北朝鮮崩壊に備え韓国で“受け皿”づくりの動き、「亡命政府樹立」「10万人の脱北村建設」、「中国で『金正恩氏を除去』に言及」との報道も

北朝鮮崩壊に備え韓国で“受け皿”づくりの動き、「亡命政府樹立」「10万人の脱北村建設」、「中国で『金正恩氏を除去』に言及」との報道も

韓国内で北朝鮮の崩壊に備えた“受け皿”づくりの動きが目立ってきた。「亡命政府の樹立計画」「10万人規模の脱北村建設」などで、「中国内部で金正恩朝鮮労働党委員長の除去に言及」との報道もある。写真は北朝鮮の国境付近。

2016年10月15日、韓国の朴槿恵大統領が北朝鮮住民に脱出を呼び掛けたことを契機に、韓国内で北朝鮮の崩壊に備えた“受け皿”づくりの動きが目立ち始めた。韓国紙は「亡命政府の樹立計画」「10万人規模の脱北村建設」などを相次いで報道。「中国内部で金正恩朝鮮労働党委員長の除去に言及」とも伝えている。

聯合ニュースによると、朴槿恵大統領は今月1日、「国軍の日」の記念行事の演説で、「いま北朝鮮の金正恩政権は絶え間ない恐怖政治と人権蹂躙(じゅうりん)で、北朝鮮の住民の生活を絶望的に追い込んでいる」と非難。その上で、北朝鮮住民に対し「いつでも韓国の自由な地へ来てほしい」と呼び掛けた。

これに呼応するかのように、東亜日報は「海外に居住する脱北エリートと韓国の主要な脱北者団体長が連帯し、来年上半期に米国で『北朝鮮亡命政府』を樹立する計画だ」と報じた。北朝鮮の民主化運動の求心点をつくることが狙いだ。

同紙によると、亡命政府は政治的には自由民主主義体制、経済的には中国式改革・開放政策導入の綱領を採択する。自由民主主義体制とは異質な中国式を導入する理由は中国の支持を得るため、という。

また、朝鮮日報は「北朝鮮の崩壊やそれに近い事態が発生した場合、短期間におよそ10万人の脱北者が発生すると韓国政府は予想している。そのため韓国政府はこれらの脱北者を収容するため『10万人脱北村』を建設する計画を進めている」と報じた。

「脱北者の全員収容」を原則に、10万人のうち4万3000人は廃校や体育館などすでにある施設や建物に、残りの5万7000人は臨時の建物などに分散して収容することが主な内容。政府はこの脱北村建設に2兆ウォン(約1800億円)以上の予算が必要と試算している。同紙は「韓米両国が北朝鮮の急変に備えてとりまとめた『作戦計画5029』や、有事に備えた『忠武計画』などにはいずれも脱北者収容計画が明記されているが、現時点ではこれらを整理する作業を行っている」とも伝えている。

さらに、朝鮮日報は韓国国立外交院と米戦略国際問題研究所(CSIS)が6日(現地時間)、米ワシントンDCで開催した「2016年北東アジア平和協力フォーラム」を紹介。中国・清華大学の元教授で米コロンビア大学国際公共政策大学院の孫哲教授が「中国では学者だけでなく、当局者たちも韓米両国による『外科手術的打撃』と『金正恩除去』を選択肢の一つとして支持するということに言及し始めている、と述べた」と報じた。

孫教授は「(中国内部での論議は)大まかに言えば、北朝鮮問題について『中国は戦争にも、核にも、混乱にも反対する』という『3ノー(No)政策』に集約されている」としながらも、「金正恩政権の交代や中国人民軍の北朝鮮への駐屯などを通じ、北朝鮮が核を放棄して改革・開放に乗り出すよう促すべきという急進的なアイデアも出ている」とも説明したという。(編集/日向)

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