AIがもたらすものは「生産性向上」か「仕事の消失」か - 就労者の意識調査

AIがもたらすものは「生産性向上」か「仕事の消失」か - 就労者の意識調査

画像提供:マイナビニュース

NTTデータ経営研究所は7月20日、AI/ロボットによる業務代替に対する意識調査の結果を発表した。

同社はNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターで首都圏および都市部で働くオフィスワーカー約1000名を対象に、AI/ロボットによる業務自動化に対する意識調査を実施。AI/ロボットに仕事を奪われてしまうという「AI脅威論」が存在する一方で、生活価値や労働効率性が高まるという「希望論」も存在しているが、2017年時点では日本のオフィスワーカーはAI/ロボットの台頭をどのように受け止めているのだろう。

○多くの仕事は今後も人間によって行われると考えている人が多数

同調査において「10年後、今の自分の仕事を代替している存在がいるとしたら、それは何だと思いますか」という設問に対して、AIやロボットなどの「自動テクノロジー」と答えた人は全体の46%。後進の若者や外国人といった「自分以外の人間」と答えた人は全体の73.6%だった。

また、「あなたの現在の仕事の何%が将来的にシステム、AI、ロボット等のテクノロジーに代替されると思いますか」という質問では平均32%の仕事がテクノロジーに代替されていくという結果が出た。

以上のことから、調査対象者の実感としては「自分の仕事は今後も人間が行う」という認識が強く、テクノロジーによる業務代替の可能性は認めるものの、AIやロボットによる業務代替についての現実感は少ないことがわかる。

では、具体的にテクノロジーに代替される可能性のある業務はどのようなものか。同調査では24種類の業務例を提示し、「この中でAI/ロボット等のテクノロジーに代替されると考えられる業務を選んでください」と問いかけた。

その結果、「手順や業務ルールが決まった作業」については平均して89.6%の人がテクノロジーに代替されると考えていることがわかった。反対にコミュニケーションを必要とする業務や創意工夫が求められる領域に対しては、大体の可能性が低いと考えられている。

ただし、AI技術の進化はめまぐるしく、コミュニケーションやクリエイティビティを発揮するような仕事もAIができるようになれば、現状「まさかテクノロジーに代替されまい」と考えている業務も、自動化される可能性は充分にあると同社は分析している。

○テクノロジーによる業務の代替については過半数がポジティブ

「業務へのシステム、AI、ロボット等による人間の仕事の代替について、どのように感じますか」という問いに対して、「非常に楽しみであり効果に期待している」「期待をもっている」などのポジティブな回答をした人は、59.4%であり、AI・ロボットによる自動化を好意的に受け止めている人が多いことがわかった。

その理由としては「人間が行うべき仕事に集中できる」が最も多く、「労働力人口減少を補うことができる」「新たな職や産業が生まれる」という回答が続く。反対にネガティブな回答をした人の理由では「失業者が増えて経済の悪化につながる」というものが最も多い。

また、回答者の属性を見ると、非管理職よりも管理職、契約社員よりも正社員、年収の低い人よりも高い人のほうがポジティブな傾向が強いという結果も出たという。

○ポジティブにとらえている人が多い反面、実際に対策を講じている人はわずか

「あなたの現在の仕事が、システム、AI、ロボット等の自動化手段に代替されることを想定してなんらかの対策を行っていますか」という質問に対しては、実際に「対策を行っている」という回答は、全体のうち9.0%。具体的な対策については、「テクノロジーに代替されない付加価値を身につける」と回答した人が最も多く「仕事の領域を変える」と答えた人も半数以上いた。

また、テクノロジーによる仕事の代替についてポジティブに感じており、かつ対策をしている人は全体の7.7%だった。その7.7%ののグループは、「あなたの現在の業務の一部がシステム、AI、ロボット等の自動化手段によって削減された場合、削減された時間をどのように過ごしますか」という質問に対して、64.4%が「労働時間を減らしプライベートの時間を増やす」と回答しているが、68.5%が「新たな仕事を作り出す」と回答しており、ほかのグループと比較して割合が高く、仕事に対する前向きな姿勢が想像できる。
(安川幸利)

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