名大、消化器官における複合的電気活動の連携を時間空間的に解析

名大、消化器官における複合的電気活動の連携を時間空間的に解析

画像提供:マイナビニュース

名古屋大学(名大)は5月30日、応用範囲の広い透析膜強化微小電極アレイ計測法を考案し、消化器官における複合的電気活動の連携を時間空間的に解析することに成功したと発表した。

同成果は、名古屋大学大学院医学系研究科細胞生理学 中山晋介准教授らの研究グループによるもので、4月11日付の国際科学誌「Biosensors and Bioelectronics」オンライン版に掲載された。

腸は生体中に存在する極めて長い臓器であり、食道や胃、小腸、結腸など各セクションにおける機能に対応して特徴的な運動を示す。また、栄養素の消化吸収だけでなく、免疫や精神、微生物との共生などさまざまな生体機能との関連が、近年注目されている。

この運動性の基礎は、消化管壁での時間空間的な電気活動によってなされていると考えられているが、実際には、筋、神経、間質細胞群などが混在し、多種多様な電気興奮がオーバーラップして複雑に働いているため、その解明には高精度の計測と解析方法の確立が求められる。しかし、これまで使用されてきた光学的計測手法では、広帯域の生体信号を記録することは困難であった。

今回の研究では、透析膜で標本をシート状に補強する微小電極アレイ(MEA)計測法を用いることで、さまざまな消化管部位において、特徴的な時間空間的電位変動を記録することに成功した。空間的な電気計測条件が安定するため、胃、小腸、結腸においては特徴的な自発性電位活動を長時間計測でき、時間空間的解析や視覚的な電位マッピング解析が可能となった。

とくに、結腸では、空間的電位分布特性がこれまで把握されていなかったが、同技術により筋電気コンプレックス、徐振動を先導する速振動と一過性スパイク活動の関連が明らかになった。また小腸では、局所的神経活動が引き起こす電気緊張電位の伝搬も観察された。

同研究グループは今回の成果について、今後、モデル動物の機能変化評価や薬物効果の判別など、さまざまな応用が考えられると説明している。
(周藤瞳美)

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