やくみつるの「シネマ小言主義」 チャンバラ映画並みに、殺しまくるキアヌ 『ジョン・ウィック:チャプター2』

やくみつるの「シネマ小言主義」 チャンバラ映画並みに、殺しまくるキアヌ 『ジョン・ウィック:チャプター2』

(提供:週刊実話)

 大ヒット映画『ジョン・ウィック』がスケールアップして帰ってきました。今度の舞台はローマ。世界中の殺し屋相手にキアヌ・リーブスがひたすら撃ちまくる、バイオハザード並みのノンストップです。
 それだけに、突っ込みどころも満載で、殺し屋たちの抗争の前には一般市民への影響は考えません。何もわざわざ噴水越しに撃ったり、乗客が乗っている地下鉄の中で格闘しなくても…。

 ここで、「ドンパチ映画あるある」を発見しました。ザコは一瞬で仕留めてしまいますが、実力者同士は必ず素手で格闘するんですね。身体能力を自慢し合ってから、カタをつける。
 一方、ヨーロッパが舞台になっただけあって、シャレたエッセンスでも楽しませてくれます。裏社会のシンボルになっているコンチネンタルホテルには、常駐の武器ソムリエがいたり、仕事の前には殺し屋仕様のスーツをオーダーメイドしたり。そうした殺しの美学があるだけに、やたら派手に撃ったり、ことを大げさにし過ぎるところにどうしても違和感を感じてしまうんですよね。

 キアヌ演じる伝説の殺し屋は、鉛筆1本で3人を抹殺したとされています。
 この逸話で思い出したのですが、もう20年くらい前、たまたま乗ったタクシーの運転手さんがいきなり「お客さん、人は割り箸1本あれば殺せますよ」と話し出したのです。
 なんでも「若い頃、やんちゃをしていて、ヤクザの抗争で人を殺したことがある」そうでして、酒場でケンカになったときにはビール瓶なんかではなく、「割り箸でまず目を狙う。これだけは覚えておいてください」と伝授されたことを思い出しました。

 ところで、キアヌを狙う刺客の1人に、「暗殺スモウ」という巨漢の殺し屋が出てきます。この役者は、幕内まで上がり将来を嘱望されていたのに、2011年の八百長騒ぎで解雇された元尾上部屋の力士、山本山です。起死回生を賭けて、ハリウッドに渡っていたのですね。一緒に見ていたカミさんは尾上部屋とは親しくさせてもらっていまして、思いがけない登場に「あっ、山本山! ずいぶん出世したわねぇ」とキャッキャ言ってました。

 キアヌがこの映画の宣伝で来日の際、テレビ局などで接近しないかと期待していましたが、残念ながら会えず。ならばと、ラーメン好きな彼を、東京・お台場のラーメン国技館で張ってみたのですが、やはり遭遇できませんでした。
 いつか会えたら、ジョン・ウィックネタで迫りたいと思います。

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■『ジョン・ウィック:チャプター2』監督/チャド・スタエルスキ
出演/キアヌ・リーブス、リッカルド・スカマルチョ、ルビー・ローズ、ジョン・レグイザモ、コモン
配給/ポニーキャニオン

 7月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開。
 伝説の殺し屋、ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)がロシアンマフィア相手に繰り広げた復讐劇から5日後。彼のもとにイタリアンマフィアのサンティーノから殺人を頼まれる。しかし、静かな生活を望むジョンは、その依頼を断ったことでサンティーノの怒りを買い、家を破壊されてしまう。ジョンは復讐を開始するが、サンティーノに7億円の懸賞金を懸けられ、全世界の殺し屋のターゲットとなってしまう…。

やくみつる:漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。『情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)、『みんなのニュース』(フジテレビ系)レギュラー出演中。

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