が30%当たりでon/offが切り替わるが、水冷ならこれが50%に拡大するとのこと。

ほか、「Hydro」だが空冷のみの「Hydro PTM」が750/650/550Wの出力でラインナップされている。こちらも80PLUS Platinum認証だ。ケーブル方式はフルプラグインで、フラットタイプを採用している。

80PLUS Gold認証の「Twins」は、1Uタイプの電源を2基、ATXサイズのきょう体に収めるリダンダント対応の製品だ。ケーブルはプラグイン方式を採用している。1U電源もケーブルも、保守部品が用意される。

FSPからSFX電源が登場する。奥行きはやや眺めのいわゆるSFX-Lにあたる。出力は650/500Wの2モデルで、80PLUS Gold認証、フルプラグイン方式と、おおよそ現在のSFX電源のトレンドに沿ったスペックだ。

なお、FSPからCPUクーラーやケースが登場するかもしれない。CPUクーラーは「Windable 6」。12cm角ファンを採用し、やや奥行きの長いヒートシンクと、6本のヒートパイプを左右に貫通させたデザインだ。ヘッド面はヒートパイプをダイレクトに接触させるタイプ。ヒートパイプも、ヒートシンクも、そのほかのフィンの部分もブラック塗装されており、ファンだけ白いデザインだ。12cm角ファンの固定部にはゴムブッシュを用いて振動を抑えている。

ケースは「CMT510」。3面ガラス仕様のケースで、LEDファンモデルとソリッドカラーモデルが用意される予定。ファンは前面が3基、リアが1基のほか、天板部にも1基搭載可能。電源部分とマザーボードのエリアを分ける構造は最近のトレンド。前面端子はケース上部前側にある。

○Enermaxはダスト・フリーをTitanium〜Bronzeまで展開

Enermaxは、昨年「Platimax D.F.」でDast Free Rotation(DFR)ファンを採用し、電源投入時に一定時間逆回転することでホコリを吹き飛ばす機能を搭載した。そして今年はそれを幅広い効率帯の製品で展開する予定だ。

「MaxTytan」は80PLUS Titanium認証電源。標準的な奥行きの800/750Wモデルと、背面に消費電力表示機能を備えた1250/1050Wモデルが展開される予定。もちろんDFRファンを搭載。また、準ファンレス機能を搭載しており、出力が60〜70%まではファンの回転を停止する。

「Platimax D.F.」は、現在EPF600AWT(600W)とEPF500AWT(500W)が販売中だが、これに1200/1050/850/750Wが追加される。もちろんDFRファンを採用している。ケーブルはフルプラグイン方式で、1本1本スリーブを被せ、これをユーザーがクリップで束ねるデザイン。

80PLUS Bronze認証では、「RevoBron」が展示されていた。出力は700/600/500W。DFRファンを搭載し、ほかこのクラスでもDC−DCコンバータを採用している。ケーブルはセミプラグイン方式。ケーブルはフラットタイプだ。

●ほかにも注目の電源ユニットが集合
○デザインに目覚めたSeasonic。全方位に製品を展開

Seasonicは、80PLUS Titanium認証電源として発売されたPRIMEシリーズ以降、デザインにも独自性が出てきている。

まず「PRIME Air TOUCH 850」は、850Wの80PLUS Gold認証電源。Airのロゴやファンガード部分が赤く、見た目のインパクトがある。もちろん同社の準ファンレス機能「Hybrid Silent Fan」やフルプラグイン方式を採用している。

PRIMEの下のグレードとなるのが「FOCUS」シリーズ。奥行きを抑えた設計も特徴で、これは昨今のコンパクトなミドルタワーを対象にしているとのこと。FORCUSにはPlatinum認証のフルプラグインモデル、Gold認証のフルプラグインモデル、同じくGold認証のセミプラグインモデルが用意される。

Hybrid Silent Fanを採用しているのは上位2モデルのみ。セミプラグインモデルはSmart and Silent Fanコントロールで、そのほかの機能面を含めプラグインを一部採用しつつも導入コストを抑えたモデルという位置づけだ。

Bronze認証電源では「S12II ECO PLUS」が展示されていた。こちらは従来のGシリーズのデザインでケーブル直付け化、Bronze認証になったイメージ。

○静音重視の正統進化をしたbe quiet!

be quiet!では、新型電源「STRAIGHT POWER 11」を展示していた。ジャンパ線を排し、エアフローと冷却性能を向上させていると言う。ノイズも減ると言う。80PLUS Gold認証で、フルプラグイン、13.5cm径Silent Wings 3ファンを採用しており、静かさにもこだわっている。

「SFL L POWER」は500〜600WのSFX-L電源。80PLUS Gold認証で12cm角ファンを搭載し、静かさにもこだわっていると言う。ケーブルはフルプラグイン方式。

○使い勝手を重視。PCとしての提案も積極的なSilverStone

SilverStoneでは、新型のSFXスタンダード電源が展示されていた。同社のSFX電源は、SFX-Lのファンは大型化されていても、SFXスタンダードは8cm角ファンのままだったが、新型の650/500Wモデルではファンの口径を拡大しているとのこと。これで一層の静音化が期待できる。ケーブルは従来の同社SFXスタンダード電源と同様にフルプラグイン方式だ。

Titanium認証電源では、同社最大出力となる1500Wモデルが展示されていた。Strider Titaniumシリーズになると思われるが、1500Wでありながら奥行きが比較的短いところがポイントだ。

ほか、比較的安価なEssential Goldシリーズに従来の直付けではない、セミプラグインモデルが登場するようだ。

ほかにもPIOをベースにオーディオ機器のようなデザインを採用したケース「FTZ02 prototype」、別名「Fortress Z」も展示されていた。こちらはSFX電源を搭載し、ディスクリートGPUが搭載可能。その搭載方法がPIO独特のところで、マザーボードのエッジ部分にPCI Express x16スロットを実装している。そのため高さが86mmに抑えられ、かつかなり大型のビデオカードが搭載できるというわけだ。ただし、幅と奥行きがともに40cm近くあるのでフットプリントは大き目ではある。

●ファンレス電源が復権!?
○Antecは同社ケースとの組み合わせでLEDを制御

Antecでは、「HCG」シリーズを展示していた。80PLUS Gold認証のモデルとBronze認証のモデルがあり、さらにLEDと発色を設定するリモコン付きモデルもある。マグネット式のファンフィルターを装着できる。

Bronze認証の「HCG PRO BRONZE」は、850/750Wのラインナップでフルプラグイン方式。Gold認証の「HCG PRO GOLD」は1000/850/750/650/550Wのラインナップでフルプラグイン方式を採用している。ともに13.5cm径のFDBファンを搭載する。

キャプ( P1100642.JPG )
リモコン付きLEDファン搭載モデルもあり

LED発光モデルの面白い点は、ケーブル端子側の下部に「RGB」と記載されたコネクタを搭載しているところだ。ここにケーブルを挿し、同社の新型ケース「H110 Luce」に搭載されたコントローラと接続することで、電源、ケース、ケースファンを含めたトータルでのLEDの制御ができると言う。

○ファンレス電源が復権するか!? ATXでは高効率&大出力化、SFXにも新製品が登場

2000年台の半ばに一度ファンレス電源が流行ったものの、電源ファンが静かになってきたため下火になっていた。しかしここに来て様々なメーカーがファンレスに挑戦しているようだ。

まずはSeasonicからPRIMEシリーズの「PRIME TITANIUM 600 FANLESS」。出力は600Wで80PLUS TITANIUM認証。きょう体は通気口だらけで中身が丸見え。ケーブル方式はフルプラグイン。

なお、PRIME TITANIUM 600 FANLESSのデモ機はCPUもGPUも電源も「完全ファンレス」だった。電源はもちろんPRIME TITANIUM 600 FANLESSなのだが、むしろCPU、GPUを冷やすヒートシンクが超巨大で、microATXマザーボードをベースにしながらミドルタワー以上の存在感だった。

今回見つけたファンレス電源のなかで最大出力のものがMiSTELの製品だ。MiSTELと言えばキーボードメーカーだったはずだが、なぜか「MiSTEL PSU」と看板を掲げていた。

デザイン的にはSeasonicのPRIME TITANIUM 600 FANLESSに近く、しかしきょう体の穴の開け方はこちらのほうが大胆かもしれない。大きな通気口の裏には左右側面のみメッシュが付けられており、これで多少ホコリの混入を抑える効果が得られそうだ。

製品は「MP650」が650W、「MP550」が550W、そして460Wの「MP460」。展示されていたMP650とMP550には80PLUS Platinumの認証マークが確認できたが、展示パネルには80PLUS Goldマークもあり残るMP460がGold認証と思われる。なお、LEDファンを採用しており、かつケーブル端子側の面にLEDを増設するための端子が設けられていた。

ATX以外でのファンレス電源では、SilverStoneが展示していた「Fanless SFX-L」。出力が450WのファンレスSFX-L電源だ。前面背面を除く側面部4面がヒートシンクとなっており、これで放熱する設計。ケーブルはフルプラグイン方式。SFX-Lであるところがケースを選ぶが、SFXでファンレスというニッチなニーズを汲み取ってくれる製品として期待したい。
(石川ひさよし)