JSOL、「デジタル新領域」3割に拡大 従量課金モデルで粗利率も向上へ

JSOL、「デジタル新領域」3割に拡大 従量課金モデルで粗利率も向上へ

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NTTデータと日本総合研究所の合弁会社のJSOL(前川雅俊社長)はAI/IoT、データ分析などを活用したソリューション提案をデジタル新領域と位置づけ、重点的に伸ばす。Microsoft Azureと連携した従量課金型のIoT基盤サービスや、Google Cloud Platformの開発環境を使った業況変化検知システム、データ分析による農産物の出荷予測モデルの構築といった「従来の既存ビジネスとは毛色の異なるデジタル新領域の拡大」(前川社長)を、2021年度までの3カ年中期経営計画の柱の一つに位置付けている。 すでに先行的な事例も出はじめている。Azure連携のIoT基盤では、洪水の水位を観測する「危機管理型水位計」のデータ基盤を構築。IoTビジネスを推進する機器メーカーの日本アンテナと協業するかたちで実現した。局地的なゲリラ豪雨対策として自治体や民間企業に売り込んでいく。
 AI活用では、金融機関向けの「企業の業況変化検知システム」を三井住友銀行と共同開発。金融機関は取引先企業の決算書をもとに業況変化を見てきたが、期中の変化をタイムリーに予測することは容易ではなかった。これを取引先企業の口座情報の動きをAIで分析。より早く業況変化を検知できるようにした。同システムはGoogle Cloud上の開発環境を使って開発している。
 他にも、香川県農業協同組合や香川県農業試験場のデータをベースに、ブロッコリーの「出荷予測モデル」を開発。露地作物の栽培は、天候の影響を大きく受けるが、「出荷予測モデル」を活用することで、早い段階で産地の出荷量を把握。価格交渉を有利に進め、生産者の収益力の向上につなげていく。まずは、香川県内のブロッコリーにおいて出荷量の予測モデルを構築し、順次県内の他品目も視野に入れるとともに、NTTデータの営農支援プラットフォームサービス「あい作」のオプション機能として全国にも横展開していく。
 デジタル新領域は、従量課金型のサービス商材を柱としているのが特徴で、既存システムで多かった「売り切り型の個別SIとは収益モデルが大きく異なる」(前川社長)。従量課金型は個別SIに比べると、単年度の売り上げボリュームが小さくなる傾向にあるが、その分、ユーザー企業の売り上げや利益への貢献度を高めることで粗利率を向上。収益性の高いビジネスに育てていく。
 組織的にも、各事業部門のデジタル新領域のビジネスを横断的に支える「デジタルイノベーション事業本部」を設置。AI/IoT、データ活用で欠かせないデータサイエンスの知見を持つ技術者およそ50人体制に拡充している。昨年度(19年3月期)の売上高は、前年度比約5%増の342億円で、デジタル新事業の売上高比率は1割程度だった。これを中期経営計画の最終年度に当たる22年3月期には3割程度に拡大させたいとしている。(安藤章司)

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