【新着!防犯トレンド】五感とAIを搭載した監視カメラがもたらす未来

【新着!防犯トレンド】五感とAIを搭載した監視カメラがもたらす未来

アースアイズの代表取締役・山内三郎氏。防犯ロボット「アースアイズ」は、同氏が設立したリテールサポートで提供している万引き防止システム「サブローくん」シリーズをベースに進化させた製品となる(撮影:防犯システム取材班)

 防犯&セキュリティ関連の最新トレンドから特に気になる話題に注目し、関係者にインタビューをする本企画。今回は世間的にも注目を集めている「AI」を、監視カメラに組み込んだ防犯ロボット「アースアイズ」を発表したアースアイズの代表取締役・山内三郎氏に製品コンセプトからビジネスモデルまで話を伺ってきた。

 近年、監視カメラ業界における技術の進歩にはめざましいものがある。スマホやタブレットで遠隔監視ができるものから、ほぼ真っ暗闇の中でもカラーで撮影ができるもの、画像解析技術と組み合わせて、映像に映り込んだ人物の性別や年齢を識別できるもの、さらには犯罪やテロを企む人間の心理状態を可視化してしまうものまで世に出ている。

 そんな中、2015年10月に発表されて以降、筆者が注目してきた製品の1つが防犯ロボット「アースアイズ」だ。注目した理由としては、人間で言うところの五感に相当するセンサーを監視カメラに搭載し、さらにセンサーが収集したデータをAIにより、解析できる点にある。

 これまでの一般的な監視カメラを人間に例えるなら、目(カメラ)でのみ監視していたことになるが、同製品は、耳(マイク)や鼻(ニオイセンサー)、口(スピーカー)、触覚(温湿度センサー)、それらの情報を分析する脳(AI)で監視することになるわけだ。

 そしてそれだけの機能を有しているにもかかわらず、本体の市場想定価格は1台10万円を切る設定となっており、一般的な監視カメラの相場を考えるとかなり安い印象を受ける。

●犯罪者を生み出さないカメラへ

 そんなオリジナリティ溢れる製品の基本コンセプトを山内氏に聞くと、「録画機器としての意味合いが強かった監視カメラを、予防・抑止を実現する認識装置として位置づけ、最終的には犯罪者を生み出さない防犯ロボットにしていきたい」と答える。

 すごく壮大な理念にも思えるが、山内氏の考え方はロジカルだ。まず、現在の監視カメラの主流は、映像による監視を主目的にして、そこから発展した映像解析技術が進化を見せている。しかし、アースアイズが新しい点は、既存の主流であった映像解析に加えて、各種センサーによる音、ニオイ、温湿度(※ニオイと温湿度は今後搭載予定)などのAIの判断材料となる情報を増やすことで、映像解析技術をより客観的で、判断ミスの少ないものにできるという点にある。

 例えば、既存の監視カメラでも音の収集はできたが、アースアイズでは、音の解析機能を有しているので、どの方向から音が鳴ったのか、どんな種類の音なのか(車のブレーキ音、破裂音、人の悲鳴)なども分かるため、設置場所で今、何が起きているかをより正確に把握することができる。今後搭載が予定されている臭気センサーも、使い方によってはガス漏れや火事の発生をより早い段階で把握できたり、温湿度センサーなら室内における熱中症予防なども行える。

●使えば使うほど進化する防犯ロボット

 そしてビジネスモデルにも触れる部分だが、アースアイズは本体の購入に加えて、月額制(金額は未定)のクラウドサービスを合わせて運用するモデルとなる。

 月額制というと、ランニングコストがかかってしまう点が気になるが、アースアイズのクラウドサービスは、いわゆる映像録画のためだけにあるわけではないという。

 アースアイズ自体にさまざまなセンサーを搭載していることから、それらの情報を収集するクラウドでは、大量のデータから情報を解析して網羅的な情報を抽出する技術「データマイニング」が可能となる。例えば、顔認証データをデータマイニングすることで、より誤検知が少ない運用が可能となり、不審な挙動の検知もデータが蓄積されればされるほど、より正確で、多様な挙動の検知が可能となる。

 つまり使えば使うほど、より運用に適したデータを取得できる点は、純粋にストレージの利用料として月額で支払うよりも付加価値の高いものといえる。

●シリーズ展開も順次スタート

 今後の製品展開としては、「アースアイズ」シリーズの第1弾となる店舗・施設向けの「アースアイズ ee1-R/-RF」、一般・屋外向けの扉つけ型「アースアイズ ee1-HD」、同窓つけ型の「アースアイズ ee1-HW」の4製品を10月下旬より予約受注分から納品予定。

 今後の「アースアイズ」シリーズの展開に注目したい。

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