世界最大の闇サイト「アルファベイ」摘発―20万人が利用、銃器・違法薬物など取引か

世界最大の闇サイト「アルファベイ」摘発―20万人が利用、銃器・違法薬物など取引か

AlphaBayのイメージ

米国司法省は、過去2年間にわたって活動していた闇サイト「AlphaBay(アルファベイ)」を摘発したと発表した。分かっている限りインターネット上で最大の犯罪市場だと説明している。

GoogleやTwitter、Facebookなど通常インターネットの入り口となるアプリケーションからたどりつくのが難しい「Darkweb(ダークウェブ)」の1つ。身元を隠すアプリ「Tor(トーア)」を利用して接続し、暗号通貨「Bitcoin(ビットコイン)」などで取引をする。

アルファベイが摘発前まで取り扱っていたのは、ヘロインや合成オピオイドといった米国などで社会問題になっている違法薬物や有害化学物質約25万件、詐欺に使うための盗品の身分証明書や電子機器、マルウエアなどのハッキングツール、銃器など約10万件。また関与していた人物の証言によると、20万人が利用していたという。

ちなみに2013年に当時世界最大の闇サイトとして摘発にあった「Silk Road(シルクロード)」で取り扱っていた情報が1万4,000件なので、アルファベイはそれを大きく上回る規模となる。

7月5日にはアルファベイの創設者かつ管理者であるとして、25歳のカナダ人Alexandre Cazes(アレクサンダー・カゼス)氏が滞在先のタイで、米国の要請を受けた地元当局の手により逮捕。しかし拘束中、早くも12日に自殺してしまっている。

カゼス氏は6月に恐喝や麻薬取引など複数のConspiracy(コンスピラシー)、いわゆる共謀罪を犯した疑いで米国において起訴を受けていた。

米国司法省によると、カゼス氏と配偶者はタイや欧州の小国であるキプロス、リヒテンシュタイン、カリブ海の小国であるアンティグア・バーブーダなどに資産を分散させて所有していたという。一部はいわゆるTax Haven(タックス・ヘイヴン)、租税回避地として有名な地域だ。

2016年にパナマ文書の流出によって大きな騒ぎとなったタックス・ヘイブンだが、世界には似たような場所がまだ幾つもあり、犯罪者が利用している恐れがあらためて明らかになったかたちだ。

資産の内容はというと高級車や住宅、ホテル、それに数百万ドル(数億円)相当の暗号通貨などだそう。米国当局による押収対象となっている。

なお同時にアルファベイとつながるオランダの闇サイト「Hansa Market(ハンザマーケット)」も欧州当局が摘発している。

ちなみに米国司法省の発表文には、よくある政府高官による勝利宣言が付いており、「もはやダークウェブは犯罪者の隠れ家ではない」といった主張が並んでいる。

しかし数年前のシルクロードに比べても、さらに規模の大きなアルファベイを、20代の青年が切り回し、わずか2年で巨利を得られる環境にあった、というのがすべて事実とすれば、問題はそう簡単ではないかもしれない。

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