AI活用しトンネル工事の施工計画時間を大幅短縮 業務自動化へ 名工大ら

AI活用しトンネル工事の施工計画時間を大幅短縮 業務自動化へ 名工大ら

施工計画支援AIによる掘進計画出力画面(画像: 名古屋工業大学の発表資料より)

 産業における業務を最適化して計画を立てる上では、制約条件が複雑で最適化する要素自体も様々なものがある。例えば、清水建設が行っているトンネル工事では、約80メートルの区間の堀進計画を立てるだけでも1週間程度かかっていた。名古屋工業大学の研究グループは19日、清水建設と共同で開発・検証を行なってきた施工計画支援AIについて、414メートルのトンネル工事の堀進計画を、わずか25分で導き出すことに成功したと発表した。

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 上記のようなトンネル工事に限らず、業務の最適化においては考慮すべき変動要素の数、つまり次元数が極めて大きい。それに加えて、変動要素の数値が連続的であるものと離散的であるものが混在していることが多く、制約条件も複雑である。そのような大規模な最適化において、実際の業務最適化に則した複合的な問題についてはほとんど調査が進められてこなかった。

 そこで今回の研究では、まず粒子群最適化と呼ばれる計算アルゴリズムを、離散変数も扱えるように改良。その上で複数の制約を考慮しながら、各要素の協調を高度に融合させた計算システムによって施工支援AIを開発した。

 施工支援AIは、シールド堀進をゲームに見立てて堀進軌跡誤差などを点数付けし、どのようにすれば高得点が獲得できるかを学習する仕組みとなっている。その結果、熟練のシールド技術者をはるかにしのぐ速さで堀進計画を立案することができるようになった。

 今後は、清水建設が開発する堀進操作支援AIと統合することで、次世代型トンネル構築システムを完成させる方針だ。自動測量システムとのデータ連動が進むことでさらに生産性向上が可能になり、施工自動化にもつながる。

 また今回の研究で開発された計算システムは、他分野への水平展開も期待される。例えば物流業務や生産計画、人員配置の最適化などに適用されれば、より産業の自動化を進めることができる。

 今回の研究成果は、2020年1月の人工知能国際会議IJCAI-2020ワークショップにて発表されている。

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