「新疆製品禁止令」で米国の産業にダメージ? EV用バッテリーも多くが新疆製―独メディア

「新疆製品禁止令」で米国の産業にダメージ? EV用バッテリーも多くが新疆製―独メディア

21日、米国で新疆ウイグル自治区からの輸入を原則禁止する「ウイグル強制労働防止法」が施行された。

21日、米国で新疆ウイグル自治区からの輸入を原則禁止する「ウイグル強制労働防止法」が施行されたことについて、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは22日付記事で「米国の多くの産業に打撃となる可能性がある」と報じた。

記事によると、ブリンケン米国務長官は「米国は同盟国に対し、中国新疆地域での強制労働の撲滅を呼びかけている」とし、「われわれは同盟国とパートナー国に対し、世界のサプライチェーンで強制労働がなされていないことを確認し、新疆での残虐行為を公に非難し、われわれ(米国)とともに中国政府に残虐行為と人権侵害の即刻停止を働きかけるよう呼びかける」と表明した。

米国税関・国境警備局(CBP)は以前、輸入業者は必ず「明確で信頼できる証拠」を提出し、製品の生産過程が強制労働に関係していないことを証明しなければならないとした。証明がなければ、新疆からの製品は一律に強制労働によるものと認定されることになる。また、この証明の難易度は「非常に高い」とした。

米国土安全保障省のロバート・シルバーズ政策担当次官は声明の中で、「強制労働で製造された商品を輸入することは、私たちの国の価値と人権を侮辱するものだ」と述べている。

新疆が輸出する主要商品には綿花、トマト、ソーラーパネルに使われる多結晶シリコンなどがあるが、これらの品目は同法で重点製品に指定されている。国境警備局によると、昨年米国は中国から約90億ドル(1兆2000億円)分の綿製品を輸入。このうち20%の衣料品に新疆の綿花が含まれていた。

■産業へのダメージ

記事は、「現在、主要な電気自動車用バッテリーや再生可能エネルギーを貯蔵するバッテリーは、ほとんどが中国からのもので、新疆がそのうち最も多くを占めている。これらの電池は世界のサプライチェーンの中、特に気候変動の問題で重要な役割を果たしている。そのため、この禁止令は一部の産業にダメージを与える可能性がある」と指摘した。

米紙ニューヨーク・タイムズは貿易専門家の話を引用し、「何千ものグローバル企業がサプライチェーンで新疆に頼っている。米国が新法を全面的に施行すれば、多くの製品が国境ではじかれる可能性がある」とした上で、「中国のサプライチェーンの複雑さと不透明性を鑑みれば、どのようにして産地を見分けるかは厄介な作業となるだろう」と述べた。

一方で、中国は新疆での人権侵害行為を否定している。中国外交部の汪文斌(ワン・ウェンビン)報道官は、「米国はいわゆる法律という形で新疆での強制失業を作り出し、世界で中国との切り離しを推進しようとしている」と主張している。

■国際弁護士が中国を調査

国際弁護士は20日、検察官に新たな証拠書類を提出。オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に、中国政府に対し「ウイグル人およびイスラム教徒のグループに対して犯した重大な犯罪」について訴追するよう改めて訴えた。

AP通信によると、新たに提出された証拠には2018年に収容所から逃げ出した人の証言が含まれている。この人物は、自身や他の人々が拷問を受け、治療を受けさせられ、「不明物質を投与された」としている。

また、英弁護士のロドニー・ディクソン(Rodney Dixon)氏は、「新たな証拠により、近隣の国々や国際刑事裁判所加盟国が領土内でウイグル人を捕らえ、強制的に中国に送り返す詳細な計画が明らかになった」と述べた。

弁護団は声明で、「国際刑事裁判所は、加盟国の領域で発生し中国の領域での犯罪につながるものについて直ちに捜査すべき」と主張している。(翻訳・編集/刀禰)

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