視聴データの進化が可能にするテレビのデータドリブン パネル調査型データからメディア統合型DMPまで

 テレビの視聴データが急速に整備され、デジタル広告と同じようにテレビCMの効果を測定したり、プランニングしたりできるようになる未来が近づいてきました。本記事では、テレビの視聴データを「パネル調査型データ」と近年成長著しい「実数型データ」に分けて長所と短所を整理し、後者の実数型データをDMPと組み合わせて利用する方法とその課題を掘り下げて解説します。

本記事を読むと、テレビCMの視聴状況を機器単位ではなく人単位で「実数型データ」として把握できる50万件の調査パネルを開発したNTTドコモとインテージの対談記事がより深く理解できます。

■テレビの視聴データがそろいつつある

 テレビはデジタルと違いプランニングや効果測定のためのデータが足りないと言われ続けてきました。しかし、現在はGRPといった視聴率データだけでなく、マーケティングに必要な様々なデータがそろいつつあります。

 まずはデジタルメディアが、テレビCMから広告予算をスイッチさせるべく、テレビ視聴データのマーケティング活用を先行して進めてきました。次に広告主が、自分たちの広告費を効率的に使うため、商品ターゲットにテレビCMがどれたけ到達したかをトラッキングし始めました。遅れて、テレビメディアもデジタルメディアへのディフェンスを意識し、テレビ番組の価値を証明するデータを整備し始めています。

■テレビ視聴データは2種類ある

 現在、テレビ視聴データには、パネル調査型データと実数型データの2種類のデータが存在しています。それぞれのテレビ視聴データには、一長一短があり、広告主やテレビ局、広告代理店それぞれの立場での解決したい課題に応じて、使い分けていく必要があります。その特徴は下記のように整理できます。

●(1)パネル調査型データ
 <代表的なデータ>

ビデオリサーチ:テレビ視聴率、CUBIC
スイッチ・メディア・ラボ:SMART
インテージ:i-SSP

 <データ取得方法>

調査対象エリアを設定し、サンプリング手法で協力モニターを依頼。
モニター宅に、調査機器を設置し、テレビ視聴実態を計測。

 <特長>

個人の視聴実態を把握できる。
測定対象個人のプロファイリング情報がリッチ。
性別・年代だけでなく、趣味嗜好まで把握し、テレビ視聴を分析できる。

 <課題>

サンプルサイズが少なく(数千〜数万)、増やすにはコストがかかる。
調査エリアが限定される。
デジタル広告や購買実態と重ねて分析すると、対象サンプルが出現しにくい場合がある。

●(2)実数型データ
 <代表的なデータ>

インテージ:Media Gauge
CCCマーケティング:Market Watch
テレビメーカーによる視聴ログデータ

 <データ取得方法>

インターネットに接続されたテレビ機器や録画機から、マーケティング利用許諾を得たデータを、インターネット経由で収集(スマートテレビ視聴ログ)。

 <特長>

サンプルサイズが大きい(数十万〜数百万台)。
全国を網羅でき、エリア別に細かく見られる。

 <課題>

機器単位のデータであり、誰が見たかわからない。
プロファイリング情報がほとんどない。
推計で個人視聴に分解する試みもあるが、人単位のデータとしては精度に難がある。

 ただ、上記に挙げた視聴データだけでは、現在テレビメディア計測が抱えている課題の解決には不十分な場合が多いです。「このテレビCMは本当に購買に効いているのか」「この枠は、ブランドターゲットに届くCM枠なのか」などの課題が多数存在しています。

 また、広告主が行うメディアプランニングは、テレビだけで終わることはまずありません。テレビとデジタル、テレビとOOHといったメディア横断でプランを立てる統合型マーケティングを行うのが通常です。これらの課題解決に必要なテレビ視聴データには、視聴者のプロファイリング情報が豊富で、購買実態などの実行動で視聴分析が可能であり、さらにはテレビ以外のメディアとデータ連携できる、といった条件が必要となってきます。

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