東大とライザップ、胃がん手術前後の運動に関する臨床試験を開始

東大とライザップ、胃がん手術前後の運動に関する臨床試験を開始

画像提供:マイナビニュース

東京大学医学部附属病院は、同院22世紀医療センター 肥満メタボリックケア(社会連携講座)が、東京大学とライザップとの共同研究として、臨床試験「運動・栄養介入による胃癌周術期のサルコペニア予防効果に関するランダム化比較試験」を9月より開始することを発表した。

加齢などに伴って骨格筋量の低下する「サルコペニア」は、身体機能の制限、骨折転倒リスクの増加からさらなる身体活動の低下を引き起こし、近年の社会的課題となっている。消化器がん手術では、サルコペニアの存在が術後の合併症を増加させたり、化学療法の治療成績を低下させたりするため、がん治療において軽視できない問題となっている。特に胃がん術後は食事量が減少するため、体重減少やサルコペニアの発生率は高く、術後の生活の質や治療の継続性に直結する。

胃がん手術ではこれまで様々な再建術式の考案や術後補助栄養食品の投与などが臨床 試験として行われてきたが、十分な効果は得られていない。一方で、サルコペニアの治療としては、蛋白質の摂取や筋肉トレーニングの重要性が近年示されるようになり、 手術前の運動・栄養介入が術後の合併症を軽減させる可能性が指摘されている。

今回の臨床試験は、胃がん手術の前後に筋肉トレーニングを中心とした運動および蛋白質の適切な摂取により、サルコペニアや術後の合併症を予防できるかを検証することを目的としたもの。東京大学医学部附属病院 胃・食道外科にて胃がん手術を受ける65歳以上80歳以下の高齢者を対象に、ランダム化比較試験として行われる。

対照群に割り付けられた場合は通常通り手術を受けるが、試験群に割り付けられた場合は、手術の前後に運動トレーニングと補助栄養食品摂取を行う。トレーニングはトレーナーによる個別指導のもと、参加者の体力に合わせて週2回実施する。術後のサルコペ ニアの有無や治療経過、血液検査所見などを解析し、その妥当性を検証する。手術などの胃がん治療に関しては対照群とまったく同一の内容を行い、保険診療として行われる胃がん治療以外の臨床試験に関しては、参加者の費用負担はない。

試験参加者の募集開始は9月1日が予定されており、試験の計画にて定められた基準を満たした人のみが参加できる。なお、東京大学医学部附属病院での手術治療を受けることが前提となる。ただし、運動栄養療法を実施する試験群と実施しない対照群はランダムに割り振られるため、試験に参加したからといって必ずしも運動栄養療法を受けられるわけではない。

なお、胃がんと診断されている患者は、診療情報提供書(紹介状)があれば、誰でも同院を受診できる。受診にあたっては、東京大学医学部附属病院 胃食道外科、乳腺内分泌外科ホームページ、または東大病院ホームページを参照のこと。
(早川厚志)

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