韓国・尹錫悦政権、米国主導「IPEF」参加へ、中国の反発懸念「試験台に立たされる」と主要紙

韓国・尹錫悦政権、米国主導「IPEF」参加へ、中国の反発懸念「試験台に立たされる」と主要紙

韓国の尹錫悦政権は米国主導の経済協力構想「IPEF」に参加する方針を決めた。対中けん制の側面が強いIPEFには中国の反発が懸念され、主要紙は「試験台に立たされる韓国外交」との見方を示した。

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は米国主導の経済協力構想「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)に創設国として参加する方針を決めた。安全保障は米国、経済は中国依存の「安美経中」の韓国だが、対中けん制の側面が強いIPEFには中国の反発が懸念され、主要紙は「難題を抱え込み、試験台に立たされる韓国外交」との見方を示した。

IPEFはバイデン米大統領が昨年10月、東アジア首脳会議(EAS)で初めて構想を明らかにした。公正で弾力性のある貿易▽サプライチェーンの弾力性▽インフラ施設・クリーンエネルギー・脱炭素▽租税・反腐敗の4分野での協力を目指す。特に米国には半導体やバッテリー、電気自動車など高付加価値産業を米国中心に再編しようとする構想がある。

米国がIPEFを推進する背景は二つだ。まず、中国とASEAN(東南アジア諸国連合)が主導した超大型自由貿易協定(FTA)である「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」に対するけん制だ。次にトランプ政権時代の2017年、「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定」(CPTPP)の前身である「環太平洋経済パートナーシップ」(TPP)から脱退したことを挽回する狙いもある。

この過程で加盟国が貿易慣行と未来の主要産業の共通基準をつくれば、自然に中国を排除して孤立させることができるという思惑もある。中国の浮上を防ぐための外交・安全保障分野の協議体がクアッド(日米豪印4カ国の戦略対話)ならば、IPEFは「通商分野のクアッド」といえる。

これに対し、中国の王毅国務委員兼外相は16日、韓国の朴振外相とのテレビ会談で「域内で開放と包容を維持し、陣営間の対決に反対することが、中韓両国の根本利益に合致する」と強調。「『脱サプライチェーン』や『サプライチェーンの断絶』など否定的な傾向に対抗し、グローバル産業サプライチェーンを安定的に維持しなければならない」として、不快感を表わした。

ハンギョレ新聞は「IPEFへの参加を目指している台湾まで合流すれば、中国の反発がさらに激しくなるものとみられる」と報道。尹大統領は新政権発足から間もなく厳しさの増していく米中戦略競争の荒波の中に飛び込むわけだ。中国が韓国内のTHAAD(高高度ミサイル防衛)配備の時以上の報復に出ることを懸念する声も上がっている」と伝えた。

国立外交院米州研究部のミン・ジョンフン教授は「私たちが主導するのではなく、国益を守るために多国間協議体に参加するという点を強調する必要がある」とし、「特定の国を排除することが目的ではないという点を明確にし、発足宣言でも用語や単語も細心の注意を払って選ぶ必要がある」と指摘した。(編集/日向)

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