日本マイクロソフト、「2020年にクラウドでトップ」は引き継ぎ事項

日本マイクロソフト、「2020年にクラウドでトップ」は引き継ぎ事項

日本マイクロソフト、「2020年にクラウドでトップ」は引き継ぎ事項の画像

日本マイクロソフトは8月20日、記者会見を開き、2020年度(20年6月期)の経営方針を発表した。会見では、8月31日付で退任し、9月1日から米マイクロソフトでOne Microsoft Partner Groupバイスプレジデント グローバルシステムインテグレータービジネス担当に就任する平野拓也社長がメインスピーカーとして今後の経営方針を説明。「20年に日本のナンバーワンクラウドベンダーになるという目標は新体制でも掲げ、目標達成を目指す」ことを明らかにしたものの、9月以降の同社の経営体制については「まだコメントできない」とした。 平野社長は19年6月期の業績を振り返り、グローバルでは通期の売上高が前期比14%増の1258億ドルで、クラウド商材全体の売上高は381億ドルになったと改めて説明。「世界最大のクラウドベンダーになった」と胸を張った。ただし、これはクラウド商材全体の売上高であり、IaaS、PaaS、SaaSの全レイヤーの売上高を統合した数字で、「Office 365」やビジネスアプリケーションの「Dynamics 365」も含む。
 マイクロソフトがその背中をターゲットとして追いかけてきたAWSはIaaS/PaaSが主戦場であり、マイクロソフトのIaaS/PaaSである「Microsoft Azure」のビジネス規模がAWSを超えたわけではない。20年に日本のナンバーワンクラウドベンダーになるという目標も同様に、Azure単体でAWSのシェアを抜くということではなく、Office 365やDynamics 365を含むパブリッククラウドのサービス全体の売上高で、国内市場のトップになるというのが正確な定義だ。
 日本マイクロソフト単独の業績については詳細な言及を避けたが、「日本のクラウド事業の成長率はグローバルの成長率よりも高い。Azure、Office 365、Dynamics 365を個別に見ても、全て成長率はグローバルの数字を上回っている」(平野社長)という。
 さらに平野社長は在任期間を振り返り「社長在任の(約4年間で)売上高は2倍になり、グローバルで見てもトップレベルの成長を達成した。特にAzureの伸びは大きく、市場の需要とマイクロソフトが提供できる製品やサービスがいろいろな面で合致してきた」と手応えを語った。
 20年度の重点施策としては、業種業態ごとに特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)支援の体制づくり、「Windows 7」「Windows Server 2008」のサポート終了に伴う移行の総仕上げ、クラウドやAIに関する人材育成の三つを挙げた。
 人材育成については、マイクロソフトのグローバルでの方針に沿って日本法人にCLO(Chief Learning Officer)職を設置。伊藤かつら執行役員が就任した。CLOはマイクロソフト社内、顧客、パートナーを含め、同社のエコシステム上のあらゆる組織でDX推進のための人材育成を推進するためのポストだという。まずは顧客のクラウド人材の育成に重点的に取り組む方針で、近年同社が進めるユーザー企業へのアプローチ強化の一環とも言えそうだ。(本多和幸)

関連記事(外部サイト)