「違和感のある広告案件はすぐにバレる」/若年層向けマーケティングを進める企業が持つべき姿勢とは?

 長らく「若者の街」渋谷のシンボルとして若年層に支持されてきたファッションビル「SHIBUYA109」。運営会社の分社化にともなって設立されたSHIBUYA109エンタテイメントは、「SHIBUYA109 lab.」を立ち上げ、若年層向けマーティングに特化した取り組みを進めている。今回は、同事業に携わる同社2人への取材から、現在の若年層の動向や若年層をターゲットにする企業が持つべき姿勢について聞いた。

■「若者」に特化した事業を展開

――はじめに、お2人が現在担当されている領域と業務内容を教えてください。

澤邊:オムニチャネル事業部とマーケティング戦略事業部の2つの部署に所属しています。前者では施設やECの運営、オムニチャネルの推進の責任者を務め、後者では広報、ブランディング、SHIBUYA109のSNS・オウンドメディアの運用ならびにマーケティング全般を見ています。

長田:マーケティング戦略事業部で、マーケティングに関係する若者の情報を収集・発信する「SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)」の所長を務めています。具体的な活動としては、SHIBUYA109に訪れる若者への定性調査が主です。月に約200人の若者に対して取材を行っています。

 また、週に1回5人ほどの若者に来てもらって、グループインタビューも実施しています。こうした収集したデータは、社内での共有のほか、若者をターゲットとした企業にも提供しています。
(写真左)株式会社SHIBUYA109エンタテイメント オムニチャネル事業部 MDプランニング部 担当部長
兼 マーケティング戦略事業部 マーケティング戦略部 担当部長 澤邊亮氏
(写真右)同 マーケティング戦略部 兼 「SHIBUYA109 lab.」所長 長田麻衣氏

――御社が「若者マーケティング事業部」を立ち上げた経緯を聞かせてください。

澤邊:元々弊社は、SHIBUYA109の運営会社 東急モールズデベロップメントの分社化にともなって、2017年に設立した会社です。商業施設の運営会社からエンタテイメントに特化した企業へ変わっていく中で、「若者1人1人が夢を持ち、もっと輝いて欲しい」という思いから、ブランドステートメントとして「Making You SHINE!」を掲げました。

 施設の運営自体は継続して行っていますが、若者を応援していくためには、まずは彼らをよりよく知る必要があります。そこで、2017年4月の会社設立と同時に、SHIBUYA109としては初めてマーケティング機能を持った部署を設置。続く2018年に、「SHIBUYA109 lab.」の活動を開始しました。

――ちなみに御社では、具体的にどの年代を「若者」として捉えていますか?

長田:「around20」と呼ばれる、15〜24歳までの若年層と考えています。先ほど紹介した定性調査以外にも、彼らの日々の動画視聴やアプリの利用実態もリサーチしています。

■SNSアカウント=自己表現の場

――普段から若者に接している長田さんから見て、現在の若者にはどういったインサイトがあると思われますか?

長田:ファッションブランドへの執着は薄まってきているように感じますね。これまでは特定のブランドを着ることでアイデンティティーを確立するような若者が多く、「ブランド=自己表現」となっていることが多かったように思います。ところが現在では、ファストファッションの台頭もあり、その日の気分によって自由にファッションのスタイルや身につけるブランドを選ぶ傾向が強まっています。

 また、自己表現の場も今やSNSが中心です。以前、「SHIBUYA109 lab.」で行った「高校生・大学生の『春の新生活』に関する調査」では、自己紹介代わりに見せるSNSアカウントとして、「LINE」「Instagram」を挙げる声が多くありました。SNSアカウントを見れば、その人の属性だけでなく、興味関心のあるコンテンツや熱狂しているものが把握できるようになっています。

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