Windows 10 Fall Creators Updateで見送られるTimeLine機能 - 阿久津良和のWindows Weekly Report

Windows 10 Fall Creators Updateで見送られるTimeLine機能 - 阿久津良和のWindows Weekly Report

画像提供:マイナビニュース

Microsoftは7月6日 (米国時間)、Windows 10 Insider Previewのファーストリング環境にビルド16232.1004を配信した (最新版は7日リリースのビルド16237)。ビルド16232の緊急バグフィックスかと思いきや、そうではない。同社の公式ブログによると、「本アップデートの主な目的は、Servicing Pipelineのテストにある」という。

公式ブログでは「本アップデートはメモ帳を起動しない限り、再起動する必要はない。OSビルドとNotepad.exeの更新が含まれている」と説明する。その他にも事前の複合現実に関するセットアップを完了し、.NET Framework 3.5のように言語パックや機能をオンデマンドインストールする際、失敗するかもしれないと警告を発した。確かにNotepad.exeを確認すると説明のとおりである。

さて、Windows 10 Fall Creators Updateについて、残念な話が流れている。MicrosoftのJoe Belfiore氏がツイートした内容によれば、「TimeLine」と「クラウドクリップボード」機能が見送られるという。Belfiore氏は「Fall Creators Updateリリース直後の初期ビルドに (TimeLineの実装を) 計画している」、「最初はクラウドファイル機能に取り組み (筆者注: OneDriveオンデマンド機能と思われる)、TimeLineとクラウドクリップボードはタイミングを見て (実装時期を) お伝えする」と説明した。

TimeLineはMicrosoft Graphと密接な関係にある。Microsoft Graphは1つのエンドポイントを介して複数のAPIをOffice 365やMicrosoftクラウド サービスから公開するものだ。メールや予定表、個人用連作先をOffice Graphから取得し、Microsoft Graphを通じて洞察と関係を構築する。その結果として会議スケジュールの自動作成や組織全体の共同作業に伴う成果の可視化が可能だ。

この仕組みをWindows 10にも取り込み、アプリケーションなどの使用履歴と時間軸を結び付けるのがTimeLineだが、相当複雑な仕組みになると推察される。また、機能としてのブラッシュアップに取り組んだ上で完成度を高めないと、ユーザーの落胆を招くのは目に見えている。そのためMicrosoftは無理に実装するのではなく、Fall Creators Updateに続く大型アップデートでの実装を決定したのだろう。

もっとも、このような例は初めてではない。2016年10月にMicrosoftが開催したイベントで発表済みの「My People」は、Windows 10 バージョン1703 (Creators Update) を見送り、Fall Creators Updateで実装する見込みだ。

刷新的な機能は歓迎するものの、アジャイル的アプローチで実装した機能は一抹の疑問が残る。それは筆者が日本人的文化に浸りきっているからだろうが、やはりソフトウェアには高品質を求めてしまうのだ。その観点からMicrosoftが今回見送った機能実装は正しい判断だと確信する。

阿久津良和(Cactus)
(阿久津良和)

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