電子カルテとスマホアプリを連携 妊婦健診で医療情報共有の応用例を示す――富士通とNTTドコモ

電子カルテとスマホアプリを連携 妊婦健診で医療情報共有の応用例を示す――富士通とNTTドコモ

電子カルテとスマホアプリを連携 妊婦健診で医療情報共有の応用例を示す――富士通とNTTドコモの画像

富士通(田中達也社長)は、健康医療情報基盤を使ってスマートフォンの「母子健康手帳アプリ」と、産科医療機関の持つ情報を連携する「妊婦健診結果参照サービス」を今年4月1日から始める。同サービスは、富士通とNTTドコモが協業するかたちで母子健康手帳アプリから健診結果やエコー画像などの情報を参照できるというもの。今年2月から本格的に立ち上げた富士通の健康医療情報管理基盤「ヘルスケアパーソナルサービスプラットフォーム」の具体的な活用事例となる。
 母子健康手帳アプリは、市町村が交付する紙の「母子健康手帳」を補完する目的でNTTドコモなどがスマートフォン向けに無料で配布しているアプリ。NTTドコモの認証サービスの「dアカウント」を使っており、ユーザー情報もdアカウントでひも付けられる。NTTドコモはヘルスケア領域のビジネスを拡充していくに際して、母子健康手帳に着目。同手帳を補完するアプリをより充実させていくには、産科医療機関の電子カルテと情報連携が欠かせないと判断した。
 しかし、NTTドコモは「医療機関とのパイプがそれほど太いわけではない」(村上伸一郎・ライフサポートビジネス推進部長)ため、情報連携はハードルが高い。そこで電子カルテや地域医療連携ネットワークなどで全国の医療機関と太いパイプを持ち、健康医療情報管理基盤の拡大を推進している富士通と組むことにした。
 収益モデルは妊婦健診結果参照サービスを提供したいと考える全国約3000ある産科病院や診療所からの利用料。月額費用3万円(税別)で1000人分の妊産婦に同サービスを提供できる。妊産期間は1年程度なので、「診療所程度の規模であれば、ほぼ月額3万円の範囲で収まる」と、富士通の山田直樹・第二ヘルスケアソリューション事業本部ビジネス戦略統括部長はみている。富士通とNTTドコモでは、向こう5年間でシェア20%に相当する600の産科医療機関への販売を目指す。
 プレセールスの先行ユーザーとして、ばらのいずみクリニック(松山市)、砂町産婦人科(江東区)、依藤産婦人科医院(静岡市)などが活用している。妊婦健診結果参照サービスは、富士通製以外の電子カルテでも使えるもので、この3医院はいずれも他社電子カルテユーザーだという。
 富士通は健康医療情報管理基盤全体では、先行的に15件ほどの案件を進めており、今回のNTTドコモとの妊婦健診結果参照サービスは先行案件のうちの1件。ほかにもスマートフォンと情報連携できるサンスターグループの電動歯ブラシから得た情報を、先進予防歯科サービスを手掛ける歯科医院と共有するサービスにも同基盤を使っている。富士通では、こうした案件を2022年度までに国内120件、ユーザー数ベースで100万人規模にする目標を立てている。(安藤章司)

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