東北大、オオノログを用いてアルツハイマー病の原因遺伝子を推定

東北大、オオノログを用いてアルツハイマー病の原因遺伝子を推定

画像提供:マイナビニュース

東北大学は6月28日、アルツハイマー病患者に特有のゲノム領域に含まれるオオノログという特殊な遺伝子に着目することで、病気の原因となる遺伝子を多数推定したと発表した。

同成果は、東北大学大学院生命科学研究科 牧野能士准教授らの研究グループによるもので、6月27日付けの国際科学誌「Molecular Biology and Evolution」オンライン版に掲載された。

近年、病気の遺伝的要因としてヒトゲノム中におけるコピー数多型(CNV)が注目されている。CNV領域中に遺伝子が存在すると遺伝子量が変化するため、遺伝子量変化に弱い遺伝子を含むCNVは病気の原因となる。5億年前の脊椎動物の初期進化で起きた全ゲノム重複に由来する遺伝子群「オオノログ」は遺伝子量変化に弱く、オオノログを含むCNVは病気との関連が強いことがわかっていた。

したがって、病気の原因となるCNV中のオオノログに着目した原因遺伝子の推定は有効であると考えられるが、多くのCNV領域は複数の遺伝子を含むため、オオノログ情報のみからこの方法の有効性を確かめることは困難であった。

今回、同研究グループは、遺伝子量の変化が発症の原因のひとつと考えられているアルツハイマー病患者で報告されたCNV中の遺伝子群を対象に、マウスを用いた遺伝子機能の調査や、脳での遺伝子発現量の調査を行い、オオノログに注目した原因遺伝子推定の有効性を検証した。

この結果、オオノログは既知アルツハイマー病原因遺伝子群と同様、遺伝子破壊により神経系に異常をきたす遺伝子が多く、脳組織での平均発現量が他組織よりも高いことが明らかになった。これは、遺伝子量の変化が関与する病気において、オオノログを用いた原因遺伝子の推定が有効であることを示している。

統合失調症などアルツハイマー症以外にも遺伝子量変化が原因となる病気が報告されていることから、同研究グループは同手法について、他の病気への応用が期待されると説明している。
(周藤瞳美)

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