中国・上海で続くロックダウンに市民の不満広がる、WHO事務局長発言は反論しブロック

中国・上海で続くロックダウンに市民の不満広がる、WHO事務局長発言は反論しブロック

新型コロナ対策として中国・上海で続くロックダウンに市民の不満が広がっている。中国の「ゼロコロナ」はWHO事務局長も疑問視したが、当局は反論し発言は国内でブロックされた。写真はPCR検査を待つ上海市民。

新型コロナ対策として中国最大の経済都市・上海で1カ月余り前に始まったロックダウン(都市封鎖)は解除されそうになく、市民の不満が広がっている、とロイター通信が報じた。中国の「ゼロコロナ」をめぐっては世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長も疑問視したが、当局は反論し発言は国内でブロックされた。

ロイター通信によると、事情に詳しい複数の関係者は「上海市は隔離区域外の新規感染者を5月後半までにゼロにするための取り組みを改めて強化している」と明らかにした。市内の新規感染者数に減少傾向が見られるものの、リバウンド(感染再拡大)の恐れがあるため、厳しい規制は今月いっぱい続けられる見通し。いくつかの地区の当局は市民に対していったん短時間の散歩や買い物を許可した後、再び自宅にとどまるよう指示を出した。

中国のソーシャルメディアで拡散されたある動画には、白い防護服をまとった警官と付近で陽性者が出たために隔離施設に入るよう命じられた市民らが言い争う様子が映っている。警官の1人が「これはわれわれが完全に感染を排除できるようにする措置だ。私になぜ(こんな命令を出すのか)聞くな。そこに疑問の余地などない。われわれは国家の方針に従わなければならない」と説明する声も聞こえてくる。

市民の間では、長引くロックダウンや隔離施設に入ることへの懸念から、不満やこの動画にあるような口論が広がっている。隔離施設にはシャワーなど基本的な生活を過ごす設備がないケースがあることも不安要素の一つだ。

こうした中、WHOのテドロス事務局長は10日、中国の「ゼロコロナ」政策について「持続可能とは思えない」として、別の対策に移行することが必要だとの考えを示した。WHOが各国の新型コロナ対策を評価するのは異例だ。

この発言に対し、中国外交部の趙立堅報道官は11日の定例記者会見で「中国の『動的ゼロコロナ政策』は感染ゼロを求めるものではなく、最小限の社会的コストによって最短の期間で感染を抑制し、最大限に人民の生命や健康、正常な生産と生活秩序を保障するものである」と強調。「中国の大部分の地域で、大部分の民衆が正常な生産活動と生活をしており、中国全土の感染率と死亡率は世界の最低水準を保っている」と述べた。

国連はテドロス氏の発言を中国語でSNSに投稿したが、中国版ツイッター「微博」への投稿は11日午前、直ちに削除された。チャットアプリ「微信」への投稿も共有不能となっている。 ロイター通信によると、微信では「この投稿は関連法規制に違反しているため、共有が禁止される」との説明が付記されているという。(編集/日向)

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