5G/IoTは半導体/自動車業界に何をもたらすのか? 第4回 5Gで花開くイメージセンサ市場戦略

5G/IoTは半導体/自動車業界に何をもたらすのか? 第4回 5Gで花開くイメージセンサ市場戦略

画像提供:マイナビニュース

IHS Markit 主席アナリストの李根秀氏 (提供:IHS Markit提供)

IHS Markit主催の「IT/5G産業分析セミナー」において、IHS Markit テクノロジー・メディア・テレコム部門主席アナリストの李根秀氏は、「5Gで花開くセンサ&イメージング市場−ポストスマホ時代の戦略」と題して講演し、「今後、イメージセンシングのB2Cビジネスは飽和(スマートフォン向け)あるいは衰退(スマートフォン以外の民生機器)に向かっており、代わりに人間の目が見るのではなく、人間に頼らず機械が見る「マシンビジョン」を扱うB2Bが急速に伸びていく」との見解を示した。

IHS Markitは、イメージセンサの企業別マーケットシェア(2016年)を、ソニー45%、Samsung Electronics21%、中Omnivision12%, ON Semiconductor7%、そのほか15%と推定している。市場規模(2016年)は総額97億7900万ドル(約1兆円)である。

マシンビジョン市場は、2016〜2021年累積で4049万台、2017年に限れば588万台と推定される。マシンビジョンは検査や選別など、さまざまな産業分野で活用が進んでいる。

IHS Markitでは、マシンビジョンの活用が進む15の産業分野を特定しているが、それ以外の分野も20%を占めている。マシンビジョン市場で最大の分野は「食品飲料検査」で、2017年の出荷台数は81万台と推定される。次いで自動車工場、半導体・電子業界、交通・運輸と続く。ロボットは、年間平均成長率が21%ともっとも成長率の高い分野である。マシンビジョン市場は、金額ベースでは、2018年に40億ドルに達し、2021年には50億ドルを超える見込みである。

今後、急成長が予測されるイメージセンサの用途について李氏は、ドローン、マルチスペクトルカメラ、車載カメラを上げて以下のように説明した。

ドローン:イメージセンサのドローンへの搭載が注目される。2016年のドローンの出荷台数は340万台だったが、毎年30%を超える伸びで成長し、2020年には1000万台を突破する。長期予測では、2030年まで年平均成長率16.5%と依然高い成長が見込め、2030年には2500万台に達するだろう。このうち、プロフェッショナル用ドローンのシェアは、10%(2016年)、30%(2020年)、50%(2030年)と急増していくだろう。

マルチスペクトルカメラ:2019年からマルチスペクトルカメラ(MSC)の出荷が始まると予測される。今後、年平均成長率174%と非常に高い成長が見込まれており、2023年100万台、2024年200万台、2025年400万台超と予測される。農業、食品検査、ドローンが3大応用分野である。医療や美容も潜在的な応用分野であろう。

車載カメラとADASセンサ:車載カメラ市場は2016年に初めて5000万台を超えた。2020年には2倍の1億台へと成長するだろう。そして2022年には1億5000万台に達するだろう。年平均成長率は、19%と予測される。

また、レーダーは、年平均成長率28.5%で2022年に4970万台に達するとするほか、LiDARは同32.3%で成長し、2022年には900万台に達するとする。そのほか、赤外線カメラは、同14%で成長し2022年に40万台に達し、先進運転支援システム(ADAS)用画像認識カメラは同21.7%で成長し、2017年に1000万台、2021年には2000万台を超える見通しだという。さらに画像認識カメラの価格は2016年に100ドルを切って以降、2019年に80ドルを切り、2021年には60ドルになるとした。

なお李氏は、最後に「長期的には、自動車1台当たりカメラ10台の時代が来るだろう。長期的には、車載カメラ年間10億台と、スマホ用カメラ市場の半分ほどの市場規模に成長することが期待される。これは、スマホへのカメラ投入率の実績に劣らぬスピードである」と述べた。
(服部毅)

関連記事(外部サイト)