産総研、電気探査で水道管周辺の土壌を調査する技術を開発

産総研、電気探査で水道管周辺の土壌を調査する技術を開発

画像提供:マイナビニュース

産業技術総合研究所(産総研)は、同研究所 地圏資源環境研究部門 物理探査研究グループの神宮司元治主任研究員が、路面下に敷設された水道管周辺の地盤の比抵抗を測定して、その水道管の腐食リスクを推定できる「高周波交流電気探査装置」を開発したことを発表した。

近年、水道管の老朽化が急速に進み、老朽水道管を計画的に更新する必要性が増している。水道管の腐食は地盤の比抵抗が低いほど進行しやすく、路面を掘削して土壌試料を採取して比抵抗を測定する調査があるが、コストや時間、労力の負担が大きく、比抵抗を簡単に測定できる手法が求められていた。

産総研は、水道インフラの維持管理技術の向上を目的とした研究開発の一環として、地表から路面を傷つけずに高精度で浅部の地盤の比抵抗を計測して、水道管の更新優先度を決定するための調査に貢献できる技術の開発に取り組んだ。

これまで資源探査から土木調査まで幅広く応用されてきた地盤調査技術である「電気探査技術」は近年、より広域の比抵抗の3次元立体構造を取得できる3次元探査が可能になるまでに発展してきた。しかし、一般的な電気探査法では、一対の金属電極のセットを地面に差し込んで電流を地盤に通電し、それによって地盤内に発生した電位の広がりをもう一対の電極のセットで電位差として検出して地盤の比抵抗を計測する必要があった

今回、高周波を送信する送信機と送信ダイポール、受信する受信機と受信ダイポールで構成される電気探査装置を開発した。同装置を使えば、路面から地盤の詳細な比抵抗を計測し、水道管の腐食リスクを効率よく評価できる。また、計測地点の深さ方向の比抵抗の変化を推定するだけではなく、送信ダイポールと受信ダイポールの両方を移動させて2次元的な地盤の比抵抗断面図も推定可能だという。

この技術は、急増する老朽水道管更新の優先度の決定に貢献することが期待される。今後は、水道管をはじめとする老朽化した埋設管インフラ更新の優先度を決定し、合理的・効果的なインフラ整備を進めるためのツールとして発展させるとともに、各地方自治体への普及を働きかけ、実用化を目指すということだ。

なお、同技術は、路面上から計測した比抵抗分布から液状化層の有無やその層厚・深度の推定にも応用できるため、液状化簡易スクリーニング技術としても開発を進めていく。

この技術の詳細は、7月19〜21日、東京ビッグサイトで開催される「第9回インフラ検査・維持管理展」で発表される。
(早川厚志)

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