マルケトの統合完了を発表 MAを取り込み法人向けサービスをカバー――アドビシステムズ

マルケトの統合完了を発表 MAを取り込み法人向けサービスをカバー――アドビシステムズ

マルケトの統合完了を発表 MAを取り込み法人向けサービスをカバー――アドビシステムズの画像

アドビシステムズ(ジェームズ・マクリディ社長)は3月6日、マルケトとの統合が3月1日付で完了したと発表した。これにより同社の法人向けマーケティングサービスが大幅に強化されることになる。
 昨年9月に米アドビはMA(マーケティングオートメーション)ツールを提供する米マルケトを買収しており、今回、両社の日本法人が統合。マルケトのチームはアドビシステムズの一員として正式に加わる。元マルケト社長の福田康隆氏はマルケト事業統括として専務執行役員に就任した。
 福田執行役員は「これまでのMAという領域以上にデジタルトランスフォーメーション(DX)という広い視点で顧客のお手伝いができるようになった。現在は互いのプロダクトやユーザー層などについて情報交換を行っている段階で、今後、Adobe Experience Cloudの顧客層を学びながら協議を重ねていく」と語る。現時点では、マルケトが持つ営業・販売の体制は当面維持していく予定だ。
 アドビシステムズは近年、コンテンツ制作、ドキュメント管理に続く新たな事業の柱としてマーケティング領域のビジネス拡大に注力してきた。同社が重視するのは、どこにいても一貫して提供されるパーソナライズされた顧客体験。マクリディ社長は「消費者がどのサービスを選ぶかは自分にとって特別な体験をもたらしてくれるかどうかで決まる。ユニークな体験を提供できる企業にこそロイヤリティーを構築できる」と強調する。
 ここ数年にわたって同社は、買収を繰り返すことでデータ分析、コンテンツ管理、広告管理といったサービスを網羅してきた。特に2018年は、マルケトのほかにECサイト構築プラットフォームのマジェントを5月に買収しており、マーケティング領域のサービスラインアップが完成に近づいた。鈴木和典専務執行役員は「アドビが持つサービスにマジェントのEC、マルケトによるリード管理、アカウントベースマーケティング技術が加わったことで、顧客に寄り添う形でDXの実現を支援できる」と語る。
 長年、B2Cを中心としたサービスを提供してきたアドビシステムズと、B2BのMA分野で大きなプレゼンスを持つマルケトは、エコシステムやユーザー層においても補完関係にある。14年に日本法人を立ち上げたマルケトは、パートナー企業が500社以上で、2000人規模のユーザー会も活発に活動している。今回の統合により同社はマルケトのエコシステムを取り込むこととなる。マクリディ社長は「マルケトが現在持っているサービスやプロダクト、コミュニティーを排除するようなことはしないと約束する」と強調。マルケトのアセットを毀損することなくシナジーの拡大に取り組んでいく意向を示した。(銭 君毅)

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