日本マイクロソフト、2018年度はセキュリティとAIを活用

日本マイクロソフト、2018年度はセキュリティとAIを活用

MS セキュリティとAI活用へ

日本マイクロソフト、2018年度はセキュリティとAIを活用

画像提供:マイナビニュース

●CortanaとAlexaは「象徴的な連携」
マイクロソフトは9月1日、都内で「Japan Partner Conferrence 2017 Tokyo(ジャパン パートナー カンファレンス)」を開催した。マイクロソフトのビジョンや戦略、連携強化の取り組みなどをパートナー企業向けに解説する催しだ。

基調講演では日本マイクロソフトの平野拓也社長、パートナー事業本部長の高橋美波常務、エバンジェリストの西脇資哲氏らが壇上に立ち、同社が「働き方改革」「デバイスモダナイゼーション」「インダストリーイノベーション」を注力分野とすること、この3つを横断する技術としてセキュリティAIの有効活用に着目していることなどを訴えた。

日本マイクロソフトの会計年度は7月からスタートする。平野社長はまずは同社の2017年度(2016年7月1日〜2017年6月30日)を振り返り、「デジタルトランスフォーメーション元年」と言える位置づけであったと述べる。

クラウドビジネスが伸長して注力分野とする「働き方改革」でも大きな追い風が吹き、Office 365などのソリューションが深く刺さった良い一年であったと総括した。

○26兆円にまで上るAI関連市場

平野社長は、AIやMixed Realityといった新しい技術が、ビジネスの中にどんどん入り込んで来ており、クラウドビジネスの中でも特に「インテリジェント クラウド」や「インテリジェント エッジ」と呼ばれる分野は、その市場規模を26兆円にまで膨らませると予測。

「インテリジェント」はつまりAI活用のことだが、2018年度は「インテリジェント」という言葉を耳にする機会が増えるだろうと述べる。

つい先日、米マイクロソフトからAmazonとの提携の発表があり、2017年中にWindows 10のCortanaとAlexaを相互連携できるようにすると表明があった。AI同士が会話してエンドユーザーにベストな提案、経験を提供するというもので、平野社長は「これこそまさにインテリジェント クラウド/エッジの象徴的な連携だ」と指摘する。

○品川本社にクリエイティブスペース登場

先述の通り、日本マイクロソフトでは2018年度の3つの注力分野を「働き方改革」「デバイスモダナイゼーション」「インダストリーイノベーション」としている。

このうち「働き方改革」は前年を踏襲するものだが、例えばオフィス用家具のメーカー「Steelcase」との提携により、働き方改革における新しい提案として、オフィス空間と家具を調和させたクリエイティブスペースを品川本社に開設。見学者希望者にはスペースを開放するという。

また、「Office 365」「Windows 10」「Enterprise Mobility+Security」をパッケージにした「Microsoft 365」も紹介。大規模企業向けの「Microsoft 365 Enterprise」と中小規模企業向けの「Microsoft 365 Business」の2種類を用意し、働き方改革を支援するトータルソリューションとして展開するという。

○Mixed Reality認定プログラム、国内でも本格展開

「デバイスモダナイゼーション(端末の近代化)」としては、2017年6月に発表したSurfaceファミリーのほか、2017年10月17日に提供予定の「Windows 10 Fall Creators Update」、年内中にリリースするという「Surface Pro LTEモデル」、2016年8月にリリースした「Surface Hub」の取次リセラー制度などにも簡単に触れた。

さらに「Windows Mixed Reality」の認定パートナープログラムを国内で本格展開する。博報堂、wise、ネクストスケープなどと提携し、技術者をMixed Realityのプロであるとマイクロソフトが認定する内容になるという。

3つめの「インダストリーイノベーション(産業の変革)」は、金融、流通・サービス、製造、政府・自治体、教育、ヘルスケアの6業種にフォーカスし、Azureを用いた業種特化型のサービスを提供していくもので、新規事業の起ち上げや人材育成を支援していく内容だ。

●AIが働き方やマーケティングを変えていく
最後にエバンジェリストの西脇資哲氏によるデモンストレーションの様子も簡単に紹介しよう。

まず最初に飛び出したのは、Office 365を活用した働き方改革の事例。現在、日本マイクロソフトでは、社員一人ひとりが会議に費やした時間、メールを読んだりやり取りに費やした時間、残業した時間、あるいは共同作業した相手や未読メールの数などのレポートが各自に週次で届くシステムになっているという。

いずれも傾向が分析できるようになっており、自分がどういう働き方をしているかアナリシスを一目瞭然で把握できるだけでなく、これからどういう働き方をすれば良いのかについても、「同じ人と同じ会議に出席しているケースがこのくらいあるから、分担すればこれだけ作業効率が上がるはず」といったアドバイスとして示される。働き方改革を推進する強力なサポーターとして活用できるとした。

○人間を超えたAI、自動化やマーケティングに活用

また、続いて行われたAIの音声/画像/動画認識のデモも興味深いものだった。つい先日、マイクロソフトはAIの音声誤認識率(WER)が人間のWERとされる5.9%を超えて5.1%を達成したと発表しており、画像や動画の認識率においても既に人間を凌駕しているという。

実際に発話者の喋る文脈を理解してリアルタイムで単語を選んで表示、文章によっては途中で遡って訂正までするところを見せた。発話者の口調も読み取って「?」マークなども自動で挿入。さらに多言語への翻訳もリアルタイムで処理する。

動画認識では、登場する人物の年齢や性別、表情、姿勢、何をしているか、背景に何があるかなどの情報をリアルタイムで分析する様子をデモ。動画に登場する人物の情報をインターネット上の画像などでAIに覚えさせると、動画に出てくる人物を早々に特定していた。

画像認識については、最近話題になったヒアリを例に挙げ、AIに普通のアリとヒアリが見分けられるようにディープラーニングしてみせた。

認識、分析能力の向上したAIは、今後反復する定型業務を自動化させる「RPA(Robotics Process Automation)」に活用されたり、ライブカメラと組み合わせてマーケティングに利用されていくという。

最後に、会場前方に設置していたトヨタのVitzを使い、ヘッドセットとVRアプリで自動車のメンテナンスを行う「Mixed Reality」も紹介。VRで視野の中に必要な情報が表示されることで、情報の検索に両手を奪われずに済み、作業効率が飛躍的に上がると説明した。
(諸山泰三)