Nutanix、IoTに対応した「Nutanix Enterprise Cloud OS」を発表

Nutanix、IoTに対応した「Nutanix Enterprise Cloud OS」を発表

画像提供:マイナビニュース

ニュータニックス・ジャパンは7月11日、米国ワシントンD.Cにおいて6月28日〜同30日の期間で行われた年次カンファレンス「.NEXT Conference 2017」の発表内容に関する記者説会を都内で開催した。説明会には米国本社からプレジデントのスディーシュ・ネア氏と、製品管理担当ディレクターのアンジャン・スリニバス氏が来日し、同カンファレンスで発表した「Nutanix Enterprise Cloud OS」とGoogle Cloudとの戦略的提携について説明を行った。

Nutanix Enterprise Cloud OSは、マルチクラウド対応でアプリケーションオーケストレーションとライフサイクル管理を提供する「Nutanix Calm」と、最新のクラウドサービス「Nutanix Xi Cloud Services」を搭載したソフトウェアスタック。Nutanix Calmは2017年第4四半期の提供開始、DR向けのNutanix Xi Cloud Servicesは、2018年第1四半期までに早期アクセス版の提供開始をそれぞれ予定している。

同OSはIBM、Dell EMC、Lenovo、Cisco、HPEのオンプレミス環境だけでなく、AWS、Google Cloud Platform、Azureのクラウド環境、そしてNutanix Xi Cloud Servicesのネイティブ環境を含むマルチクラウドの導入環境全体において使用できるという。

同OSをサービスとして利用する場合、IT責任者はNutanixソフトウェアをXi Cloud Services経由のネイティブのクラウド提供ソリューションとして活用することができ、シンプルなワンクリックでのシステム運用を実現しつつ、企業のデータセンター(DC)が包含する領域をシームレスに拡張するとしている。

Nutanix Enterprise Cloud OSについて、ネア氏は「OSは基本的に人を前提に設計されており、マシン同士での通信のためのOSも存在しているが、IoTはマシン、人、アナリティクスが関与してくる。IoTはエッジとインテリジェントエッジの2つのグループに分けられ、例えばドローンはエッジ、それらをコントロールするものがインテリジェントエッジとなり、両方に対応しなければならない。Enterprise Cloud OSはいずれにも対応でき、特に医療、金融、防衛産業、製造業にとって有望だ。これをもとに、われわれはIoTの領域に参入する」と、述べた。

○Nutanix Calmが備える自律性

Nutanix Calmは、アプリケーション環境を抽象化し、適切なワークロードに適切なクラウドを推奨しつつ、クラウド運用を調整する。ブループリントを通してアプリケーションを定義し、異なるクラウド環境へのプロビジョニング、管理、スケーリングが可能だという。

Nutanix Calmについてネア氏は「これからの時代はクラウドをただ単に使うのではなく、自律性が必要なため、VMを中心に見る時代からアプリを中心に見る時代に移行しなければならない。例えば、毎週金曜日に実行するアプリがある場合、システムが木曜日の段階でリソースの可用性を判断した上で自動的に使うリソースを決定することがCalmは可能だ。つまり、IT部門がSLAやコストなどを設定すれば、システムがそれに準拠し、どこでアプリを運用するか決めることができる。オンプレミス、オフプレミスのどこでアプリが運用されていても関係なく、管理性は同一となる。マルチクラウドでは、適切なワークロードを適切なクラウドで実行することが必須となり、IT側の視点をアプリ側に向けることにより、優位性を確保できる。われわれはCalmの提供開始とともにパブリッククラウドに参入する」と、胸を張る。

また、スリニバス氏は「これまでのインフラのレイヤーから、これからはアプリのレイヤーでシステム管理を充実させていく。現在、企業はプライベート、パブリック、ハイブリッドと選択肢があり、Calmを使うことにより、企業が処理すべきワークロードに対して、最適なクラウドの運用ができるようなコンサンプションモデルを提供する。どのようなクラウドであれ、一度選択されるとアプリのオーケストレーションをインテリジェントにでき、Prism(管理ツール)は既存製品のサポートに加え、レノボ、デル、HPE、シスコ、IBMなどのノードのオーケストレーションを可能とするソフトウェアとして、管理できる」と、強調した。

○第1弾としてDRサービスを提供するNutanix Xi Cloud Services

もう一方のNutanix Xi Cloud Servicesは、企業のDCのネイティブの拡張機能として、プロビジョニングと利用をオンデマンドで行うことができ、「Nutanix Enterprise Cloud Platform」と同一のツールと同等のサービス品質を保持し、同一のインフラストラクチャスタックにより開発された、ターンキー型のクラウドサービス。

初回リリースではDR(Disaster Recovery)サービスを提供し、設定、管理、試験を数分以内に行えるようになるほか、同一のPrismを使用し、所定のIT運用の一環として、既存のワークフローに従い、アプリケーションとデータを即座に保護することが可能。これにより、DRソリューションを別に使用する際の費用と複雑性を回避できるという。

スリニバス氏は「Xi Cloud Servicesは、iPhoneのicloudが持つフルスタックでコントロールできる考え方を適用し、Enterprise Cloud Platformを拡張することを可能としている。パブリック、プライベート両方で利用ができ、iPhoneがバックアップのサービスを手始めに取り組んだように、われわれもDRサービスから提供を開始する。特に基幹系のアプリを運用している場合に重要となる領域だが、保護しなければならないというニーズがありながらも、DRの立ち上げは複雑かつ、コスト負担が大きい側面がある。Xiは、プロビジョニングやレプリケーション、ランブックの自動化、セキュリティポリシー、ネットワークの接続性を集約しており、既存システムとのシームレスな連携が可能になる」と、述べた。

またDRサービスから始める意義についてネア氏は「ハイブリッドクラウドのツールそのもののあるべき姿を再整理した。よくある例として、企業は自社でDCを持ち、いくつかのパブリッククラウドを利用しており、自社のDCで保有しているものをパブリッククラウドに移行しようと思えばできるが、社内で使うツールやAPIはパブリッククラウドで使えるものとは違う。われわれはレンタル、自社所有問わず、同じ管理性を提供できるからこそ、DRサービスがメリットとなり、これまでの手法を変えることなく、運用を開始できる。スタック全体がエンド・トゥ・エンドで自動化を可能とする設計のためPrismを通じて管理し、ワンクリックのサービスを提供していく」と、話す。

○Googleとのパートナーシップ

説明会では、Google Cloudとの戦略的提携についても触れた。

両社ではパートナーシップに伴い、共通の顧客は今後、クラウド型と従来のオンプレミス型の両方のエンタープライズ・アプリケーションを統合型のパブリッククラウド・サービスとして導入・管理すると同時に、Nutanix環境とGoogle Cloud Platform(GCP)を連携できるという。プライベートクラウドアーキテクチャと、パブリッククラウド環境の長所を兼ね備えたハイブリッドクラウドの構築・運用の実現に向けて、技術的解決に共同で取り組む考えだ。

これにより、顧客は「Nutanix Calm for GCPによるワンクリックのハイブリッド・オペレーション」「Nutanix Xi Cloud Services on GCP」「Nutanix Enterprise Cloud OSとKubernetesの組み込みサポート」などを享受できるという。

Nutanix Calm for GCPによるワンクリックのハイブリッド・オペレーションは、単一の管理画面を通して、GCPとNutanixのクラウド環境間でアプリケーションの管理を可能としている。また、Nutanix Xi Cloud Services on GCPは、Nutanixの顧客は、自社のDC環境をネイティブにGCPへ連携拡張することが可能。

さらに、Nutanix Enterprise Cloud OSとKubernetesの組み込みサポートでは、Nutanix Enterprise Cloud内でコンテナベースのアプリケーションの導入、管理、スケーリングが可能になるという。

ネア氏は「今後、マーケットプレイスを通じて、パートナーとともに連携し、管理性やセキュリティ、モニタリングなどを拡充していく。これらのパートナーシップの中で特筆すべきはGoogleとのパートナーシップとなる。GoogleのDC上でXiが運用されるほか、Nutanixのマーケットプレイスを拡大することでIoTの領域に関してもGCPと連携できる。同時に、Googleの機械・深層学習、Kubernetesにも対応していく」と、今後の展開に含みを持たせた。

また、リアルタイムのエッジインテリジェンスと、コアとなるクラウドコンピューティングを融合させた、IoTの活用事例についても協業することで合意している。顧客はエッジ処理用のTensorFlowを導入することで、GCPベースのIoTアプリケーション向けのインテリジェントなエッジとして、Nutanixを活用しつつ、GCP内の処理されたメタデータ上で、機械学習モデルのトレーニングと分析機能の実行を可能としている。

なお、CalmとGCPの統合ソリューションは、2018年第1四半期の提供開始を予定。そのほかの機能は現在開発中であり、価格の詳細は提供開始前に発表を予定している。
(岩井 健太)

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