女性SEが「NEW SI」をけん引 「kintone girls」が新事業立ち上げを主導――JBCC

女性SEが「NEW SI」をけん引 「kintone girls」が新事業立ち上げを主導――JBCC

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JBCCがサイボウズの業務アプリケーション構築クラウドサービスで「kintone」を活用したシステム開発に力を入れている(週刊BCN1760号で一部既報)。顧客層を広げるとともに、SI事業の収益力を高めるのが主な狙いだ。持ち株会社のJBCCホールディングスはこれを「NEW SIビジネス」の一つとして中期経営計画における注力領域に位置付ける。そして、女性SEを中心に結成されたバーチャル組織「JBCC kintone girls」がこの新しいシステム構築手法を強力に推進している。
 高浜祐二・SI事業部東日本第二SI本部本部長によると、JBCCとサイボウズの取引は15年以上前にあたる大企業向けグループウェア「Garoon1.0」の時代からで、ファーストユーザーでもあり、最新バージョンを検証したり、クラウド対応を検証したりもしてきたという。しかし、kintoneについては「SaaSのイメージが強く、SIerの出番はないと思っていた」(高浜本部長)。
 その一方で、SI事業の課題解決にkintoneを生かせるとも思い始めたという。従来の基幹系業務システムなどのSI案件は、発注元がIT部門であるケースがほとんどで、各業務部門の声を直接聞く機会は少ない。しかし、kintoneを業務部門向けアプリ開発の道具として使えば、SIビジネスの裾野を広げることができる。高浜本部長は「サイボウズも基幹系システムとの連携を図るなど、カスタマイズ力のあるパートナーを探し求めており、案件も豊富であることが分かった」と説明する。そうした経緯があり、JBCCは昨年初頭にkintoneの扱いを本格的に始めた。
 JBCC kintone girlsの中心メンバーであるSI事業部の近藤綾華氏は、「総務や人事などの方が無料で試しにkintoneを使っているうちに、『こんなことをしたいが、どうしたらいいのか』や『他のサービスと連携できないか』などと相談にくるようになった」と話す。期待通り、各業務部門からの引き合いが増えてきたという。売り上げにつながってきたことで、営業部門もkintoneベースのシステム案件獲得に力を入れるようになった。
 これまでの基幹系業務システムの案件に比べると小規模なものが多く、1件当たりの売り上げが小さいという課題はあるが、それだけでは計れないkintoneを扱う大きなメリットも顕在化しているという。kintoneをきっかけに、例えば会計など業務システムのリプレース時期をいち早く知り、案件獲得につなげられるほか、「基幹系業務システムの開発に携わるSEに、顧客とコミュニケーションを取りながらスピーディーにシステムを作り上げていく新しいSI体験をさせられることも大きい」と高浜本部長は語る。
 最初に社内でkintoneに関心を持ち、kintoneを活用したシステム開発案件に積極的に手を挙げたのは、女性エンジニアが多かった。近藤氏はその一人で、「これまでのSIとは異なり、違うことが起きる」と、ワクワクしたという。こうした人材が中心になってJBCC kintone girlsを結成した。メンバーは、実案件もこなしながらkintoneに関する知見を蓄積し、kintoneの可能性について広く啓発活動を行ってきた。結果、JBCCのkintoneビジネスの社内外におけるプレゼンス向上に貢献した。現在では、JBCC kintone girlsのようなコミュニティーが首都圏以外の事業所でも立ち上がっているという。
 18年に手がけたkintone関連の案件数は年間60件程度。直近では、サイボウズと共同でkintoneの活用事例のコンテストなども開催し、ここで出てきたアイデアを横展開して顧客拡大につなげていく構想もあるという。19年は約2倍の案件獲得を目指す計画だ。(田中克己=IT産業ジャーナリスト)

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