グローバルサプライチェーンの「中国デカップリング」は非現実的―香港メディア

グローバルサプライチェーンの「中国デカップリング」は非現実的―香港メディア

サウスチャイナ・モーニング・ポストはこのほど、中国の製造業者は依然としてグローバルサプライチェーンの鍵であり、生産者は世界の工場に「さらに依存」しているとする記事を掲載した。写真は中国国内にある工場。

香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストはこのほど、中国の製造業者は依然としてグローバルサプライチェーンの鍵であり、生産者は世界の工場に「さらに依存」しているとする記事を掲載した。中国国営新華社通信系の参考消息が4月30日、その内容を要約して次のように伝えている。

「中国から撤退することを考える必要はなくなった」と、繊維輸出業者のレイモンド・シエ氏は今月初めに顧客に話せるようになった。

シエ氏は、他の古参の輸出業者と同様に、今年の初めに工場の操業がコロナウイルスによるサプライチェーンの混乱に見舞われ、「心は不安で引き裂かれた」。

しかし、当局が今月初めに一連の減税計画を発表したため、シエ氏とその同業者は安心することができた。

シエ氏は「1カ月近く封鎖されていた近くの港への道路は、私が払い戻しを受けた同じ日に再開された」とし、「税金の還付やその他の補助金は、私の最近の損失をカバーするのに十分だ。私は今でも、私たちが依然として費用対効果の高いサプライヤーであることを顧客に約束することができる」と話している。

深センを拠点とするサプライチェーン専門家のリウ・カイミン氏によると、ここ5年間、中国から離れたサプライチェーンの多様化は「人気」だったが、新しい変数がプロセスのリズムを絶えず変化させている。グローバルサプライチェーンにおける中国の不可欠な立場を考えると、ほとんどの人にとって「デカップリング(切り離し)」は非現実的であることが証明されている。

中国、インド、ベトナムに開設した工場でさまざまな国際ブランドの製品を製造しているOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーの上級幹部は、中国のガバナンスモデルは伝統的にサプライチェーンを維持するためにプラスであり、外国投資に対する態度は伝統的に安定していると指摘している。

リウ氏は、3月と4月における中国のサプライチェーンの問題は、欧米市場での商品のさらなる価格インフレにつながるとし、「大手ブランドでさえ、必要がない限りは、サプライヤーを切り替えることに消極的だ」と付け加えた。

中国で事業を展開している米国の企業も中国の製造業者や輸出業者と同様の見方をしており、移転は口で言うほど簡単ではないとしている。

北京を拠点とする貿易、物流、マーチャントサービス会社、アンルート・グローバスの創設者であるジョナサン・ガリソン氏は、「サプライチェーン参加者のネットワーク効果とその市場からデカップリングするコストを引き上げる中国での契約上の義務を無視することはできない。中国から離れることは、享受してきたインセンティブを解き放つことを意味する。中国ではインフラは投資だ。中国の特定の問題に対する不快感が突然、ホンジュラスを実行可能な選択肢にするようなものではない」と述べている。

米カリフォルニアを拠点とする醸造機器メーカー、SSブリューテックの創設者であるミッチェル・トムソン氏によると、サプライチェーンの変化は、規制構造や税関要件、他のサプライヤーの利用可能性、中国国外の物流についても疑問を投げかけている。

トムソン氏によると、一部の衣料品およびファッションメーカーは、東南アジアにおいて単一のサプライチェーンで生産を拡大するメカニズムをすでに持っている可能性があるが、それがゼロから始まる場合、どうすればそれを行うことができるだろうか。ここ2年間は厳格な検疫措置によりスタッフが新工場の開設を手伝うために海外に出向くことを望まなかったため、変更を加えることはさらに困難になっている。(翻訳・編集/柳川)

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