スマートヘルメット「LUMOS Matrix」が彷彿させる未来の道路事情

スマートヘルメット「LUMOS Matrix」が彷彿させる未来の道路事情

堅牢性とテクノロジーで安全を提供するスマートヘルメットLUMOS Matrix

【木村ヒデノリのTech Magic #002】 自転車の進化でヘルメットが再び注目を集めている。そんな中まさに”スマートヘルメット”と呼べる画期的プロダクトを見つけた。それが「LUMOS Matrix(以下、Matrix)」だ。頭を守る堅牢性に加え、減速を感知して自動点灯するブレーキランプやウインカーなど、視認性という観点からも安全を提供してくれる本製品は完成度も秀逸。自転車の利便性が再認識されてきた昨今、国内でもスタンダードな装備になるかもしれない。
●ヘルメットに特化した少数精鋭の企業
 Lumosは画期的なヘルメットをいくつも世に送り出しているベンチャー企業だ。製品はKickstart、Kickstart Lite、Street、Matrixの4種類で、これらは海外のグッドデザイン賞ともいえるred dot design awardを受賞するなど、安全面だけでなくさまざまな機能とともにデザイン性も評価されている。
 香港に本社を置くこの会社は50名以下のエンジニア集団で、なんとヘルメットというニッチなプロダクトに特化し製品開発をしている。そのため、リリースしている製品の完成度は非常に高い。
 多くのスマートプロダクトに見られるのが、反応が悪く実際使いづらかったり、本体はよくできているがアプリの仕上げが雑だったりという点。しかし、Matrixは、バッテリーの持ち、充電の方法、アプリとヘルメットの通信速度、整ったユーザーインターフェースなど、どれを取っても非常に作り込まれている。
●視認性の高さと利便性が与えてくれる安心感
 Lumosのどのプロダクトにも言えることだが、特にMatrixは視認性という点で群を抜いている。背面の大型LEDにはアプリからさまざまな絵柄や文字が投影可能で、自動車に存在をアピールしてくれる。ウインカーは前後同時に表示され、前方から近づく車や歩行者にも進行方向を知らせることができるので安心だ。進行方向は手元のハードウェアリモコンで指示できるほか、Apple Watchを着けていれば手信号と連動する。
 日本では平成27年に行われた道路交通法の改正で自転車も原則車道を通行することとなった。これを受けて全国で自転車専用通行帯の整備が行われているが、多くの道路では未だ整備されていないのが現状だ。
 実際は交通量が多く危険でそれを回避する場合やチャイルドシートを搭載し子供を乗せている場合などは歩道の徐行も認められているが、自転車が通行しておりどちらの方向に行こうとしているのかということは歩行者、車両ともに認識してくれた方が安全なのは明らかだ。
 筆者も子供を乗せて移動するため、安全の観点から尾灯や反射板の取り付け、手信号の徹底などを考えていたがMatrixは一気にこれらの問題を解決してくれた。前述したウインカーによる方向指示に加え、減速を自動で感知して表示してくれるブレーキランプ、「BABY ON BIKE」など任意の文字を常時表示できる機能など、他の車両と同等の視認性を自転車にも手軽に提供してくれるMatrixは3万円弱という価格も納得できるだけの安心感を与えてくれるだろう。
●精密機械が組み込まれているのにタフな実用機
 「あくまでヘルメット、屋外のハードな環境で使われる」という点もしっかりと考えられている。Matrixは全天候型で、雨の日の着用もまったく問題がない。充電で最大10時間使用できるなど普段使いがしやすい配慮も完璧だ。
 サイズがM・Lしかないのを心配する方もいるかもしれないが、交換できるパッドのおかげでかなり柔軟にフィットできる印象だ。厚さが違うレッドとターコイズ2種類のパッドが付属しており、大人であれば男女に関わらずある程度のサイズに対応する。
●安全を自分で担保していく時代に必須のヘルメット
 今後、自転車も車両として定義され、バイクや車に準じた法令になっていく可能性は高い。車体に電気配線など施さなくともヘルメットひとつでさまざまな機能を追加してくれるMatrixは、まさにこれからの時代の理想のソリューションといえるだろう。加えて、その完成度の高さが導入の後押しをしてくれる。先進的であることよりまず実用的であることが普及する鍵だからだ。固定観念に縛られないこうした企業のチャレンジがこれからも楽しみだ。(ROSETTA・木村ヒデノリ)
■Profile
木村ヒデノリ
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。
2002〜2004年の2年間で米国ボストン、バークリー音楽大学映画音楽科で学位を取得後、23歳で現在の会社の前身となるWebデザインの会社を起業。2008年からグラフィック、フォトグラフィー、映像制作などへも範囲を拡大、2014年からマーケティングも含めた統合的なブランディング事業を開始。普段から様々な最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で1歳半の娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。
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