東京都のトップレベル事業所に認定されたアット東京の省エネ対策とは?

東京都のトップレベル事業所に認定されたアット東京の省エネ対策とは?

画像提供:マイナビニュース

●20事業所が認定
東京都は、温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)において、地球温暖化対策の取組が特に優れた事業所をトップレベル事業所、準トップレベル事業所に認定している。2017年3月には、平成28年度の両事業所、計20事業所を認定したことを発表。7月21日には都庁において、小池都知事出席のもと、認定証贈呈式が行われた。

今回、トップレベル事業所の1つに、東京都のアット東京 中央第2センターが認定されている。

平成28年度に認定されたのは、トップレベル事業所の9と、準トップレベル事業所11の計20事業所。なお、認定事業所は第一区分事業所(オフィスビル、商業施設、研究施設、地域冷暖房施設等)と 第二区分事業所(工場等)に分類されている。

平成28年度のトップレベル事業所に認定された9事業所

トップレベル事業所として認定されるには、オフィスビル等であれば213項目、工場であれば352項目について多面的に評価し、項目ごとに取組状況を点数化。トップレベル事業所は、総合得点が80点以上であることと、必須項目について、評価点が0点の項目が1つもないこと。準トップレベル事業所は、総合得点が70点以上であることと、必須項目について、評価点が0点の項目が4つ以内であることが要件となる。詳細は東京都環境局のWebを参照。

今回の20事業所認定により、平成22年からの総認定事業所数は100になり、これは対象事業所の8%にあたる。東京都は今回から認定制度の認知度向上と企業の取り組み意欲向上のため、ラベリング制度を導入。認定事業者には、認定証及び記念の楯が授与されるほか、ロゴマークの利用が許可される。

認定書授与にあたり東京都の小池知事は、「今回、認定を受けられた事業所は、CO2の削減において大きな成果を挙げられた。今後も引き続きトップレベル事業所として、他の事業所のモデルとして活躍していただき、他の事業者が認定取得を目指すきっかけになればと思っている。最近は地球温暖化が注目され、国を越えて主要な都市における連携の動きもある。東京都は最大のエネルギーの消費地であり、そのため削減効果も大きい。今後もさまざまな省エネの技術を駆使して、効率のいいビル、効率のいい街づくりをみなさんと一緒に進めていきたい」と挨拶した。

●アット東京の省エネへの取り組み
アット東京は2000年に設立され、都内では4つのデータセンターを運営している。なお、同社がトップレベル事業所の認定を受けるのは、2012年度の中央センターに続いて2カ所目で、2017年度も第3センターのトップレベル事業所申請を予定しているという。

一般的なデータセンターには、コンピュータ室のサーバを稼動させるため、特高/高圧の受変電設備、非常用の発電機設備、UPS設備がある。また、サーバを冷やす空調系設備として、空調機、冷凍機、冷却塔熱源設備があり、ほかにネットワーク設備、セキュリティ設備などもある。

アット東京 技術・サービス本部 課長 三井紀生氏によれば、データセンターのエネルギーの使用量においてはUPS負荷が一番大きく、次が空調系設備の動力負荷で、以下、電灯負荷、受配電トランス損出と続くという。ただ、一番電力消費の大きなサーバ電源であるUPS負荷は使用電力の削減が難しいため、空調系設備負荷や電灯負荷、受配電トランス損出の削減が省エネにつながるという。

同社では、2000年代に設計したデータセンターにおいては、冷水温度の見直し、運転冷凍機に対しての冷却塔運転台数の見直し、空調室内機のチムニー設置、各種照明のLED化、コンピュータ室でのキャッピング化、空調機のインバータ化に取り組み、2010年代の省エネを意識して設計したデータセンターでは、フリークーイング(冬場は外気を利用した冷却)の活用、ホットアイルコンテイメントの実施、エネルギー消費の見える化(DCIM(Data Center Infrastructure Management)ツール導入)などを行ったという。

運転冷凍機に対しての冷却塔運転台数の見直しでは、それまで冷却機1台に対し、冷却塔1台という構成だったものを、冷却機1台に対し冷却塔2台という構成に変更し、冷却機1台あたりの風量を削減することで51%の冷却塔電力を削減したという。

また、コンピュータ室から戻ってきた温められた水を、冷凍機に戻す前に冷却水で直接熱交換を行うプレクール運転により、冷凍機の運転効率を最大5.6%向上できることを確認したという。

そして、DCIMの導入では、PUE値(Power Usage Effectiveness:データセンター全体の電力量をIT機器の電力量で割ったもの。1に近いほど効率的)のリアルタイムでの見える化、冷却塔運転管理、ラック負荷管理、ラック前面温度の管理が行えるようになり、省エネに対する意識向上に寄与したほか、ラック負荷と空調負荷の相関関係がわかるようになったという。
(丸山篤)

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