ロート製薬×新潟大、肝硬変を対象とした細胞製剤「ADR-001」の治験を開始

ロート製薬×新潟大、肝硬変を対象とした細胞製剤「ADR-001」の治験を開始

画像提供:マイナビニュース

ロート製薬は、新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野の寺井崇二教授と肝硬変を対象とした再生医療研究開発を進めてきたが、このたび肝硬変を対象とした他家脂肪組織由来幹細胞製剤「ADR-001」の治験を、治験責任医師・寺井教授と新潟大学医歯学総合病院にて開始することを発表した。

肝硬変は、肝臓の組織が炎症を繰り返すことで線維化し硬くなる病気である。病因は肝炎ウイルスによるものが多く、特にC型肝炎ウイルス(以下、HCV)による割合が最も多い。初期段階では自覚症状がほとんどないが、進行すると肝機能が低下し、腹部に水がたまる腹水や黄疸、脳症などの症状(非代償性肝硬変)が現れる。肝硬変そのものを治療する方法はほとんどなく、非代償性肝硬変患者に対しては対症療法のみで有効な治療方法がないのが現状で、新たな治療方法の開発が望まれている。

また、肝硬変の肝線維化改善には、コラーゲンをはじめとした細胞外基質の溶解、肝星細胞の活性化抑制、炎症反応の抑制および、肝障害の抑制に有効と考えられている。間葉系幹細胞を用いた治療効果は、細胞が産生するサイトカインや成長因子等の液性因子を介して治療効果を発揮すると考えられており、ロート製薬で製造したADR-001の構成細胞を用いたマウス肝硬変モデル、マウスNASHモデルでの検討で、肝線維化の改善が認められた。

なお、「ADR-001」は、ロート製薬が開発を進めている、他家脂肪組織由来幹細胞を構成細胞とする細胞製剤。脂肪組織に含まれる幹細胞を、動物由来のウイルス感染のリスクを考えた動物由来原料不含有で、脂肪由来幹細胞の能力を最大限に引き出す独自の無血清培地で培養している。比較的入手が容易で、他家脂肪細胞による同種移植のため、必要な患者に迅速に提供できるメリットがあるほか、投与は静脈内点滴投与のため患者への負担が少ないのも特徴。

治験の概要は、対象はC型肝炎又はNASHによる非代償性肝硬変(Child Pugh分類・グレードB)患者、目標症例数は15例、実施施設は新潟大学医歯学総合病院、治験実施予定期間は2017年7月〜2018年12月。治験参加までの流れや参加の申請などの詳細は、新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野のWebサイトに掲載されている。
(早川厚志)

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