COCOAもオリパラも! 官製アプリがダメダメな理由

官製アプリがダメダメな理由 「COCOA」も「オリパラアプリ」も批判続出

記事まとめ

  • 厚生労働省の新型コロナウイルス接触確認アプリ『COCOA(ココア)』が炎上案件に
  • "不具合放置プレイ"が数ヵ月も続いたことの背景に、孫請けの問題があるとも
  • 『オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ(仮称)』は「機能盛りすぎ」と指摘

COCOAもオリパラも! 官製アプリがダメダメな理由

OSや機種により表示もバラバラのCOCOA。メジャーなゲームやエンタメアプリではありえない残念な仕様だ

昨年6月から厚生労働省が配布している新型コロナウイルス接触確認アプリ『COCOA(ココア)』。そのAndroid版が昨年9月から感染者との「接触通知」を発信していなかったことを、2月3日に厚労省が発表し、当然のごとく炎上案件に!

まさかの"不具合放置プレイ"が数ヵ月も続いたことの背景には、COCOAのアプリ開発における孫請けの問題があるとも指摘されているが、ITジャーナリストの三上 洋氏はこう語る。

「本来なら1社で開発・運営を行なうのがベストですが、COCOAのような急な発注スケジュールで開発できるIT企業は日本にはありません。それに、孫請けそのものは悪いことではなく、建築業界などでは一般的。問題なのは孫請けする会社の役割分担と、それを総合的に監督・チェックできる体制があるかどうかなんです。

例えば【接触通知のトラブルならA社が担当】【各社端末の実機テストはB社が担当】というように、どんなアプリ開発においても普通は役割を明確にします。今回はこの役割分担において【実地テスト】【動作確認】の部分が欠けていたか、あるいは不十分だったのです」

では、COCOAの運営ではどこがその役割分担を行なうのが最適解だったのか?

「本来、役割分担を担当すべきは発注元である厚労省です。しかし、これができるほどITに明るい人材が厚労省にいなかった。それを解消するため、内閣官房のIT総合戦略室(IT室)の専門家チームにより運営することが2月18日に決定しました。

彼らの任務は専門家の視点でアプリを監督・運営することですからCOCOAに関しては安定していくでしょう」

そんななか、官製アプリ批判の"新燃料"として投下されたのが、『オリンピック・パラリンピック観客等向けアプリ(仮称)』だ。

五輪参加選手や来日外国人に配布すべく、6月に完成予定というこのアプリ。2月17日の衆議院集中審議で明らかになった開発費は、なんと約73億円! COCOAの開発費約3億9000万円をはるかに上回る額だ。

仕様書をチェックした三上氏の感想は?

「とにかく機能を盛りすぎです。【デジタル査証連携】【顔認証】【各種健康管理】【GPS位置情報収集】などなど......これを全部実現できたらスーパー神アプリですが、6月までに完成させるなら機能を絞るしかありません。

例えば、香港では入国者に対して【接触通知・隔離】に特化したアプリを配布し、それがしっかり機能しています」

"盛りすぎ問題"により、COCOAの二の舞いになる恐れもあるという。

「仕様書には外務省、入管、税関、厚労省のシステム連携が必要と書かれています。これだけ組織が関われば、いち省庁のミスでアプリ全体が不具合を起こすリスクが高く、実施テストや動作確認の面でも短期間の開発は不可能です。

IT室が省庁を横断して指揮し、外国人の健康管理に絞った単機能アプリにすべきです。現状では"税金のアプリ課金"という笑えない無駄遣いが続くでしょうね」

誰得感が強めの官製アプリ。不安も盛りすぎです!

取材・文/直井裕太

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