韓国の観光業界は「泣きっ面に蜂」、中国人客激減の一方で海外旅行増加、観光収支の赤字積み上がる

韓国の観光業界は「泣きっ面に蜂」、中国人客激減の一方で海外旅行増加、観光収支の赤字積み上がる

夏休みシーズンを迎える中、韓国の観光業界が「泣きっ面に蜂」の状態に陥っている。中国が「禁韓令」を発動して中国人客が激減。一方で韓国人の海外旅行は増加し、観光収支の赤字が積み上がっている。写真は韓国。

2017年7月15日、夏休みシーズンを迎える中、韓国の観光業界が「泣きっ面に蜂」の状態に陥っている。在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備に反発する中国が「禁韓令」を発動して中国人客が激減。一方で韓国人の海外旅行は増加し、今年に入ってから観光収支の赤字が毎月積み上がっている。

中央日報が伝えた韓国観光公社の統計によると、3月の「禁韓令」以降、韓国を訪問した外国人観光客数は前年に比べて3月11.2%、4月26.8%、5月34.5%などと減少の一途。 年末まで沈滞が続く場合、15年中東呼吸器症候群(MERS)時に比べて、インバウンド市場は最大5倍以上萎縮し、さらには07年の内国人出国者数(1332万人)が外国人入国者数(645万人)の2倍を上回る悪夢が再現される可能性もある、と同社は予想している。

中国最大の海外旅行予約プラットフォーム・携程旅遊がこのほど発表した報告書「2017年夏休み海外旅行ランキング」によると、タイ、日本、シンガポールがトップ3。米国、香港、インドネシア、ベトナム、マレーシア、ロシア、フィリピン、モルジブ、イタリア、台湾、英国、ドイツ、カンボジア、オーストラリア、アラブ首長国連邦(UAE)、フランス、澳門(マカオ)などが続いた。昨年2位の韓国は人気がなく、50位にも入れなかった。

聯合ニュースは今年2月にクルーズ船による訪韓客数が前年同期比80%増を記録したものの、3月は45%、4月は80%、5月は91%、6月は95%と激減していることを紹介。90%を超えるという中国人観光客への過剰な依存がクルーズ船市場の壊滅的状況につながったと報じている。

半面、韓国銀行(中央銀行)によると、5月の韓国の一般旅行収入(外国人による韓国国内での旅行支出)は9億1820万ドル(約1049億円)。これに対し、韓国国民が海外旅行・出張で支出した一般旅行の支出は20億9710万ドル(約2396億円)に上った。

同月の一般旅行収支から留学と研修関係分を除いた「観光収支」は11億7890万ドル(約1347億円)の赤字で、過去最大を記録。これまではMERS感染拡大による被害が発生した15年7月の11億2600万ドル(約1286億円)が最大だった。

観光収支の赤字は14年12月から続いており、今年3月以降は赤字額が3カ月連続10億ドル(約1140億円)を突破。最近のウォン/ドル為替レート(終値基準)で換算すると、1〜5月の赤字額は毎月1兆ウォン(約1000億円)を上回る。

韓国観光公社は増加する海外旅行需要を国内に切り替えるため、「労働者休暇の拡散+国内旅行の促進」キャンペーンを実施。さらにインバウンド市場の多角化を目指し、モンゴルやカザフスタンなど潜在市場の開拓案も模索している。(編集/日向)

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