中国がくしゃみをすれば世界が風邪―「上海のコロナ禍で世界経済に大きな打撃」が現実味

中国がくしゃみをすれば世界が風邪―「上海のコロナ禍で世界経済に大きな打撃」が現実味

上海など中国各地での新型コロナウイルス感染症が増加が、世界経済に大きな影響を及ぼす事態が、現実味を帯びてきた。写真は人の姿が消えた上海の浦東国際空港。

米国華字メディアの多維新聞は9日付で、新型コロナウイルス感染症が大幅に増加した上海では企業や物流施設が操業を停止していることが、世界経済に深刻な影響をもたらすとする記事を発表した。記事は「中国がくしゃみをすれば世界が風邪をひく」などと表現した。

上海市では感染の大幅な拡大を受け、封鎖措置が続いている。上海だけなく広東省深セン市なども感染症の影響を受けた。感染症の流行性は、人やモノの流動性を抑えているだけでなく、需要を減少させている。中国のサービス業の活動は過去2年来で最大のペースで減少し、2月に50.2だった購買担当者景気指数(PMI)は、3月は42.0と、景気動向を示す目安になるとされる50を割り込んだ。

上海市では各地域が封鎖されているため、労働者が外出できないことで、製造業も影響を受けている。アップル、フォルクスワーゲン、テスラなどの多国籍企業も操業を停止した。テスラの場合には3月28日から操業を停止しており、再開の目途は立っていない。欧州でテスラ車を予約した人は、新車の引き渡しが少なくとも1カ月は遅れるとの通知を受けたという。

チップ大手のTSMCやSMICは、労働者を工場内に宿泊させて定期的に検査を受けさせることで操業を維持しているが、トラック輸送が停滞しており、製品を顧客に届けることが滞っている。韓国系企業も操業停止などの影響を受けている。

上海港は稼働しているが、船舶の停泊時間は24時間未満で、停泊している船の数も平均して10隻未満だ。在中国EU商工会は、上海市の取り扱い貨物量は通常時溶離も約40%現象していると推計している。原因は、上海港までの物流が影響を受けていることという。

経済活動についての上海市の機能が大きく減退していることは、長江デルタ全体の経済活動、さらには全世界に影響を与えている。「中国がくしゃみをすれば、世界が風邪をひく」といった状況が発生しつつある。

2020年初頭の世界的な感染拡大以降、国際的なサプライチェーンに大混乱が発生し、コモディティー商品や食品、消費財の価格が高騰した。その後は徐々に回復傾向を見せたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、原油価格や食料価格が改めて上昇した。上海など中国の多くの地域における感染症の増加は、物価をさらに押し上げる効果をもたらす可能性がある。また、中国にとっては今年の政府目標である経済成長率5.5%を達成できない恐れが出てきた。

「市場はこれまで、中国での感染拡大の深刻さを過小評価してきた」として、今後数カ月間で証券市場などで波乱が発生するとの見方も出ている。(翻訳・編集/如月隼人)

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