究極の購買体験は“人”が関与して生まれる/コメ兵 藤原氏が考える「デジタルの使い所」とは

 Patheeの原嶋宏明氏が業界キーパーソンを訪ね、「リアル店舗におけるデジタル施策」や、これからの「リアル店舗の役割」について意見を交わしていく本連載。今回は、ブランド品を中心としたリユース事業を展開する、コメ兵 藤原義昭氏の元へ。モノではなく「体験」を提供することで、顧客との長期的な関係性を築くことを意識しているという、同社の取り組みを取材した。

■店舗接客で新しい「気づき」を提供する

原嶋:コメ兵はリユース業界のなかでも「ブランド品」を取り扱っていることが特徴だと思うのですが、購買フローとしては、どのようなものを理想とお考えですか?

藤原:コメ兵では、ブランド品の「販売」と「買取」、2つの事業を行っています。「販売」のほうにフォーカスすると、僕たちはモノを作っているわけではなく、既に世にあるモノを再販しているわけなので、当然、お客様は「社名軸」では入ってきません。多くの人は、ブランド品の購入を検討した際にネットで検索し、初めて「コメ兵」にたどり着くのではないでしょうか。
株式会社コメ兵 執行役員 マーケティング統括部長 藤原義昭氏

藤原:そのため、一番始めの接触は圧倒的にデジタルが多いですね。カスタマージャーニーで言うと、まず当社が運営しているメディアやECを見てもらうことで、コメ兵の「人となり」というか「会社となり」をわかってもらって、その上で店舗に来ていただくのが理想です。

原嶋:ECも展開されているわけですが、購買は店舗が理想ということでしょうか?

藤原:はい。もちろんECでそのまま買っていただいても良いのですが、できれば店舗に来ていただきたい。というよりも、接客を受けていただきたいですね。

 なぜなら、たとえば店舗に来る前に「ルイ・ヴィトンのこのバッグが欲しい」と思っていたとしても、店員と話して「求めているデザイン」や「使うシーン」などを検証していくうちに、「私が本当に欲しいのは、ルイ・ヴィトンのこのバッグじゃなくて、エルメスのこのバッグだ!」と気づくことがよくあるからです。

 この「本当に欲しかったのは、これだったんだ」という「気づき」を与えることは、お客様に「モノ」ではなく「体験」を売るということです。こうした体験を提供することができれば、ただモノを売るというよりも、もう少し深いところでお客様との関係性を築くことができます。そして、次も選んでもらえるお店になる。そういうのが、理想ですね。

■全体の70%が「店舗」での売り上げ

原嶋:確かに購入した後で「これ使うタイミングないな……」と気づくのは、体験としてはマイナスですよね。「本当に求めている商品が見つかる」というのは、究極の購買体験かもしれません。

 先ほど一番初めの接点は「検索」からとのことでしたが、どの経路からの流入が多いのでしょうか?
株式会社Pathee ソリューション事業部 原嶋宏明氏

藤原:SEOやリタゲなど色々やってはいますが、コメ兵では、時計やブランドバッグの専門メディアも運営しているので、そこから来てくださる方が多いですね。時計の専門メディア「トケイ通信」は、今ではコーポレートサイトよりPVが多いんですよ。いいメディアに育ちました。

原嶋:「トケイ通信」の記事は、読んでいて制作者の時計愛がすごく伝わってくるのがいいんですよね。デジタルで接点を持ち、店舗接客を経て、購入に至るという流れが理想ということですが、実際のところ、ECと店舗、どちらでの購買が多いのでしょうか?

藤原:店舗が多いですね。全体の70%ほどでしょうか。EC関与売上(店舗への誘導など、店舗売上に対するデジタルの貢献度を示す指標のこと)は全体売上の30%ほどで、そのうち約60%は「取り寄せサービス(ECに掲載されている商品を近くの店舗に取り寄せられるサービス)」を介した購買となります。そのため、純粋なEC売上は全体の20%ほどでしょうか。

原嶋:やはり、購買は店舗がメインなんですね。

藤原:はい。もちろん施策としても、店舗でCVが起きるよう、広告のキーワードなどを工夫したりはしています。

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