世界中のエンジニアが直面する課題は「解決できない問題を解決すること」 - 短時間で結論を出すのを妨げているものは何か?

世界中のエンジニアが直面する課題は「解決できない問題を解決すること」 - 短時間で結論を出すのを妨げているものは何か?

画像提供:マイナビニュース

●解決できない問題を解決することが求められるエンジニアの現状
世界中のエンジニアが直面している課題は、概念としてはシンプルなものの、実現するには極めて複雑です。それは、「解決できない問題を解決すること」です。さらに、それだけでは飽き足らず、この「解決できない問題」を従来よりもはるかに短期間で、少ないリソースで解決することも期待されています。家庭用サーモスタットのテストを例に考えてみましょう。はるか昔に使われていたサーモスタットは、単なるバイメタルコイルでしたが、現代のサーモスタットは、湿度・温度センサから、ワイヤレス回路、動作検知まで、さまざまな技術の融合体となっています。そのため、このシステムの検証には、さまざまな計測器やセンサ、さらにソフトウェアに関する高度な専門知識が必要です。ですが、エンジニアは一体どこから手を付ければよいのでしょうか。

ぱっと見登れそうになさそうな山を前にしたとき、エンジニアは頂上に辿りつくために必要なステップを割り出すのは困難だと思うかもしれません。エンジニアリングでも、複雑なシステムを計測・テストするために最も抵抗が少ない経路を見つけ出すのは困難を伴います。最終的には、各ステップで得た効率を合計したものが、登頂までに要する労力の総計になります。

これを、エンジニアリングでのタスクリストに置き換えてみましょう。アプリケーション全体の共通タスクを簡素化することで、エンジニアリングシステムの開発、導入、管理に必要な時間が短縮できます。エンジニアリングシステムという山の頂上に到達するには、重要なマイルストーンが4つあります。それは、「コアコンセプトの実装」「システムの設定」「データの分析」「未知なるものへの備え」です。

○コア技術の概念の実装

ナイキストの標本化定理から比例・積分・微分(PID)アルゴリズムの係数に至るまで、エンジニアリングの基礎的な概念をアプリケーションに正確に実装することは重要です。しかし現在では、コア技術の概念に関する知識があるだけでは不十分です。これらの概念を、カスタムロジック作成用のツールやプログラミング構造のセマンティクスの範囲内で実装しなければならないのです。

LabVIEW NXGでは、LabVIEW固有のグラフィカルなデータフロープログラミングパラダイムではなく、計測データの収集、解析、表示用に新しい非プログラミングワークフローを導入しています。そうすることで、以下によってもたらされるさまざまな課題を回避することができます。「新しいツールの使用」、「ソフトウェア言語のコーディング」、「エンジニアリング理論の実装」、さらに「環境へのネイティブ学習システムの統合」。この学習システムでは、上記の3つの側面を1つの環境にまとめて学習させます。また、これらの新機能を初めて使用する際、ヒントやコンテキスト情報をポップアップ表示して、ワークスペースの使い方をナビゲートします。ループ構造やデータ型、並列処理通信などのプログラミング概念の簡単な説明が必要な場合は、ユーザを環境に慣れさせながら、説明が行われます。

その概念がどのように役立つのか、なぜ役立つのかについて詳しく知りたい場合は、内蔵の対話式レッスンを見てみましょう。各レッスンにはサンプルコードとワークブックがあり、コードの背景にある理論を説明するリッチメディアコンテンツによって概念を学習する際の手がかりとなります。

●システム開発時の計測をどう簡素化するのか?
○計測システムの設定

計測器やセンサを開発するベンダの数が多いと、システム内の共通コンポーネントの特定や設定が難しくなる場合があります。たとえば、非染色性生検標本の分析用のレーザー顕微鏡の開発で使用される、Histoindexシステムの設定について考えてみましょう。このPCベースのシステムは、ガルバノメーター、レーザー、カメラなどの4つの計測器タイプを含む、5つのサブシステムに依存していました。このようなシステムでは、ハードウェアの検出、適切なドライバのインストール、セットアップなどの基本的なタスクが、煩雑で時間のかかるものになることがあります。

LabVIEW NXGは、これらの重要な設定手順を簡素化する、インタラクティブなワークフローを提供します。プログラミングが不要になることで、自動での検出やドライバ識別、ドキュメントの統合、インタラクティブなソフトフロントパネルにより、ハードウェア構成の検証や計測結果の表示をスピードアップして、信号の即時取得と視覚化が行えます。

こうした時間はかかるものの重要な手順を簡素化することで、習熟したアプリケーションの細かな部分に集中して、独自の価値を付け加えることができます。

○計測データの分析

従来、システムの特性づけでは、類似したセンサタイプの少数の信号のみの計測が必要であり、その後の分析とレポート生成に時間がかかっていました。しかし現在では、取得する必要がある物理的な計測対象物の数と多様性は、劇的に増加しています。

たとえば、Instituto Hidralico de Cantabriaの研究者は、自由表面移動センサ、歪みゲージ、超音波距離計測装置、レーザーシステムなどのセンサを統合する、画期的な油圧リサーチシステムを開発しました。これらのセンサとアクチュエータがあるため、研究者は取得したデータを結合し、後の分析と結果抽出のために、発生したさまざまなイベントを同期させることができなければなりませんでした。

計測システムの複雑さが増すにつれ、Instituto Hidralico de Cantabriaのような場所で働くエンジニアは、計測結果から洞察を得るのに十分な時間が割けなくなります。さらに、これまで信号の分析に使用されてきたツールは、断片的であったり、他の業界から借用してきたものであったり、エンジニアが検証やテストのために必要とする、技術的計測、分析、システム結果のために最適化されていなかったりというケースが多く見られます。

LabVIEW NXGの開発環境では、収集、分析、表示が必要なデータが常に存在するため、さまざまなセンサやアクチュエータの情報エンジニアリングシステムキャプチャを最大限に活用できます。この新たな体験は、データを見ることができれば、それをワンクリックでキャプチャできるという考えに基づいています。データには、信号、構成、分析結果、入力、出力(実質的に、環境内にあるものすべて)が含まれます。LabVIEW NXGでは、これらのプロジェクトキャプチャを一元化したデータ管理ペインで収集して、エンジニアリングデータのインタラクティブな管理が簡単に行えるようにします。

このデータリポジトリから、統合型データビューアを使用してデータをすばやく検索し、波形の中でも関心のあるポイントを最初に調べることができます。次に、関心のある領域をワンクリックするだけでデータをインタラクティブに分析し、計測結果からの洞察を即座に表示できます。さらに、パラメータをリアルタイムで視覚的に調整して、分析ルーチンをプロジェクト要件に合わせることもできます。

●システム開発における前提条件
○未知なるものに備える

プロジェクトは、「共通かつルーチンなものにする」という前提で始まりますが、多くの場合、一段と複雑なものになってしまいます。Muc-Offのエンジニアも、性能潤滑剤を最適化するための計測用フィクスチャ開発時、まさにこのことを体験しました。開発チームは、さまざまなスプロケット、チェーンタイプ、ギヤ比、予想パワー、スピードに合わせてリグを調整する必要がありました。リグの初期イテレーションでは、データの取得と制御に機能が固定された計測デバイスを使用しましたが、このシステムはデータを最新の状態に維持することが難しく、厳しいスケジュール内で仕事を進めていくために必要なカスタマイズ性と、ハードウェアの多様性がありませんでした。

このような問題に対処するため、LabVIEW NXGは、モジュール式ハードウェアと広範なエコシステムを含む、NIのソフトウェアを中心としたプラットフォームを基盤にしています。この柔軟なモジュール型アプローチは、プロジェクト要件の変更にも対応するよう設計されており、ハードウェア設定、初期計測、解析から効率的な開発環境への移行に役立つ、LabVIEW NXGのエンジニアリングワークフローに反映されています。これは、このシステムのユーザであるエンジニアのみがテストと計測システムをカスタマイズする場合に重要です。このカスタマイズへの移行を通じて、エンジニアはエンジニアリングの洞察、構成、分析ルーチンを維持できます。LabVIEW NXGを使用することで、一歩進んだレベルから作業を開始できるようになります。また、高度な分析、ロジック、自動化が必要な場合も、既存の作業に重ねる形ですばやく構築を行えます。

過去30年、LabVIEWを使用した何十万人ものエンジニアや科学者が、エンジニアリングタスクの抽象化によって生産性を向上させ、グラフィカルプログラミングでの直感的な機能ビューの恩恵を受けてきました。LabVIEW NXGはこのような実績をベースに、共通の開発タスクの最適化というエンジニア固有の機能を組み合わせることで、システム開発時間を短縮します。ライブのワイヤリングプレビューやエディタズームなどのインタラクションの迅速な編集から、スナップラインや新しいUI要素を備えたユーザインタフェースの開発、統合型のデバッグプローブウィンドウの使用まで、この開発環境を活用すれば、より少ないクリック操作で、プロフェッショナルなエンジニアリングシステムを開発できるようになります。

○より良い結果を得る

エンジニアリングには変化はつきものであり、その結果は、迅速かつ革新的なソリューションの推進に役立ちます。この速いペースを受け入れる唯一の方法は、別のアプローチを取ることです。つまり、エンジニアや科学者が結果に集中できるように、それぞれの状況に合わせたアプローチにすることが大切です。具体的には、現代のエンジニアで即時的な洞察と迅速なイテレーションを可能にし、ライバルを停滞させる障害を軽々と乗り越える能力をもたらすアプローチです。LabVIEW NXGは、エンジニアリングを迅速化し、世界を進歩させます。

著者紹介

Jonah Paul(ジョナ・ポール)
National Instruments
NIシニアソフトウェアプロダクトマネージャ
グループマネジャ(ソフトウェアマーケティング)

率いるチームが、NIソフトウェア製品(LabVIEWを含む)のリリースを担当。
2007年にNIに入社。アプリケーションエンジニアとして顧客サポートに従事した後、オースティンをベースとするサポートグループのマネージメントに携わる。その後、プロダクトマネジメントに移籍し、NIの組み込みソフトウェア製品のマネジメント担当に就任した。

近年は、NIの自動テストソフトウェア全体へと軸を移している。率いるチームは、顧客からの情報収集、NIのフィールドエンジニアのサポート、ソフトウェアの新製品のリリースなどに取り組んでいる。

電子工学の学士号を取得(ウィスコンシン大学卒)
(National Instruments)

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