今年のCEATECの流れを表す部門別AWARD、ソリューションや技術をチェック【CEATEC 2021 ONLINE】

CEATEC AWARD 2021が発表

 CEATEC 2021 ONLINEが10月19日より開幕した。それに先駆け、CEATEC AWARD 2021が発表された。

 CEATEC AWARDはCPS/IoTによるSociety 5.0の実現を促し、新たな価値と市場の創造・発展に貢献、関係する産業の活性化に寄与することを目的としたもの。すでに総務大臣賞と、経済産業大臣賞については関連記事にてお伝えしたが、本稿では、部門賞である、カーボンニュートラル部門賞、スーパーシティ/スマートシティ部門賞、DX部門賞、ソリューション部門賞、要素技術・デバイス部門賞、スタ-トアップ&ユニバーシティ部門賞について紹介したい。

 今年のCEATECの流れを表す各部門賞、スマート化が主たる要素となっているが、ICT/CPSが地盤にあっての流れが強い。2018〜2020年のCEATECを思い出しつつ、チェックしていくとよいだろう。

 なお、CEATEC 2021 ONLINE10月22日まで開催。入場は無料だが入場登録が必要となる。

カーボンニュートラル部門賞

グランプリ

 「フィルム型ペロブスカイト太陽電池」(株式会社東芝)

 フィルム型ペロブスカイト太陽電池は経済産業大臣賞と同時受賞のため、関連記事を参照。

準グランプリ

 「潮流発電システムで海の様々なデータを見える化 エナジーハーベスト型スマートブイ」(京セラ株式会社)

 京セラと長崎大学が、海の見える化に取り組む。海上でのデータ収集には安定した電源供給が課題となっていたが、ブイに潮流発電を実装し、試作機では持続的なデータ取得を成功させている。スマートブイのタービンは、AIと遺伝的アルゴリズムを組み込んだ多目的最適化設計によるもので、変化の多い流速に対応し、発電効率を確保したという。

スーパーシティ/スマートシティ部門賞

グランプリ

 「NECが目指す未来のまち 〜スーパーシティ〜」(日本電気株式会社)

 NECが目指す未来のまち 〜スーパーシティ〜は総務大臣賞と同時受賞のため、関連記事を参照。

準グランプリ

 ソフトバンク「Smart City Platform」(ソフトバンク株式会社)

 ソフトバンクが、東急不動産と取り組むSmart City Platform。ビルや町のデータをリアルタイムに収集し、利活用するべく開発されているもので、現在はSmart City Takeshibaにおいて最先端の検証が進められている。ビル内の混雑状況や店舗データ、人流データなどのデータ活用だけでなく、将来的には竹芝地区全体をスマート化し、モビリティや防災などのソリューションも見据えている。

デジタルトランスフォーメーション(DX)部門賞

グランプリ

 リモート応援システム「Remote Cheerer powered by SoundUD」(SoundUD推進コンソーシアム)

 音の通信技術SoundUDを利用したアプリ「Remote Cheerer」は、離れた場所からでもスポーツ観戦やイベントなどを楽しむことを目的としたもの。スマホ上のボタンをタップすることで、会場側のスピーカーから拍手が鳴ったり、音声チャットやテキストチャットで同じイベントを見ている人と盛り上がれるトークルームなどが実装されている。

準グランプリ

 独自の物体認識AI技術を搭載した、画像認識型「スマート無人レジシステム」(京セラ株式会社)

 1台のカメラとPC、ディスプレイだけで構築できる無人レジシステム。京セラ独自の物体認識AIにより、製品が重なっていたり、手に持っていたりしても高精度で認識できるほか、食堂のメニューの認識にも対応する。また新規商品登録時の学習時間も短い。セルフレジのような手間がなく、設備投資が大きくなりがちな無人決済システムよりも低コストで済むのも魅力。

ソリューション部門賞

グランプリ

 Non-Terrestrial Network構想 グローバルに展開する宇宙・成層圏通信(ソフトバンク株式会社)

 ソフトバンクが2022年からの商用サービスインを進めている宇宙・成層圏通信。非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network)と呼ばれ、成層圏と低軌道衛星、静止衛星を利用し、通信環境が整備されていない地域や産業のデジタル化を狙う。成層圏はソフトバンク子会社のHAPSモバイルが担当し、低軌道衛星はOneWeb、静止衛星はSkyloとの協業になる。

準グランプリ

 東芝の量子暗号通信で安全なオンライン社会を実現(東芝デジタルソリューションズ株式会社)

 量子暗号通信は、光子が何かに触れると、必ず状態が変化する良識理学的な成立を利用したもの。理論上突破されないセキュリティ要素とされている。とくに金融や医療、個人情報といった秘匿性が重要となるデータ通信での期待が高まっており、2021年6月には600km以上の通信距離を実証した。

要素技術・デバイス部門賞

グランプリ

 「健聴力」で、あなたと世界をつなぐ。メディカルリスニングプラグ(シャープ株式会社)

 メディカルリスニングプラグは、軽度・中等度難聴者向け耳あな型補聴器で、管理医療機器認証を取得しながらも、補聴器としてリーズナブルな価格帯に属するほか、スマホとの連携により自宅でフィッティングやアフターサポートも受けられる。見た目はいわゆるワイヤレスイヤホンであり、音楽鑑賞やハンズフリー通話にも対応。

準グランプリ

 VENUE:地磁気による屋内測位が働き方を変える(TDK株式会社)

 VENUEは、インフラコストとメンテナンス不要の地磁気を基本としたリアルタイム屋内位置測位ソリューション。用意した磁気マップとスマートフォンを組み合わせることで、精度平均1〜3mを実現。またWi-FiやBluetoothとの連携も可能となっている。建物内の人流把握のほか、RF-IDタグを利用した備品の把握など、さまざまな「探す」をフォローする。

スタートアップ&ユニバーシティ部門

グランプリ

 極軽量/省電力エッジAIアルゴリズム MST(株式会社エイシング)

 極小マイコンでも動作するAIアルゴリズム「MST(Memory Saving Tree)」は、メモリ要求の低さと高い予測精度と応答性の高さが特徴。エッジAIにおいて課題となっていたメモリ要求をクリアするだけでなく、スタンドアローンでの逐次学習も可能になる。

準グランプリ

 『Marine Drone(純国産水上ドローン)』- 水上作業の自動化、デジタル化(炎重工株式会社)

 炎重工のMarine Droneは、養殖場でのエサの散布や対密漁パトロール用としてスタートした自動運転船舶ロボットだ。高齢のユーザーに対応するべく、PCやタブレット不要のRCプロポ操作のほか、GPSを利用した自立航行(経路航行・ランダム航行)も可能。また各種オプションが豊富であり、カメラの搭載やゴミ回収、水質調査などにも対応する。

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