CiRA、200万人に1人の難病「FOP」における骨化を抑える方法の発見

CiRA、200万人に1人の難病「FOP」における骨化を抑える方法の発見

画像提供:マイナビニュース

京都大学iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)は、CiRA増殖分化機構研究部門の戸口田淳也教授、同・日野恭介氏(大日本住友製薬)、CiRA未来生命科学開拓部門の池谷真准教授らの研究グループが、FOP患者由来のiPS細胞を使い、FOPの異所性骨形成のメカニズムを解明し、治療薬候補を見出したと発表した。この成果は7月31日、「The Journal of Clinical Investigation」で公開された。

「FOP」とは、筋肉や腱、靭帯などの軟部組織の中に異所性骨とよばれる骨組織ができてしまう病気で、200万人に1人程度と言われている希少難病のひとつ。これまでの研究により、この病気はACVR1という遺伝子の突然変異がおこり、そこにアクチビンAの刺激が加わると異常な骨形成シグナル(BMPシグナル)が伝わって異所性骨化が生じることがわかっていた。

研究グループは今回、FOP-iPS細胞を用いて化合物を探索するハイスループットスクリーニングシステムを構築し、アクチビンAによって引き起こされるシグナルがどのように伝達されているのか調べるとともに、その治療薬候補の探索を試みた。

アクチビンAの刺激からなぜ異所性骨化が生じるのか、その分子メカニズムを解明するとともに、治療薬候補を探索するために、FOP患者由来の細胞から作ったiPS細胞を利用し、ハイスループットスクリーニングを実施した。約7,000の化合物をスクリーニングし、mTORシグナルが重要であることを突き止めるとともに、異所性骨化のモデルマウスでもmTORシグナルの重要性を確認した。さらに、ACVR1変異とmTORシグナルを結びつける分子として、ENPP2を同定した。

今回の成果により、FOPにおける異所性骨化は、アクチビンAが変異型ACVR1に作用し、ENPP2というタンパク質が作られ、mTORのシグナルを活発にすることが原因であるという分子メカニズムが明らかになった。研究グループでは、異所性骨化を抑える薬剤としてmTOR阻害剤であるラパマイシンが有効である可能性が示されたと説明している。
(早川厚志)

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