直射日光の下でもパターン投影で高速に動く物体の形状計測が可能に - 産総研が通信技術を応用して実現

直射日光の下でもパターン投影で高速に動く物体の形状計測が可能に - 産総研が通信技術を応用して実現

画像提供:マイナビニュース

産業技術総合研究所(産総研)は、直射日光のような強い外乱光がある環境でも、ダイナミックな動きがある対象物の動きや変形といった物体の形状変化を高速に計測する手法を開発したと発表した。

同成果は、産総研 知能システム研究部門 コンピュータビジョン研究グループの佐藤雄隆 研究グループ長ならびに佐川立昌 産業技術企画調査員らによるもの。詳細は、2017年7月21〜26日にかけて米国にて開催される「IEEE Conference on Computer Vision and Pattern Recognition (CVPR2017)」にて発表される。

カメラを用いて物体の形状を測定する技術は各所で開発されているが、太陽光のような強い外乱光の下では、プロジェクタなどの光源からパターンを対象に投影し、そのパターンをカメラで認識することで3次元形状を計測する手法は、パターンの光が外乱光より小さいため、検出が難しいという課題があった。

今回、研究グループは、無線通信で用いられているノイズ除去技術の1つ「スペクトラム拡散変調技術」を応用することで、パターンの信号が外乱光に比べて弱い場合でも、長い拡散符号を用いることでパターンを復元できることを確認。外乱光が強い環境でもパターンの検出を可能であることを示したとする。

また、今回の手法では、複数の画像を撮影する必要があるため、動きのある対象物に対応することを目的にハイスピードカメラなどを採用。観測対象の動きに比べて十分高速に撮影ができる場合には、動きによるパターンの変形が低周波数であると仮定し、復調時に低周波をカットするフィルタリングを行ったところ、高速運動する観測対象でもパターンの復調時の誤差を除去して、形状を計測できることを確認したという。

なお、今回の手法は、ほかの形状計測法にも適用が可能だとことで、また、溶けた金属など自ら発光する物体のような、従来、パターン投影が困難であった対象の計測にも有効であるとの期待を示しており、今後、数年以内に今回の技術を実用化したいとしている。
(小林行雄)

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