富士フイルム、従来の1%の化学物質量でも皮膚感作性試験が可能な新手法開発

富士フイルム、従来の1%の化学物質量でも皮膚感作性試験が可能な新手法開発

画像提供:マイナビニュース

富士フイルムは、従来方法と比べて約1/100の化学物質の使用量でも高精度に皮膚感作性を評価できる皮膚感作性試験代替法「Amino acid Derivative Reactivity Assay(ADRA)」を開発したと発表した。

皮膚感作性とは、皮膚と接触した化学物質によりアレルギー反応が誘発され、炎症(かぶれ)を引き起こす現象。新規化学物質などの安全性評価のために行われる皮膚感作性試験では、従来、モルモットやマウスなどの実験動物が用いられていたが、近年では動物実験の「3Rの原則」の推進から、実験動物を使用しない新たな試験方法の開発が進められている。

現在、皮膚感作性が起こる過程のひとつである、化学物質とタンパク質の結合を評価する試験では、タンパク質の代わりとなるペプチドを反応試薬に用いた皮膚感作性試験代替法「Direct Peptide Reactivity Assay(DPRA)」が一般的に用いられており、ペプチドと化学物質を混ぜた反応液の中で結合せずに残ったペプチドを紫外線の照射により検出することで皮膚感作性を評価している。しかし、「DPRA」はペプチドを検出する感度が低いため化学物質とペプチドを大量に調製する必要があるほか、高濃度な溶液となることから、調製時に化学物質が析出するケースや、調製後に反応液を分析する際にペプチドと一緒に化学物質が溶出するケースがあり、試験を行うことができない、という課題があった。

「ADRA」では、紫外線による高感度検出が可能なナフタレン環を有した新規アミノ酸誘導体を反応試薬に用いることで、化学物質の使用量を大幅に低減。従来方法の約1/100でも皮膚感作性試験を可能とし、反応液中でも化学物質が析出することなく、皮膚感作性を高精度に評価することができる。さらに、同手法では、医薬品に使用されているサリチル酸など、従来方法では反応液を分析する際にペプチドと化学物質が溶出して試験が困難であった化学物質でも評価することが可能となり、幅広いユーザーニーズに対応するという。

なお、皮膚感作性試験代替法としての妥当性を検証するバリデーション試験では、さまざまな状況下でも試験結果が一定であることが示され、従来方法よりも精度が高いことが実証された。同試験の結果は、11月23日〜25日まで開催される日本動物実験代替法学会にて発表される予定となっている。今後、同社は、「ADRA」のOECD(経済協力開発機構)テストガイドライン収載を目指すということだ。
(シマダマヨ)

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