人気のウーバーイーツ、問われる「システムの透明性」 運営側に見解を聞くと...

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飲食宅配代行サービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の配達中に転倒事故を起こしたところ、ウーバーの担当者からメールで契約解除を示唆された――。こんな対応はどうなのかとツイッター上で問題提起が行われ、反響を集めている。

ウーバー側は、配達者の安全を最優先しているとしながらも、「ガイドライン違反があれば、アカウント停止もある」とJ-CASTニュースの取材に説明した。

お見舞いの言葉とともに警告メール

このメールは、ツイッター上で2019年7月に投稿された。ツイートによると、配達中に雨で濡れた路面でスリップしてバイクごと転倒し、打撲を負った。配達での交通違反行為はなかったという。このことをウーバー側に報告すると、事故対応担当者からお見舞いの言葉とともに、この警告メールが送られてきた。

そこでは、不注意の事故があると、ウーバーのシステムが利用できなくなることもありうるとして、「今回のようなことが再度あれば、あなたのアカウントは永久停止となるかもしれませんのでご注意下さい」とも書かれていた。

ウーバーイーツは、米配車サービス「ウーバー」の子会社で、3年前に日本に進出し、東京、大阪などの大都市でレストランと提携したサービスを展開している。配達員は、個人事業主としてウーバー側から業務委託を受け、スマートフォンのアプリを通じて好きな時間に自由に仕事ができるのが特徴だ。

街中では、緑色の四角い荷物を背負って、自転車やバイクに乗る配達員の姿が見られる。

配達員の数も増えているとされるだけに、メールの画像をアップしたツイートは、大きな反響を呼んだ。26日正午現在で2000件ほどもリツイートされている。

「突然アプリが停止され...」弁護士に届く声

ウーバー配達者の問題に取り組む川上資人弁護士は7月24日、取材にこう話した。

「配達者の方は、ウーバー側の判断で労働条件が変わるとした利用規約に同意しないと、アプリをダウンロードすることはできません。事前に何も説明なく、突然アプリが一方的に停止され、明日から仕事ができないと訴える声が多く寄せられています。一番求められているのは、なぜ停止するのかを説明することや、配達者に弁明の機会を与えることです。つまり、システムの透明性を確保してほしいということになりますね」

また、ツイッター上では、事故によるもう1つの問題点も指摘されている。それは、ウーバーに直接雇われているわけではないため、雇用保険や労災保険の対象にはならないことだ。

ウーバー側は、対人・対物の被害を賠償する損害保険をかけているが、配達者のケガやバイクの損傷は補償の対象になっていない。その結果、ケガをしてしまったら、自腹で治療するしかないことになる。

この問題について、川上弁護士はこう言う。

「損害保険のカバー範囲が狭く、不公平な保険内容になっています。配達員の方にとっては、ケガなどが補償されない酷いものですね。そこで、交渉力の低さをカバーするため、有効な手段として労働組合を作る必要があると考えています」

実際、川上弁護士は、配達者の有志とともにウーバーの労組の準備を進めている。

さらに、労災保険の適用も、今後の課題だと指摘する。

「保険が適用になるのは、雇用契約に基づく労働者だけです。これに対し、アメリカやフランスでは、配達者のための労災保険を作る動きが進んでいます。新しい働き方が出てきた今となっては、雇用だけの制度はもはや時代遅れですよ。日本でも、個人事業主に適用される労災保険制度にするべきだと思っています」

「配達パートナーの安全は最優先事項です」

ウーバーイーツの日本法人ウーバージャパンは7月25日、配達員の事故が起きたときの対処について、こう取材に答えた。

「Uberにとって配達パートナーの安全は最優先事項です。私たちは、全ユーザーに快適なサービスを提供すべく、コミュニティガイドラインを設けており、マナーへのご理解とご協力をお願いしています。そちらに違反する行為があった場合、アカウント停止の措置を取らせていただくこともございます」

送られてきたというメールに配達員が不快感を訴えていることについては、「ご指摘いただきありがとうございます。日々より良いサービスを目指し改善を続けています」と説明した。

配達員が個人事業主のため雇用保険や労災保険の対象になっていないことについては、こうコメントした。

「多くの配達パートナーがUber Eatsの仕事のフレキシブルさに価値を感じてくださっておりますが、同時にUberはこの個人事業主という働き方の質と安全性を高めるために、日々取り組んでおります」
「今後も引き続き、フレキシビティを提供しつつ、安全に配達いただくことを最優先に、テクノロジーを活用したアプリへの安全機能強化など取り組みを進めてまいります」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)