レノボのテレワークは成功しているのか?

レノボのテレワークは成功しているのか?

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先日、就業時間内にもかかわらず、誰一人いないガランとしたオフィスを公開したレノボ・ジャパン。働き方改革の一環としてテレワーク制度を導入している企業は増えている。ところが、パーソルプロセス&テクノロジーの調査によると、社内にテレワーク制度はあるものの、週に1度も利用していない人は7割を超えるという。その中で、2005年から取り組んでいるレノボ・ジャパンはテレワークの導入に成功しているのだろうか。
●最も働きやすい場所で働くのがレノボ流テレワーク
 レノボ・ジャパンが19年2月に実施した社内調査によると、テレワークの利用率(月1回以上の利用)は66%だった。意外と少ないと感じるが、この調査対象には米沢工場で勤務している社員、個人情報を扱うため社外での業務ができないテレセールスなどが全体の1割ほど含まれる。つまり、業務内容のため、テレワークを利用できない社員がいる、ということだ。
 このほかのテレワークを利用していない社員について、ECレノボ・ジャパングループの上南順正・執行役員人事本部長も「テレワークを利用していない従業員は自宅よりもオフィスのほうが環境は整っており、集中できるという理由でオフィス勤務をしている」と話す。
 同社はテレワークの利用を推奨しているのではなく、「その日、その業務にとって生産性高く働ける場所、時間」(元嶋亮太ワークスタイル・エバンジェリスト)で働くことを推奨している。つまり、社員が働く場所を選択できることが、レノボ・ジャパンのテレワーク制度だという。
●レノボ・ジャパンはこうして課題を解決した
 テレワークの導入を検討する段階で「在宅勤務ではしっかり働かないのでは」「社内コミュニケーションが希薄になるのでは」という声が多く上がる。レノボ・ジャパンはこうした不安を解消するため、グループチャット「Microsoft Teams」か「Skype for Business」を常時起動するよう義務付けている。これにより、自宅にいてもメンバー同士でしっかりコミュニケーションが取れるという。
 ハードウェア、ソフトウェア面でも体制を整えている。まず従業員に貸与するPCを従業員が自ら選択することができる。軽さや薄さを重視するのか、画面の重さを重視するのか、それは従業員自身が自分の業務内容に適したものを選ぶことができる。ソフトウェア面では、Skype for Businessを利用することで社内の固定電話にかかってくる着信をPCやスマートフォンで受けることができる。
 取り組みの結果、テレワークを導入したことで「生産性が落ちた」と回答した従業員の割合はわずか7%、それに対して「向上した」は47%に上る。
 こうした結果を、レノボ・ジャパンは冷静に分析する。「テレワークを導入したから、生産性が上がった、という単純な理由ではない。テレワークを導入するに際して、社員一人一人の成果をきちんと評価する体制を取り入れた。それにより成果を把握でき、その上で高めるよう、というサイクルを回すことができた」と上南人事本部長は説明する。これがレノボ・ジャパンのテレワークが成功している理由だ。
 これは、これからテレワークを導入しようと考えている、もしくは導入したものの思うように成果が上がっていない企業の参考になるはずだ。
 レノボ・ジャパンは今後、外出することが多い営業部門を中心に、コワーキングスペースを利用できるような制度を導入予定だ。7月23日から31日まで実施するテレワーク奨励期間では、実験的にコワーキングスペースの利用を推奨。この実験をもとに制度を整え、東京五輪に向けて20年7月23日から8月10日までに実施する2週間連続全社一斉テレワークに生かしていく。(BCN・山下彰子)

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