オンラインストレージ2強の新戦略 国内法人市場で競争変化か――BoxとDropbox

オンラインストレージ2強の新戦略 国内法人市場で競争変化か――BoxとDropbox

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法人向けオンラインストレージサービスの競争が激化している。Box Japan(古市克典社長)は3月12日、米国で2015年から提供している「Box Platform」を日本で販売すると発表。同時に19年度(19年2月1日から20年1月31日)の事業戦略を明らかにした。一方、Dropbox Japan(五十嵐光喜社長)は3月20日、これまでの法人向けビジネスの実績と今後の戦略を説明し、新たな取り組みとして日本国内でのデータ保管サービスを開始したと発表した。両社ともに自社のコンテンツ管理サービスを基盤としたデジタルワークスペースの構築を目標としており、その実現のために各分野で最適なサービスと組み合わせるベストオブブリード(BoB)戦略をとっている。ユーザーの選択肢を広げ、活用シーンを増やす考えだ。
 Box Japanは、現時点においてグローバルで9万2000社以上の顧客を抱えており、そのうち4200社が国内市場だという。古市社長によれば「ECM(エンタープライズコンテンツマネジメント、企業内で散在するデータを総合して管理するツール)サービスを利用しているユーザーの3分の1がクラウドへと移行している。将来大きくなる、この市場でリーダーを目指す」と語る。
 同社が今回発表したBox Platformは、Restful APIやSDKを提供することで、Boxのサービスを企業が持つさまざまなカスタムアプリのデータベースとしてアクセス可能にするもの。ユーザーごとに存在するカスタムアプリとの連携を可能にすることで、オンラインストレージを基盤としたデータ管理が可能になる。連携できるツールを業務アプリまで拡大させたことで新たな市場への参入を目指す。
 一方のDropbox Japanは、グローバルの有償利用チーム数が40万チームに達したと発表した(国内利用は非公表)。中でも建設、教育、小売り、サービス業での利用が活発化しているという。五十嵐社長は「11年に法人向けのプランの提供を始めてから、飛躍的にユーザー数が伸びた。当社はオンラインマーケティングに大きな強みがあり、これが結果につながっている」と語る。
 法人向けプランの提供で営業体制は3倍に増加しており、現在は販売チャネルの拡充に力を入れている。日本国内でのデータホスティングサービスの開始も法人向けビジネスに対する意欲の表れで、かねてからあったユーザーの声に応えた形だ。環境はアマゾン ウェブ サービス(AWS)の東京リージョン上に構築した。移行支援サービスについても実施する予定で、ユーザーが持つファイルごとにホスティング環境を選択できるようになった。
 ただし、もともと法人向けビジネスを得意とするBox Japanは、16年の時点でAWSとIBMクラウドを活用し、すでに国内データホスティングサービス実現している。個人利用で圧倒的なユーザー数を誇るDropboxが販売体制・サービス内容ともに本格的なテコ入れを始めた今、今後のユーザー獲得競争に変化が出てくることになりそうだ。(銭 君毅)

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