今からでも間に合う、すぐできて効果抜群の「部屋の寒さ」対策とは?

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◆コストをかけずに劇的に寒さを改善する方法がある

 年が明けて、本格的な寒さがやってきました。外気温が寒くても、家の中が暖かければリラックスできます。でも家が寒いとそうはいきません。湯船に浸かって暖まろうとしたものの、脱衣所が寒すぎて服を脱ぐのが億劫になった経験のある方もいると思います。

 それもそのはずで、日本の一般的な住まいは諸外国に比べて断熱性能が低いのです。冬の室温がとても低くなったり、部屋と部屋の間の温度差が大きかったりすることは当たり前になっています。住まいを断熱すれば改善できるのですが、本格的な断熱リフォームには高額なお金がかかるので、ガマンしている人も多いようです。

 でも、実はあまりコストをかけずに劇的に寒さを改善する方法があります。もし、暖房を強くかけなくても家が快適な温度を維持できるようになったら素晴らしいと思いませんか? 2020年の初めに、今からでも十分間に合う抜本的な住まいの寒さ対策を紹介します。

◆安い! 早い! 暖かい! 内窓を付けない家は損している?

 室内のエネルギーの半分以上は、窓を通じて出入りしています。そこで、暖かい住まいを実現する近道が、窓の対策になります。とは言え、すでにある窓を交換するのは大きな費用がかかり、簡単ではありません。そこで窓の内側にもう一つ窓をつける、いわゆる内窓の設置をお勧めします。

 内窓は一見すると地味な対策なので、違いを体感したことのない人はお金をかけてまでやろうという気が起こらないかもしれません。しかし、筆者にしつこく勧められて付けた知人、友人は、内窓の劇的な効果を体験して一様に「なぜもっと早くやらなかったのか」「今までは寒さをガマンして損をしていた」などと口にしています。

◆賃貸住宅では自分で組み立てる格安内窓を

 例えば、賃貸アパートに暮らす友人は、これまでも窓のサイズに応じて、直接貼り付ける気泡緩衝材(プチプチ)や、断熱カーテン、あるいは冷気カットパネルと呼ばれるスチロール製のボードなどを活用してきました。それなりの効果はあったものの、もっとよいものはないかと考えていました。特にプチプチは一時的な使用を前提としたものなので、ずっと使い続けられるわけではありません。

 そこで、昨年末に自分で組み立てるタイプの簡易的な内窓をインターネットで注文しました。かかった費用は一式1万円程度です。プラスチックの枠を両面テープで既存の窓枠に設置するので、アパートを出るときも傷が残りません。

 ガラスの代わりにはポリカーボネイト樹脂(ポリカ中空ボード)と呼ばれる間に空気層の入った透明の板を使います。2時間ほどかけて組み上げると、以前は何をやっても窓の下に冷気が流れていたのに、それがなくなりました。

 サーモグラフで温度を測ると、内窓をつけた部分の温度がはっきりと上がっています。自分で組み立てるタイプの場合、大きな掃き出し窓に設置することはできませんが、それ以外の窓ならほとんど対応可能です。

 自分で組み立てるといっても説明書通りにやれば難しいものではありません。もしDIYが得意な人であれば、ホームセンターで部品を集め、自分で組み立てることもできるはずです。他の窓対策グッズと比べても格段の効果があり、長く使い続けられるのでぜひ窓一つからでもチャレンジしてほしいと思います。

◆寒さが改善、結露がほとんどなくなり、省エネ、防音にも

 持ち家なら、インターネットなどで業者に依頼し、さらに見た目や性能でレベルの高い内窓を設置することができます。特に窓の数が限られるマンションでは、コストもそれほどかからないので、快適性の向上を考えるとやらない理由がないと言えるほどです。

 マンションの場合、すべての窓に内窓を設置しても、工事費用込みで30万円から50万円程度で済むはずです。設置工事もごく短い時間で終わります。

 内窓は、寒さ対策として抜群の効果があることはもちろん、結露がほとんどなくなり、暖房をつけてもすぐに温まるので省エネにもなります。また、副次的な効果として防音効果もあるので、幹線道路沿いのマンションなどではさらに効果を感じるはずです。

 年間を通じて冷暖房の費用を減らしても快適になり、しかも内窓そのものにはランニングコストがかからず数十年使用できるので、ぜひ一度見積もりを取ってみることをお勧めします。

 注文の際のポイントは、サッシは必ず樹脂性にして、間に空気層を挟んだ2枚(ペアガラス)を選択してください。ガラスを断熱性能の優れた「LOW-E」タイプのガラスにするとさらに効果は高まります。

◆戸建ては優先順位を決めて内窓の設置を

 窓の多い戸建て住宅は、マンションのようにすぐにすべての窓にとはいきません。そこで、優先順位を決めて体感しやすいところから内窓をつけていく作戦がお勧めです。まずは一番過ごすことの多いリビングと寝室、そして寒くなりやすいお風呂場、脱衣所、トイレなどを優先して設置していきたいところです。

 それにより、急激な温度差で血圧変動が起こり意識を失う、いわゆるヒートショックの対策にもなります。「自分はもう歳だから」といって家を寒いままにしている家庭も多いのですが、家の寒さで倒れてずっと寝たきりになったり、命を落とすことになったりしたら、こんなにもったいないことはありません。しかもそれは対策をすれば防げることなのです。

 知人の実家では、ご両親が冬の夜に脱衣所が寒すぎてお風呂に入れず、朝に入っていたと言います。しかし最近、脱衣所や風呂場に内窓をつけると寒さが気にならなくなり、夜にゆっくりお風呂を楽しめるようになって大満足しているとのことです。 

「もう1月なので、しばらく待っていると暖かくなるから」と思っている方もいるかもしれません。でも実は、内窓は夏の暑さ対策としても大きな効果を発揮する優れものです。外の熱気は通りにくくなり、冷房の効きも格段に良くなります。

 これらの「住まいの新常識」について、昨年末に筆者が上梓した電子書籍『「寒い住まい」が命を奪う〜ヒートショック、高血圧を防ぐには〜』では詳しく説明しています。長い目で見れば、内窓という選択は快適性や省エネ性能の向上に加えて、健康面でも経済面でもメリットをもたらしてくれます。まだ体感したことがない人こそ、一度内窓を試して暖かい住まいを実現してほしいと思います。

<文/高橋真樹>

【高橋真樹】

ノンフィクションライター、放送大学非常勤講師。環境・エネルギー問題など持続可能性をテーマに、国内外を精力的に取材。2017年より取材の過程で出会ったエコハウスに暮らし始める。自然エネルギーによるまちづくりを描いたドキュメンタリー映画『おだやかな革命』(渡辺智史監督・2018年公開)ではアドバイザーを務める。著書に『ご当地電力はじめました!』(岩波ジュニア新書)『ぼくの村は壁で囲まれた−パレスチナに生きる子どもたち』(現代書館)。昨年末にはハーバービジネスオンラインeブック選書第1弾として『「寒い住まい」が命を奪う〜ヒートショック、高血圧を防ぐには〜』を上梓

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