日本で注目すべき新たな現象「強制備蓄」―華字メディア

日本で注目すべき新たな現象「強制備蓄」―華字メディア

華字メディア・日本華僑報は17日、「日本で注目すべき新たな現象『強制備蓄』」と題する記事を掲載した。

華字メディア・日本華僑報は17日、「日本で注目すべき新たな現象『強制備蓄』」と題する記事を掲載した。

記事は、「新型コロナウイルス感染症の到来後、日本では収入が減少したり失業したりする人も少なくない。しかし日本の預金量を見てみると、減少するどころか増加している」とし、日本銀行の「消費されずに貯蓄に回った額は2021年末時点で約50兆円」とする試算を引用した。

「強制貯蓄」とは、物価が上昇する時に人々の所得の上昇がこれに追いつかず、その結果、実質所得と実質消費が減少することから生じる非自発的な貯蓄のこと。強制貯蓄の金額が高いほど、市場の需給が不均衡で不足経済(shortage economy)現象が起きていることを示している。記事は、「日本の強制貯蓄は特に注目に値する」として、日本の経済と国民の貯蓄について分析した。

■高所得者は貯蓄し、低所得者は使い尽くす

記事は、「自然災害や疫病による物資不足やインフレは、社会を強制貯蓄態勢に突入させる」とし、「この時の深刻な問題は、高収入の人は備えあれば憂いなしと支出を切り詰めてお金を銀行に預けることができるが、低所得の人は1日3度の食事だけでも、もともとあまり余裕がない。このような時には、さらに衣食を切り詰める必要があり、貯蓄どころではない」と指摘した。

また、「この現象は日銀の関連レポートでも示されている」とし、2021年4月に日銀が発表した「展望レポート」を引用。同レポートによると、世帯年収別の貯蓄額と世帯数の分布からの試算で、「強制貯蓄」の半分以上が年収が600万円以上の世帯によるものとみられている。また、厚生労働省の調査によると、「年収400万円以下の世帯の貯蓄は強制貯蓄全体の10%未満」と予測されている。記事は、「貧困家庭ほど感染症(による経済的)リスクに対応できず、将来の生活がさらに苦しくなっていることが分かる」と指摘した。

■コロナ後の「K」字型経済

日銀の展望では、強制貯蓄は一時的な現象であり、「感染症の収束の過程で個人消費のリバウンドが大きくなる可能性もある」とされている。一方で記事は、「11年の東日本大震災後を見ると、そうはならなかった」とし、「大震災後に4兆円の強制貯蓄があったが、震災から何年経っても、経済を研究している人たちは結局、強制貯蓄が消費されている証拠を見つけられていない」と指摘。この理由について、ピクテ投信投資顧問の市川眞一氏の言葉を引用し「経済成長率が予想以上に低く、大幅な賃上げが見込めない。あまりにも多くの日本人が将来に不安を抱えている」と伝えた。

記事は、「11年の大震災後、日本経済は『K』字型の変化をした」とし、「金融資産を持っている人はある程度所得の上昇を得たが、金融資産を持っていない人の多くは、中間層から底辺層に落ちていった。高齢化社会で福祉の面の需要は切迫しており、政治家は急いで軍備費を倍増させようと考えているが、日本に技術革新は久しくなく、技術的手段での労働生産性や人々の所得向上も、今の日本ではほとんど期待できない」と評した。(翻訳・編集/刀禰)

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