リーマンショックとどう違う 新型コロナの影響を帝国データバンクがまとめる

リーマンショックとどう違う 新型コロナの影響を帝国データバンクがまとめる

リーマンショックとどう違う 新型コロナの影響を帝国データバンクがまとめるの画像

帝国データバンク(後藤信夫社長)は3月25日、新型コロナウイルスによる各社の売り上げへの影響について発表した。 新型コロナウイルス感染症「COVID-19」(新型コロナウイルス)が世界的広がりをみせ、WHO(世界保健機関)は3月11日、パンデミックを宣言した。多くの国では入国制限や行動制限などを設けているほか、企業や個人などへの支援策を打ち出している。こうしたなか、各社の売り上げ(収入)の明暗が顕在化してきた。
 新型コロナウイルスの拡大は、企業の経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」に大きなダメージを与えている。各国は他国からの入国制限や外出禁止令を発令するなど「ヒト」の移動を大きく制限しているほか、それにともなう生産停止などで「モノ」の製造・物流なども大幅に毀損した。新型コロナウイルスは、初期段階で「ヒト」「モノ」という実物経済に影響を与え、さらに金融不安をともなう「カネ」へと波及した。これは、金融システムを含む「カネ」を直撃し、次第に「ヒト」「モノ」へと広がったリーマン・ショック(LS)と大きく異なる動きとなっている。
 LSの収束には、「ヒト」と「モノ」への対応を進めつつ、「カネ」の解決策として金融システムの強化・効率化が図られたこともあり、その後、フィンテックを含む新しい金融サービスなどが多く台頭した。新型コロナウイルスでは、資金繰りや金融不安など「カネ」への対応を進めつつ、「ヒト」と「モノ」の解決を図る必要があると考えられる。例えば、テレワークや移動、住宅などを含めた働き方改革、通信販売や製造の国内回帰など物流や生産の見直しなどが進むとみられる。
 帝国データバンクの「TDB景気動向調査」によると、企業の売上高は減少傾向が強まっている。19年当初は、増加企業の割合と減少企業の割合が同程度で推移していたが、次第に減少企業が増加。20年3月(速報値、3月17日−24日の集計結果)では、売上高が減少している企業は55.8%と半数を超え、増加している企業の割合(21.4%)を30ポイント以上上回った。とくに、旅館・ホテルや家具類の小売り、飲食店、娯楽サービスなどで売り上げが前年同月より減少している企業が多い。
 一方、企業の約2割は3月の売上高が増加している。とくに、電気通信サービスやソフトウェア業界、IT向け人材派遣などで、売上高の増加を見込む企業が多い。新型コロナウイルスで業績への影響が避けられないなかでも、収束後の社会変化を見据え、ビジネスチャンスを捉えようとする動きも出ている。企業からは、すでに「中国から輸入不可となった商品の生産の依頼を受けている」(電子計算機等製造)といった声をはじめ、「テレワーク関連の案件増加が見込める」(ソフト受託開発)や「外出が減ることで宅配の需要が高まる」(飲食料品小売)など、新たな需要開拓を進めている意見も聞かれた。
 帝国データバンクでは、新型コロナウイルスの世界的な拡大は、企業活動に大きな影響を与える一方で、08年のLS後に起こった変化を捉えた企業が大きく成長を遂げたように、新型コロナウイルス後に訪れる社会変化を今から想定しておくことも、企業の生き残りに重要な条件となるとしている。

関連記事(外部サイト)