レシピつき! 甘酒のうれしい効果とおいしい飲み方

レシピつき! 甘酒のうれしい効果とおいしい飲み方

レシピつき! 甘酒のうれしい効果とおいしい飲み方

飲む点滴とも呼ばれる甘酒には、女性にとってうれしい効果がたくさんあります。スーパーにはさまざまな種類の甘酒が売られていて、どんな製品を選べばいいのか迷ってしまいますよね。そこで、甘酒に含まれる栄養や目的に合わせた選び方、おいしい飲み方などについて管理栄養士の園部裕美さんに教えていただきました。また、自宅の炊飯器を使って甘酒を手作りする方法もご紹介します。

■甘酒を飲んだことってある?

甘酒を飲んだことがある女性は、どれくらいいるのでしょうか。アンケート調査してみました。また、「飲んだことがある」と答えた人には、体感している効果についても教えてもらいました。(※1)

◇甘酒を飲んだことがある人の割合

Q.甘酒を飲んだことがありますか?

 

・飲んだことがある……60.2%

・飲んだことがない…39.8%

60%の女性が甘酒を飲んだことがあるようです。それでは、飲んだことがある人に体感した効果についても聞いてみましょう。

◇甘酒を飲んで感じた効果

☆体が温まる

・「体が温まり基礎代謝が上がっている気がする」(29歳/その他/販売職・サービス系)

・「身体が温まる。飲まないときよりも寝付きが少しよくなる」(25歳/その他/その他)

甘酒を飲んで体を温かくなったと感じている女性がいるようです。温かい甘酒を飲むと、それだけで体が温まったように感じますよね。

☆肌がきれいになる

・「肌がすべすべになる。元気になれる」(33歳/その他/事務系専門職)

・「お肌がきれいになっている気がする」(21歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

甘酒にはさまざまな栄養素が含まれているので、飲むことで肌に効果を感じる女性もいるようです。

☆お腹の調子がよくなる

・「お通じがよくなって、荒れていた肌の調子がよくなってきた気がする」(34歳/その他/その他)

・「お腹の調子がよくなった気がする」(26歳/その他/その他)

便秘などが改善され、お腹の調子がよくなったと実感している人も。甘酒は腸内環境の改善にも効果があるのかもしれません。

☆満腹感がある

・「小腹が満たされるし、甘いものが食べたくなったときに飲むと落ち着く」(24歳/学校・教育関連/専門職)

・「寝る前に温めて飲むと、空腹時など満足感がある。肌の調子がよくなる」(28歳/生保・損保/その他)

甘いものが食べたくなったときや空腹時に、甘酒を少し飲むと落ち着くという意見も。確かに甘酒には、ほっとする甘さがありますよね。

■甘酒の種類と栄養素

甘酒を飲んでさまざまな効果を感じている人がいましたが、そもそも甘酒はどうやって作られていて、どんな栄養が含まれているのでしょうか。園部さんに解説していただきました。

◇甘酒の種類

園部:甘酒は日本の伝統的な発酵食品の一種で、甘い飲み物です。米麹で作る「米麹甘酒」と酒粕で作る「酒粕甘酒」の2種類に分けられます。(※2)

☆米麹甘酒

米麹甘酒は、米麹の酵素によってでんぷんを糖化して作られているので、甘さがあり、そのまま飲むことができます。米麹や米の種類によって、玄米麹、白米麹、雑穀麹などがあります。

☆酒粕甘酒

酒粕甘酒は、酒の原料(米など)に含まれるでんぷんがアルコールになったあと、そのアルコールを搾ったときの残りかすを水に溶かした飲み物です。酒粕自体には糖分がほぼ含まれていないので、砂糖などで甘味をつけます。また、アルコールは加熱することで飛ばすことができます。

どちらも甘酒という名がつくものの、アルコール含有量はわずかで、市販の商品はソフトドリンク(アルコール度数1%未満)に分類されます。甘味の少なかった江戸時代に珍重されたとも言われています。

◇甘酒の栄養

園部:米麹甘酒の成分は、ブドウ糖が20%以上を占めており、オリゴ糖、アミノ酸、ビタミンなどが含まれます。これは、米麹の酵素の力によって、でんぷんがブドウ糖やオリゴ糖に、たんぱく質がアミノ酸に分解され、新たなビタミンが作り出されるからです。甘酒の麹菌には100種類以上の酵素が含まれていて、さらに必須アミノ酸も9種類含まれています。

また、酒粕甘酒の場合は、酒粕のたんぱく質、アミノ酸、食物繊維、ビタミンB群、ミネラルなどが含まれているほか、酵母菌由来のβ‐グルカン、葉酸なども含まれています。ミネラルにおいては米麹甘酒、ビタミンや食物繊維、たんぱく質においては酒粕甘酒のほうが優れていると言えるでしょう。

■甘酒の効果と選び方

 

甘酒は米麹と酒粕から作られるものに分類でき、それぞれに含まれる栄養素にも特徴がありました。それでは、甘酒を飲むことによってどのような効果が得られるのでしょうか。

◇甘酒の効果

園部:米麹には麹菌が生み出す成分が含まれているため、米麹甘酒を飲むことによって以下の効果が期待できます。また、酒粕で作る甘酒には、酒粕による効果が期待できます。

☆「米麹甘酒」の麹菌が生み出す成分に期待できる効果

・アレルギー発症予防……アレルギー活性を阻害(※3)

・腸内環境を整える効果……腸内のビフィズス菌や乳酸菌を増やし、整腸作用や腸内フローラを改善する(※4)

・美肌効果……コウジ酸がメラニンの生成を抑える

・抗酸化効果……アンチエイジング、動脈硬化予防、抗ガン作用、美白作用(※5)

お酒を造っている杜氏の手がきれいだったり、米麹を触ると手がすべすべになるのは、麹菌の作用が関係しているのでしょう。

☆「酒粕甘酒」の酒粕に期待できる効果(※6)

・コレステロール上昇抑制効果

・血圧降下作用

・腸内環境を整える効果

・肥満抑制効果

・美肌効果

・身体を温める効果

◇甘酒の選び方

園部:米麹で作ったものには砂糖が使われておらず、自然の甘味であるため、市販で購入する時は米麹で作った製品のほうが、甘酒本来の味を楽しめるでしょう。ただし、製品によっては米麹で作られていても、砂糖や添加物が含まれている場合があるので、原材料名に「米麹」または「米麹・米」とだけ表示されているものを選んでください。

酒粕は、酒粕自体に甘さがないため、市販の製品の場合は砂糖や人工甘味料が使われていることが多いです。もし酒粕の甘酒を飲みたかったら、家庭で作って砂糖の量を調整したり、甘味の種類にこだわってみるとよいでしょう。どちらの甘酒も栄養が豊富ですが、市販の製品を購入する場合は、添加物が入っていないタイプの米麹甘酒がおすすめです。

■甘酒の飲み方と注意点

美容や健康目的で甘酒を飲む場合、どれくらいの量をどんなタイミングで飲めばよいのでしょうか。甘酒の飲み方と注意点について解説します。

◇甘酒の飲み方

園部:米麹甘酒も酒粕甘酒も、どちらもほとんどが糖分です。いくら健康にいい成分を含んでいるとは言え、大量に飲めば血糖値が急上昇し、太ってしまいます。1日に飲む量としては100ml程度にしておくのがよいでしょう。

また、甘酒だけで飲むと糖分の吸収が早いため、豆乳で割って飲んだり、食後に少し飲むようにするのがおすすめです。運動前後の糖質補給にもよいでしょう。太りたくないという方は特に、夜遅くに飲むよりも、活動量が多い朝や日中に飲むようにしてください。

◇甘酒のおいしい飲み方

園部:糖質の吸収スピードを抑えるためにも、何かと合わせて飲むことをおすすめします。ホットでもアイスでもいいですが、米麹の場合、麹菌が50度前後で死滅してしまうため、温める場合は人肌程度にしておきましょう。

☆甘酒しょうが豆乳

甘酒……50cc

豆乳……50〜150cc

しょうがすりおろし……小さじ1/2

☆甘酒黒ごまきなこ

甘酒……50cc

すり黒ごま……ひとつまみ

きなこ……小さじ1

豆乳……100cc

☆甘酒ココナッツココア

純ココア……小さじ1

甘酒……50cc

ココナッツミルク……50cc

豆乳……100cc

上記のレシピは、基本的にすべて材料を混ぜるだけでOKです。甘さが強い場合は、お好みで豆乳の量を増やしてください。「甘酒ココナッツココア」は、ココアを少量のお湯で溶かしてから、甘酒、ココナッツミルク、豆乳と混ぜます。ホットの場合は温めた豆乳を混ぜてください。

◇甘酒を飲むときの注意点

園部:甘酒はでんぷんがブドウ糖に分解された飲み物なので、吸収がとても早いです。運動後などを除いて、一度にたくさん飲みすぎると血糖値が急上昇し、肥満につながったり、低血糖による集中力の低下、眠気、だるさなどの症状が出てきます。空腹時や起きてすぐ、夜寝る前に飲むことはなるべく避けてください。甘酒は、料理やドリンクの甘味付けとして利用するのがよいでしょう。

■甘酒の作り方

甘酒は、スーパーなどで市販の製品を購入する以外に、自宅の炊飯器を使って簡単に作ることができます。甘酒の作り方について、特別に園部さんに教えていただきました。

☆材料

米麹……200g

ご飯……200g

お湯……適量

☆作り方

1.炊飯釜に米麹をほぐしながら入れ、ご飯とお湯(しっかり浸かる程度)を混ぜ合わせる。この時、しっかり温度を測り、45〜55度程度になるようにする

2.炊飯器の保温のスイッチを入れ、フタをしめず、ふきんなどをかけておく

3.このまま8時間おく。途中、3〜4回混ぜ、麹が水分を吸ってしまったらお湯を追加する

※作った甘酒は冷凍保存できます

■まとめ

発酵食品である甘酒は、それ自体に栄養が豊富(ビタミン・ミネラルが多い)というよりも、麹菌などが作り出す成分に効果があります。甘酒に限らず、発酵食品から菌のパワーを摂り入れることは、体にとってたくさんのメリットがあります。料理の甘味付けとして使ったり、甘いものがほしいときにお菓子の代わりに飲んだりして、うまく甘酒を活用してください。

(監修:園部裕美、文:ファナティック)

※画像はイメージです

(※1)マイナビウーマン調べ

調査日時:2017年5月10日〜5月11日

調査人数:123人(22歳〜35歳の女性)

(※2)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)

(※3)Cysteine Protease Inhibitors Produced by the Industrial Koji Mold, Aspergillus oryzae O-1018. T. Yamada, et al., Biosci. Biotech Biochem., 62, 907-914 (1998)

(※4)

・Beneficial effects of protease preparations derived from Aspergillus on the colonicluminal environment in rats consuming a high-fat diet. Y. Yongshou, et al., BiomedRep., 3(5), 715-720 (2015)

・Japanese traditional dietary fungus koji Aspergillus oryzae function as a prebiotic forBlautia coccoides through glydosylceramide: Japanese dietary fungus koji is a newprebiotic., H. Hamajima, et al., Springerplus, 5(1) 1321 (2016)

(※5)

・Antioxidant actibity of a medicine based on Aspergillus oryzae NK koji measured by amodified t-butyl perosyl radical scavenging., T. Kawasumi, et al., Biosci. Biotechnol.Biochem., 63(3), 581-584 (1999)

・Isolation of the antioxidant Pyranonigrin-A from rice koji mold starters used in themanufacturing process of fermented foods., Y. Miyake, et al., Biosci. Biotechnol.Biochem., 71(10), 2515-2521 (2007)

・麹菌により生産される機能性の検索 越智洋他 宮崎県工業技術センター・宮崎県食品開発センター研報告(2008)

(※6)

健康と美容に貢献する「酒粕」の成分 渡辺敏郎 日本醸造協会誌107巻5号p.282-291 (2012.5)

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