理研と阪大、体の大きさの進化法則を発見 ショウジョウバエで実証

理研と阪大、体の大きさの進化法則を発見 ショウジョウバエで実証

体の大きさの進化法則を発見

理研と阪大、体の大きさの進化法則を発見 ショウジョウバエで実証

動物のサイズを決めるモデル(写真:理研の発表資料より)

 種や個体によって異なる体の大きさ。決定メカニズムについては多くの謎が残るという。理化学研究所(理研)は25日、最終的な体の大きさを決定する要因に、生殖可能な状態へと変化する際の体のサイズが大きく関与することを明らかにしたと、発表した。ショウジョウバエを使い、実証されたという。

【こちらも】オサムシの大きさの進化は餌のサイズで決定、北大の研究

■複雑な成長メカニズム

 体の大きさは、動物の機能にも影響を及ぼす。遺伝子レベルで進化や生物のメカニズムを研究する分子遺伝学は、細胞や器官の成長をコントロールする仕組みを明らかにしてきた。だが、体の大きさは死を迎えるまで成長し続けるのではなく、途中で停止するなど複雑な機構が備わるため、多くの謎が残るという。

 成長の停止は、幼体から生殖可能な成体へと質的変化を起こすホルモンによって生じる。ヒトの場合は思春期を生み出す性ホルモン、昆虫には変態を始めるホルモンが、動物の幼体が特定の大きさ(臨界サイズ)に達したときに分泌されるという。ヒトの場合には体重がホルモン分泌のスイッチになることが判明するなど、成長の停止が最終的な体の大きさに大きく関与することが近年疑われている。

■進化しても保存される法則

 理研と大阪大学の研究者から構成されるグループは、臨界サイズと最終的な体の大きさとの関係を示す数学的理論に基づき、個体を用いて実証を試みた。異なる環境下での同種の個体ですでに実証されていたが、今回近い種のあいだでも成り立つかの検証が行われた。成体の大きさが異なる9種のショウジョウバエを用いたところ、臨界サイズと最終的な体の大きさとのあいだに比例関係が成立することが示された。

 比例関係は異なる種のあいだでも共有されているという。研究グループが今回実験に用いたのは、幼体、蛹、成体と3形態をとる完全変態昆虫だ。今後は、生物のサイズの進化に関する普遍的な原理の発見に努めるとしている。

 研究の成果は、米オンライン科学誌iScienceにて10月25日に掲載された。

(角野未智)

関連記事(外部サイト)